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「鬼武者 Way of the Sword」は,江戸時代初期の京都を舞台に,若き日の宮本武蔵を主人公に据える。剣の達人として歴史に名を残す前の,まだ何者でもない時分の武蔵が,京都を覆う怪異の渦中に放り込まれるという設定だ。
本作のディレクターの二瓶 賢氏と,プロデューサーの門脇章人氏に,体験版の反響や世界観へのこだわりなどを,幅広く語ってもらった。
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4Gamer:
よろしくお願いします。発売日の発表と体験版の配信が同時でした。体験版に対する反応をどう受け止めていますか。
門脇章人氏(門脇氏):
発売日の発表と体験版の配信を同時にしたのは狙っていました。開発メンバーがなんとか間に合わせてくれたので助かりました。
実際に体験してくれた人たちの反応を見ても,まず導入として,アクションの手触り感や世界観,そして宮本武蔵,佐々木巌流といったキャラクターに触れてもらうきっかけとしていいものになったと思っています。
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4Gamer:
なるほど,本作のおいしいところをギュッと凝縮したような感じですかね。
門脇氏:
ええ,パッケージとしてうまくまとまりました。ただ,「ちょっと簡単すぎる」という意見も出ていますが,ゲームの最序盤ですから,そこは理解していただきたいです。
4Gamer:
いきなり出だしから最大難度ということはないですからね。
門脇氏:
アクションの感覚などを試してもらいたかったというのもあって,本編の序盤では登場しないスキルも前倒しで実装しています。
4Gamer:
であれば,なおさら難度は参考にならない。
門脇氏:
そうなんです。アクションの手触りや空気感みたいなものを確認してほしいというのが第一にあったので,そういう形にしました。
4Gamer:
簡単というイメージが先行するのも本意ではないでしょう,もっと歯ごたえがあるゲームだと,ここでも改めて言っておきましょう(笑)。
実際のゲームはもっと難しいということですが,詰まってしまったプレイヤーへのサポートはどう設計していますか。
二瓶 賢氏(以下,二瓶氏):
Tipsも確認できますが,難度をすぐ切り替えられる仕組みを用意しています。探索しながらアイテムを集めてパラメータを上げるという手段も,詰まったときの対策として機能します。
4Gamer:
「こうやればいい」と直接アナウンスするのではなく,実際に強くなれる手段の幅を持たせる方向で考えたわけですね。
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二瓶氏:
ほかにも,画面ガイドも表示を切り替えられるようにしました。ガイドのあり/なしで進めやすさはかなり変わるので,そういった面からも難度を調整しています。
4Gamer:
ハードモードは敵の体力や攻撃力が高くなるだけといった単純なものではないと。
二瓶氏:
まさに,そうです。
4Gamer:
探索を導く「道しるべ」のナビゲーションは,かなり親切に感じましたね。
門脇氏:
実は最初はなかったんですよ。「ここへ行け」と表示されているのに壁がある,という状況が頻発して(笑)。
4Gamer:
実際に使うと絶妙なスピードで進みますよね。最初は「ちょっと速い?」と思いますが,追いかけるとちゃんと見えていて。
門脇氏:
ええ,いいあんばいで,いいものができたと思っています。
4Gamer:
あれを使うとかなり楽になりますが,それが選択式というのもいいですよね。簡単になりすぎるからいや,という場合は使わなければいいわけですし。
二瓶氏:
ええ,道に詰まってゲームをやめてしまうというのは避けたいという前提のもとで,サポートのナビゲーションは入れています。ただ,ガイド通りに進めるだけでは探索の楽しさがなくなる。ガイドが強すぎると背景を見なくなるとよく言われますが,それも意識しました。
4Gamer:
ゲームによってはミニマップばかり見てしまうなんていうこともあります(笑)。
二瓶氏:
ですから,自分で詰まったときに押して確認する,というスタイルにすることで,プレイヤーが能動的に使う仕組みにしたかったんです。
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4Gamer:
いわゆる難度とは違いますが,ボスと戦っていると煽り気味のセリフを言ってきたかと思ったら,焦っているようなことを言ってくるときもありますね。
二瓶氏:
今回は,セリフの掛け合いがちゃんとあるチャンバラにしたい,というのを意識して作りました。造形的に人間ではない敵もしゃべりますし,体力に応じてセリフが変わるので,キャラクターごとに個性のある「付き合い」ができるようになっていますよ。
4Gamer:
ありきたりな表現ですが,ゲームへの没入感が違いますね。
二瓶氏:
カプコンが作るゲームは,キャラクターの個性をとても大事にしていて,セリフがなく最後まで気合いの声しか発しないキャラクターでは,「こいつは何のために俺に向かってくるのか」みたいなことが伝わらない。そこをしっかり際立たせるためにもやっています。
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4Gamer:
そういった細部へのこだわりは,プレイヤーとしてうれしい点です。ゲームに出てくるお寺の一部は実際に取材したうえで,通常は一般開放されていない場所もゲームに再現したそうで。なんというか,そのやり過ぎ感が好きです。
門脇氏:
ありがとうございます。六道珍皇寺の井戸などがそうですね。通常はなかなか見られないですし,ゲームでじっくりと観察してほしいです。
4Gamer:
一般開放されていないということは,それを本物そっくりに作ったとしても,誰も気がつかない可能性もあるわけで……。
門脇氏:
そうなんですよ(笑)。
4Gamer:
許諾をとるのも一苦労ですよね?
門脇氏:
カプコンがいきなりお寺に相談してもビックリしてしまうだろうというのもあり,最初は京都市に相談して,京都市の協力を得て話を進めたんです。
4Gamer:
まさかの自治体! そこまでこだわる理由は何でしょう? 表現が適切ではない気もしますが,絶対に脱ぐようなシチュエーションにならないのに,下着にめちゃくちゃこだわるみたいな心理に近そうです。
二瓶氏:
下着……,感覚的にはちょっと近いかもしれないです(笑)。
門脇氏:
こだわって再現しているからこそ,ゲームをプレイしたあとに実際の場所を訪れたとき,「ゲームと一緒だ」「あれ,ここは少し違うな」という発見があると思います。
実際に行ったことがある人がゲームをやって気づいてくれることもあるでしょうし,そういう楽しみ方ができるようにしたいという思いもありました。
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二瓶氏:
体験版の清水寺ステージを遊んだ人が「ここ,自分が行ったところと一緒だ」と言ってくれているレビューを見て,開発中に期待していたことがまさに起きているなと感じました。知らない人には伝わらなくても,知っている人が広めてくれればいい。そういう側面もあります。
4Gamer:
まさに「神は細部に宿る」ですね。世界観の構築に徹底的にこだわっていることが分かりましたが,日本の神話や伝承などにスポットを当てつつもグローバル展開を狙うとなると,あんばいが難しいのではないでしょうか。あまりにもローカルなものにスポットを当てると,海外のプレイヤーがついてこられないといいますか。
二瓶氏:
グローバルで展開するとき,歴史ものは固有名詞が多くなりがちで,知らない人には「それって何?」となりやすいです。それは最初から前提にしていたので,歴史を知らなくても人間ドラマとおどろおどろしい怖さで楽しめるよう作っています。
4Gamer:
なるほど,人間ドラマを表に出し,その裏で世界観にこだわるわけですね。
グローバルという文脈だと京都が舞台というのは相性がよさそうです。
二瓶氏:
京都を舞台にしたかったのは,宮本武蔵が実際にいた場所だからという理由もありますが,何より京都には1000年の歴史があるからです。そのなかで積み重なった不気味でおそろしい伝説が多い。それをゲームにしたら面白いと感じたのが出発点ですね。
ゲームと伝承を絡め合わせることで,「あの場所で実際にそういうことが起きていたんだ」という想像も広がってほしい。伝説/伝承はコンセプトの柱の一つです。
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4Gamer:
こだわりといえば,キャラクターの衣装も独特ですね。
門脇氏:
ええ,最初に見せたいキャラクターの個性はデザインに込めています。なので個人的には,1周目は基本の衣装でプレイしてほしいという思いがあります。
4Gamer:
確かに開発者側が用意した世界観にどっぷりと浸かろうと思ったら,そのほうがよさそうです。
門脇氏:
衣装を変えるDLCも用意しましたが,ゲームの要素をひととおり楽しんだあとに,世界観から少し外れたような衣装を着て遊ぶ楽しみ方も考えています。もちろん,遊び方は自由ですから,1周目からDLCで遊んでいただいてもかまいません。
4Gamer:
もっと世界観へのこだわりを聞いていきたいのですが,時間ということで,最後に発売を待つファンへひと言お願いします。
二瓶氏:
体験版という形で実際に触れる機会をお届けできました。ぜひプレイして感触を確かめてほしいです。体験版は序盤ですが,本編では歯応えのあるアクションがこの先に控えています。そこも楽しみにしていてください。
門脇氏:
ようやく発売日をお伝えでき,体験版も用意できました。情報はまだまだ追加で出していきますので,ぜひ手に取っていただければと思います。
4Gamer:
ありがとうございました。
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取材を通じて一番印象に残ったのは,京都の寺社へ実際に行き,許諾を取って再現したという話だった。ゲームの中で見る景色が,現実のどこかと地続きになる。プレイヤーが後日その場所を訪れて「ゲームと一緒だ」と気づく――開発陣はそんな後日談まで設計に織り込んでいた。
分かりやすいタイアップで看板といったアイコン的要素をゲームに盛り込むのとはひと味違い,一般非公開の場所までも再現するという,無駄とも思えるこだわりが本作に詰まっている。
そして歴史の固有名詞を知らない海外プレイヤーにも,人間ドラマとおどろおどろしい怖さで届くようにするという。怪異路線とグローバル展開の両立は,ローカルへの徹底した執着があってこそ成立するだろう。
若き武蔵が剣を頼りに京都の闇を斬り進む日まで,あと約3か月半。その日を楽しみに待ちたい。




















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