ASUSTeK，ゲーマー向けIntel X38マザーボード「Maximus」を発表

　ASUSTeK Computer（以下ASUSTeK）は，同社のゲーマーおよびオーバークロッカー向けマザーボードブランド「R.O.G.」（Republic of Gamers）に，「Intel X38 Express」チップセット搭載の「Maximus」（マキシマス）シリーズ2製品を追加した。

Maximus Formula Special Edition

Maximus Extreme

　今回発表されたのは，メインメモリとしてDDR2 SDRAMをサポートする「Maximus Formula Special Edition」と，DDR3 SDRAMサポートの「Maximus Extreme」。両製品とも，CPUへの電力管理を行う専用チップ「EPU」（Energy Processing Unit）を搭載するのが特徴となっている。
　EPUは，CPU負荷が高いときには8フェーズ，低いときには4フェーズに切り替えることで電力供給効率を上げたり，リップル電圧や過電流を抑えることでオーバークロック時の安定性を高めたりするチップだ。Windowsベースで動作する専用ソフト「AI Gear 3」を併用すると，システム負荷に応じて（あらかじめキャリブレートした内容に従い）動的なオーバークロック動作を利用できるという。
　要するに，「マザーボード上で動作クロックや電圧を制御するEPU」がまず存在し，AI Gear 3を組み合わせることで，動的な自動オーバークロック機能も利用できるようになるというわけである。スペックどおりの働きをしてくれるなら，ゲーム用PCの消費電力低減や，CPUが持つポテンシャルの引き出しに効果があるはずで，なかなか面白そうだ。

　このほか主要なスペックは以下のとおり。ASUSTeKは，同時に一般ユーザー向けマザーボードの新製品も発表しているので，興味のある人はリリース本文を参照してほしい。

●Maximus Formula Special Editionの主なスペック

• チップセット：Intel X38 Express＋ICH9R
• 対応CPU：LGA775パッケージ（45nm世代対応）
• 対応メモリモジュール：PC2-5300/6400/8500/9600 DDR2 SDRAM DIMM
• DIMMスロット：4本（最大8GB）
• 拡張スロット：PCI Express Gen.2 x16 ×2，PCI Express x1 ×3，PCI×2
• ストレージインタフェース：Serial ATA×6（ICH9R），IDE×1（JMB368）
• LAN：1000BASE-T×2
• サウンド：Supreme FX IIサウンドカード（7.1ch HDA，AD1988B）
• ASUSTeKによる想定価格：4万2000円前後

●Maximus Extremeの主なスペック

• チップセット：Intel X38 Express＋ICH9R
• 対応CPU：LGA775パッケージ（45nm世代対応）
• 対応メモリモジュール：PC3-6400/8500/10700/12800/14400 DDR3 SDRAM DIMM
• DIMMスロット：4本（最大8GB）
• 拡張スロット：PCI Express Gen.2 x16 ×2，PCI Express x16 ×1，PCI Express x1 ×2，PCI×2
• ストレージインタフェース：Serial ATA×6（ICH9R），External Serial ATA×2（JMB363），IDE×1（JMB363）
• LAN：1000BASE-T
• サウンド：Supreme FX IIサウンドカード（7.1ch HDA，AD1988B）
• 価格：未定

●2製品で共通の機能＆スペック

• 「3DMark06 Advanced Edition」「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl」フルバージョンバンドル
• EPU（CPUへの電力供給制御チップ）
• AI Gear 3（Windowsベースの動的なオーバークロックツール）
• Extreme Tweaker（詳細な設定を持つオーバークロック機能）
• Voltiminder LED（電圧設定状況を緑/黄/赤で知らせるLED）
• Fusion Block System（水冷対応のノース＆サウスブリッジ用ファンレスクーラー）
• LCD Poster（POSTコードを表示する液晶パネル）
• 8フェーズ電源回路
• 2フェーズメモリ電源回路
• 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ

Voltiminder LED

Fusion Block System

●2製品のスペック表（※リリースより）

※Maximus ExtremeでEPUとAI Gear 3の項目に○がないのは「国内で最終確認ができていないため」（ASUSTeK）とのことだ。サムネイルは表の一部を切り取って縮小したものなので，スペック表の全体を見たい人はぜひ拡大を

＃＃＃＃＃　以下，リリースより　＃＃＃＃＃


　ASUSTeK Computer Inc.（略称ASUS）は2007年10月10日、インテルのインテル X38 Expressチップセット（以下、インテル X38）を採用するマザーボード7製品を日本市場向けに発売することを発表いたしました。本日より順次出荷を開始する予定です。

　発表製品の内訳は、一般的な自作PCユーザー向けの「P5Eシリーズ」が3製品、ゲーマーおよびオーバークロッカー向けの「Maximus（マキシマス）シリーズ」が2製品、PCI-Xスロットを備えるワークステーション向けの「P5E WSシリーズ」が2製品の、計7製品となっております。

　この度発表を行ったマザーボードシリーズでは、CPUへの電力供給を細かく管理するEPU（Energy Processing Unit）という専用チップの搭載や、電源回路のフェーズ数を負荷に応じて自動的に変更する機能などを搭載し、大幅な省電力化と優れたオーバークロック性能を共に実現しています。また、無線LAN搭載モデルでは、ASUSのマザーボードでは初めてIEEE802.11n（Draft 2.0）に対応する無線LAN機能を搭載いたしました。


○各製品の主な特徴

［P5Eシリーズ］
・EPU（電力管理チップ）
　CPUへの電力供給を細かく管理する専用チップ「EPU（Energy Processing Unit）」を搭載しています。CPUへの電力供給量を瞬時に正確に変更することでCPUの消費電力を抑えることができます。また、8フェーズ電源回路を搭載するマザーボードでは、高負荷時には8フェーズ、低負荷時には4フェーズという具合にEPUがフェーズ数を切り替えて動作させます。これにより、通常の電源回路では実現できないほどの効率の良い電力供給を行えるようになっています。また、EPUにはリップル電圧や過電流を抑える効果もあり、オーバークロックでの安定性にも効果があります。

・AI Gear 3（CPUの自動制御ソフト）
　CPUの動作モードを、電圧とクロックを抑える低消費電力モードから、電圧を上げてオーバークロックを行う性能優先モードまで、自動車のギアを変えるように4段階に変更できるソフトです。自動切り換えにすることも可能で、その場合にはCPUへの負荷に応じて低クロックからオーバークロック状態まで自動で制御を行います。EPUの機能を使用しているため、正確かつ瞬時に動作状態を変更します。

・第3世代の8フェーズ電源回路
　ASUSが8フェーズ電源回路を開発してから3世代目となる第3世代の新しい電源回路を採用しています。電力供給の最大効率を95%まで向上しており、一般的な12フェーズ電源回路よりも優れた電気特性を実現しています。

・長寿命タイプの高性能コンデンサを採用
　従来のコンデンサよりも耐久性や電気特性に優れた、長寿命タイプの導電性高分子アルミ固体電解コンデンサを採用しています。高負荷時の耐久性と安定性が格段に向上しました。

・Express Gate（5秒で起動するLinux OSを搭載）
　電源オンから約5秒で起動するLinux OSをマザーボードに搭載しています。ちょっとした調べものがあるときなどに、今までよりも気軽にPCを使うことができます。Linux OSには、WebブラウザとSkypeをプリインストールしてあります。ソフトは、今後のアップデートで追加していく予定です。

・Q-Shield（高品質なバックパネル）
　従来よりも高品質なバックパネル（I/Oパネル）を付属しています。バックパネルのバリをなくし、マザーボードをPCケースに取り付ける際に、より簡単に取り付けられるようになっています。


［Maximusシリーズ］
・Fusion Block System（水冷対応クーラー）
　チップセットのMCH（インテル X38）に、内部に水を通すことができる水冷ヘッド型ヒートシンクを採用しています。PCに水冷システムを使用する場合に、簡単にチップセットの水冷化を行うことができ、オーバークロック時などに、より安定した動作を実現できます。また、水冷ヘッド型ヒートシンクはヒートパイプクーラーにもなっており、水冷を使わない場合でも安定した動作環境を提供します。

・Extreme Tweaker（詳細なパラメーター調整機能）
　各種クロックや電圧の変更を、ほかのマザーボードシリーズよりも細かく設定できる機能です。上級者向けの機能となっており、通常では設定できない範囲まで設定可能になっています。設定によってはパーツが破損する恐れがあるので、使用時には十分にご注意ください。


［P5E WSシリーズ］
・PCI-Xスロットを搭載
　ワークステーション用途に対応できるようにPCI-Xスロットを搭載しています。各種拡張カードを増設可能です。


○発表製品
※出荷予定時期はASUSから日本への出荷時期となっております。販売時期ではないことをご了承ください。

［P5Eシリーズ］-------------------------
・「P5E3 Deluxe/WiFi-AP」
　チップセット ：インテル X38＋インテル ICH9R
　対応FSBクロック：1,600/1,333/1,066/800MHz
　対応メモリ ：DDR3-1800/1600/1333/1066/800
　出荷予定時期 ：10月中旬
　実売予想価格 ：51,000円前後
　※IEEE802.11n（Draft 2.0）/g/b対応の無線LAN機能搭載

・「P5E3 Deluxe」
　チップセット ：インテル X38＋インテル ICH9R
　対応FSBクロック：1,600/1,333/1,066/800MHz
　対応メモリ ：DDR3-1800/1600/1333/1066/800
　出荷予定時期 ：10月上旬
　実売予想価格 ：44,000円前後

・「P5E」
　チップセット ：インテル X38＋インテル ICH9R
　対応FSBクロック：1,333/1,066/800MHz
　対応メモリ ：DDR2-1200/1066/800/667
　出荷予定時期 ：10月上旬
　実売予想価格 ：35,000円前後


［Maximusシリーズ］---------------------
・「Maximus Extreme」
　チップセット ：インテル X38＋インテル ICH9R
　対応FSBクロック：1,600/1,333/1,066/800MHz
　対応メモリ ：DDR3-1800/1600/1333/1066
　出荷予定時期 ：10月下旬
　実売予想価格 ：未定

・「Maximus Formula Special Edition」
　チップセット ：インテル X38＋インテル ICH9R
　対応FSBクロック：1,600/1,333/1,066/800MHz
　対応メモリ ：DDR2-1200/1066/800/667
　出荷予定時期 ：10月上旬
　実売予想価格 ：42,000円前後


［P5E WSシリーズ］----------------------
・「P5E3 WS Professional」
　チップセット ：インテル X38＋インテル ICH9R
　対応FSBクロック：1,333/1,066/800MHz
　対応メモリ ：DDR3-1333/1066/800
　出荷予定時期 ：10月下旬
　実売予想価格 ：44,000円前後

・「P5E WS Professional」
　チップセット ：インテル X38＋インテル ICH9R
　対応FSBクロック：1,333/1,066/800MHz
　対応メモリ ：DDR2-1066/800/667
　出荷予定時期 ：10月下旬
　実売予想価格 ：43,000円前後


○お客様からのお問い合わせ先
株式会社ユニティ（E-mail：news@unitycorp.co.jp）
株式会社エムヴィケー（E-mail：info@mvkc.jp）

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