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その内容が明らかにされたオンラインFPS,「TakeDown」について聞いてみよう
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印刷2007/09/28 15:29

インタビュー

その内容が明らかにされたオンラインFPS,「TakeDown」について聞いてみよう

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 ハンビットユビキタスエンターテインメントが日本国内での正式サービスを予定しているオンラインシューティング,「TakeDown: the First Mission」(以下,TakeDown)は,人気の高いタクティカルシューターであるRainbow Sixシリーズの流れを汲む期待の一本だ。そんなTakeDownのプレス向け製品発表会が行われたのは,「こちら」の記事でもお伝えしたとおり,9月18日のこと。その際,TakeDownのデベロッパであるKama Digital Entertainmentのプロデューサーであるキム・キョウン氏と,ハンビットユビキタスエンターテインメントの取締役副社長,ソン・ジンホ氏に短時間ながら話を聞く機会を得た。TakeDownとはどういうゲームなのか? 日本ならではの展開としてどんなことを考えているのか? といったことをさっくり紹介してみよう。

Kama Digital Entertainmentのプロデューサー,キム・キョウン氏
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4Gamer:
 韓国ではオンライン(専用)FPSがちょっとしたブームのようですが,残念ながら日本では韓国ほど盛り上がってはいないようです。そんな中,「Special Force」や「WarRock」など,先行するタイトルに比べ,新登場のTakeDownはどこがどう違っているのでしょうか?

キム氏
 TakeDownは戦略性の高いゲームだと考えています。特殊装備として用意されたハートビートセンサー(敵の心臓の鼓動音をキャッチしてその位置を表示する装置)とジャマー(ハートビートセンサーを無力化する装置),そして仕掛け地雷であるクレイモアなどを使い,単純な撃ち合いではなくチームとして戦うことが求められるわけです。もちろん個人戦も楽しめますが,チーム対戦での戦略の面白さを味わえるゲームなのです。

4Gamer:
 なるほど。そうしたガジェット以外に戦略性を高める要素としては何がありますか?

キム氏:
 戦略性を高めるためマップのデザインにも力を入れています。階層構造や適切な障害物などをうまく使い,プレイして面白いマップを作ることが重要だと考えています。一つの進行ルートがうまくいかなかったら,別の方法が試せ,プレイヤーによって常に違う展開になるようなマップが理想ですね。

4Gamer:
 いやあ,それは難しそうですね。ところで,ガジェットは現在のところ3種類とちょっと寂しい感じですが,今後増やしていく予定などは。

キム氏:
 それはもちろんありますし,準備もしていますが今は秘密です。

4Gamer:
 個人的には,ドアの向こう側が見られるファイバースコープが欲しいなあ,なんて思っていまして。

キム氏:
 いいですねそれ。あと,TakeDownでは武器のカスタマイズも可能となっています。プレイヤーによって戦闘スタイルはそれぞれに異なります。狙撃が得意な人はスコープを使って射撃精度を上げ,接近戦が得意な人はサイレンサーを使って接近するといった具合に,自分にあった武器を組み上げるという楽しみがあります。

4Gamer:
 とはいえ,武器のカスタマイズが「ポインター」「スコープ」「サイレンサー」「サブマガジン」の四つのカテゴリしかないのは,ちょっと物足りなくありません?

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キム氏:
 そこは我々も十分に考えました。TakeDownのプレイヤーとしてはコアゲーマーよりカジュアルな層が想定されています。カテゴリを増やすのは簡単ですが,あまりにも複雑になるとマニアック過ぎるかもしれません。濃すぎるのはよくないと思います。その代わりとして,それぞれのカテゴリのパーツにクラスがあり,それがアップするほど高性能になるというシンプルなシステムを採用しました。もちろん,プレイヤーの要望次第でカテゴリを増やすことも検討しています。

4Gamer:
 なるほど。しかし,FPSビギナーを含むカジュアルなプレイヤーにTakeDownの戦略性の高さを楽しんでもらうというのはなかなか難しいことではないでしょうか?

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キム氏:
 それはそのとおりで,とくに韓国のプレイヤーにそれが言えると思います。韓国のプレイヤーは見切りが早く,ちょっとプレイして自分に合わないと思えばすぐにやめてしまいます。それに比べて日本のプレイヤーは,工夫したり自分で考えて遊ぶ能力が高い。そうやっていろいろと遊んでもらえば自然にTakeDownの奥の深さや戦略性が見えてくるのではないかと思います。そうした工夫に応えられるゲームを作ることが重要ですね。

4Gamer:
 ビギナーにとっては,「充実したチュートリアル」もまた大切ではないかと思いますが,そのへんのことについては?

キム氏:
 もちろんそう思っています。今現在(9月18日の時点でのこと),実装はされていませんが,近いうちに分かりやすいチュートリアルを用意する予定でいます。


 韓国だけで発売された「Rainbow Six: Take Down」を開発したKama Digital Entertainmentは,同作の開発によってFPSのストーリー,マップデザイン,グラフィックスなどに深い経験を積んだとのこと。そのノウハウを生かし,類作にはないゲーム性を追求した結果がTakeDownだと語るキム氏。R6っぽい戦略画面やブリーフィング画面については今のところ計画程度だが,今後,ゲームの発展次第では実装の可能性もあるらしい。カジュアルプレイヤーからコアゲーマーまで楽しめるようなタイトルになってほしい。
 さて,続いてはソン・ジンホ氏だ。

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ハンビットユビキタスエンターテインメントの取締役副社長,ソン・ジンホ氏。ちょっと目の調子が悪く,サングラス姿
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4Gamer:
 お忙しいところありがとうござます。さて,ハンビットユビキタスエンターテインメントにとって,このTakeDownはどういう位置づけになるのでしょうか。

ソン氏
 ご存じのように我々は「倶楽部はんびっと」を通じて「With Your Destiny II」「ネオスチーム」,そして「グラナド・エスパダ」を日本でサービス中です。そしてこのTakeDownは,ハンビットの4本目の柱として考えています。

4Gamer:
 今後かなり力を入れていく,ということですね。とはいえ,MMORPGではなくてオンラインシューティングを持ってきた理由はなんでしょう?

ソン氏
 率直に言って,MMORPGは多すぎてもう飽きられているんじゃないでしょうか。それに比べてFPSは新鮮だと思います。カジュアルな内容なので,ストレス解消にもいいですし。日本はやはりコンシューマ機のゲームが主体なので,コントローラの操作に慣れた人が多いようですが,PCゲーマーの多くはマウスの扱いが上手です。MMORPGをよく遊んでいる人にとって操作自体は簡単だと思います。まあ,本格的なMMORPGではないカジュアルの色の強いものをやってみたいという気持ちが大きかったんですが。

4Gamer:
 なるほど。しかしFPSが新鮮であることに間違いはないものの,日本ではオンラインゲームの主流というわけではないと思います。今後,オンラインFPSが日本でも流行ってくるとお考えですか?

ソン氏:
 もちろんです。韓国で2年前にFPSブームが来ると言ったら誰も信じてくれなかったでしょうが,今では数多くのタイトルがリリースされてかなり盛り上がっています。日本だけでなく,中国や台湾といった地域でも同様の流れが生まれてくるのではないかと期待しています。

Shibuyaマップのイメージ
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4Gamer:
 発表会でも言われていましたが,日本ならではのコンテンツを用意するというのもTakeDownの特徴の一つなんですよね。

ソン氏:
 そうですね。日本だけでなく,展開を考えている各国でその国独自のコンテンツを拡充していくつもりです。日本では,発表会でもお知らせしたように独自のマップ(東京の渋谷を舞台にするShibuyaマップ)とキャラクターをまず用意しました。こうした日本向けのコンテンツを今後も増やしていき,TakeDownの目玉の一つにしていきます。

4Gamer:
 韓国向けなどに開発されたマップやキャラクターは,日本でも使えるようになりますか?

ソン氏:
 それはもちろん。そうやってゲームの幅を広げていくことも重要になるでしょう。

4Gamer:
 渋谷を舞台にして戦えるというのは面白そうですね。さて,各国独自のコンテンツのほかに武器のカスタマイズもTakeDownの特徴の一つですが,FPSで強力な武器を販売するとゲームバランスに影響を与えたりしないでしょうか。

ソン氏:
 そのとおりです。そのため,TakeDownでは武器の販売は考えていません。カスタマイズは,あくまでそれぞれのプレイヤーに向いた戦い方をサポートするもので,武器が必要以上に強力になるようにはしません。FPSの基本である公平性は失わないように気をつかっています。販売を予定しているのはアクセサリやユニフォーム,フラッグといったものです。具体的にはまだお話しできませんが,プレイヤーが喜ぶような面白いものをたくさん用意していきたいと考えています。

4Gamer:
 なるほど,武器の販売はしないのですね。つまり戦いそのものはあくまでプレイヤーの腕次第というわけですか。

※画像は韓国語版のものです
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ソン氏:
 それもありますが,戦略の楽しさも一緒に味わってほしいですね。日本のMMORPGプレイヤーを見ていると,頭を使っていろいろと工夫しながら遊んでいるのがよく分かります。TakeDownの戦略は簡単ではありませんが,難しすぎることもないようにバランスを十分に練っており,考えながらプレイする日本のプレイヤーには面白いのではないでしょうか。

4Gamer:
 さて,いよいよ10月2日からクローズドβテストが,続いて11月2日からはオープンβテストが開始されますが,どのような機能が今後実装されていく予定なのですか?

ソン氏:
 ランキングシステムやクランシステム,それに友達同士集まってプレイできるフレンドシステムなど,既存のFPSにあるものは間違いなく実装されます。まあ,今後のことについてはいずれまたお話ししたいと思います。

4Gamer:
 記念のイベントなどについてはいかがです?

ソン氏:
 そのあたりはまだ正式に決まっていませんが,地域別のトーナメントなどは行いたいですね。いずれ国際大会などが開催できれば面白いでしょう。正式サービス開始後もアップデートを定期的に行い,ユーザーサポートもしっかりやっていきたいと考えています。

4Gamer:
 分かりました。本日はどうもありがとうございました。

 タイトルだけは知らされていたものの,9月18日の製品発表会までその内容が明らかにされなかったTakeDown。インタビューからも,新たなカジュアルFPSとしていくつかの新機軸が盛り込まれた興味深いタイトルであることがよく分かってもらえたと思う。
 日本でも着実にタイトル数が増え,その展開が注目されつつあるジャンルだが,ハンビットユビキタスエンターテインメントのこの新たな挑戦がどう進んでいくのか,新情報が入り次第,続報をお伝えしたいと思う。
  • 関連タイトル:

    TakeDown: the First Mission

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