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[G-Star 2011]「Guild Wars 2」カンファレンス詳報。世界が常に変化し続け,マイキャラそれぞれ個別のストーリーが展開されるシステムとは
Guild Wars 2の情報は,これまで何年にもわたって断片的に公開されてきているが,今回のカンファレンスで本作についてあらためて紹介されたことで,ゲームの全体像が次第に掴めてきた印象である。本稿では,Guild Wars 2の“世界”にフォーカスを当て,各種システムを紹介してみたい。
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「Guild Wars 2」公式サイト
Zhaitanに立ち向かうべく全人類が共闘
本作のプレイアブル種族は,人間「Human」をはじめ,ネコ科の亜人族「Charr」,クマにも変身できる巨人族「Norn」,高度な知的文明を持つ小人族「Asura」,一本の大樹から生まれる植物種族「Sylvari」の5種類が用意されている。
前作「Guild Wars」でもSylvari以外の種族はゲームに登場していたが,プレイアブル種族だったのはHumanのみである。例えばCharrはHumanにとって,かつての拠点Ascalonを滅ぼされるなど,不倶戴天の敵といえる存在であった。
「Human」 |
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「Charr」 |
「Norn」 |
「Asura」 |
「Sylvari」 |
前作から250年もの年月が経過し,HumanとCharrも仲良しになったのだろうか? いや,そういうわけではない。Guild Wars 2の世界では,巨大な龍「Zhaitan」が復活を遂げ,配下のアンデッドらを率いて世界中に進軍し始めている。Zhaitanの軍勢は世界を滅ぼしかねないほどの脅威であり,Tyriaで相争ってきた種族同士がいったん矛を収め,共に立ち向かわねばならなくなったのだ。
5種族が選べるクラス(Profession)に関しては,最終的に8種類が登場する予定で,現在そのうちの7種類が明らかになっている。内訳はWarrior,Guardian,Elementalist,Necromancer,Ranger,Thief,Engineerだ。NCsoft傘下のスタジオArena.netで開発総指揮を務める,Mike O'Brien(マイク・オブライエン)氏によると,パーティプレイのハードルを下げることを念頭に,クラス間バランスを調整しているという。
例えば,MMORPGの経験者であれば,「今日は回復役がいないから冒険に出られない」といったもどかしい経験をしたことがあるだろう。こういったハードルをなくすべく,Guild Wars 2ではすべてのクラスが,さまざまな形で自他の回復を行えるのである。てっきり,現在未発表である8番目のクラスがヒーラー枠(例えばMonk)かなと思っていたのだが,このコンセプトを鑑みると,違う可能性もあるのかもしれない。
最近のタイトルだと「RIFT」のPublic Groupをイメージする人もいると思うが,Guild Wars 2ではあのような淡泊なものではなく,画面内の情報を見て連携できる戦術的な要素などが豊富に用意される。瀕死になったキャラクターは悲痛な“声”をあげるため,他プレイヤーはその方向へヘルプに駆けつけやすい。また,昏睡状態に陥ったキャラクターはレーダーマップ上に表示され,それを見たほかのプレイヤーがすぐ蘇生に向かえるのだ。
世界が常に変化し続ける「Dynamic Event」
RPGモードにおける本作の一番の特徴は,プレイヤーの行動によってイベントが常に変化し,それがゲーム内世界に影響を及ぼす「Dynamic Event」だろう。MMORPGにとって革新的な存在となりそうなシステムなので,詳しく紹介しよう。
従来のMMORPGでは,基本的にNPCと会話してクエストを受け,それが基点となって冒険へ赴いていた。誰がプレイしても,同じ状況では同じクエストが展開される。言うまでもなく,当たり前のことだ。
たとえモンスターに襲われているNPCを救ったとしても,その後に別のプレイヤーが訪れると,まったく同じクエストが繰り返される。仕方ないとは思いつつ,MMORPGとしては常識と受け入れている人が大半だろう。
オブライエン氏は,そのようなクエストや世界は“Static”(静的な,活気がない)なものだと思い,従来の常識から離れて冒険本来のありかたを考え直したという。その結果誕生したのが,Guild Wars 2のDynamic Eventシステムである。
Guild Wars 2では一つのシチュエーションに対して,プレイヤーが選べる選択肢が常に複数用意されている。例えば,拠点エリアが強大なドラゴンに襲われているシチュエーションでは,以下の選択肢がある。
・仲間を大勢集めて正面からドラゴン退治に挑む
・NPCに話を聞くなどして,ドラゴンの弱点のような有益な情報を探す
・何もしない
最後の「何もしない」がユニークで,この場合,ドラゴンはやがて拠点を壊滅させてしまい,拠点にあったショップなどの機能は誰にも使えなくなる。そして今度は,拠点を復興させるための新たなイベントが発生するのだ。
さらに,こういったイベントのトリガーは,また別のイベントとも連動しているという。ゲーム内では,このようなさまざまなアクションが数千もの規模で同時に起こって相互に影響し,「Dynamic Event」の名に相応しい,生きた世界が実現されているのだ。
そういった場合は,近隣エリアにいるプレイヤーキャラクターの強さなどに応じて,難度がある程度自動的に調整されるのだという。だからといって1人でドラゴンを倒せるほど簡単になったりはしないものの,そこの拠点には頼らない別ルートでの冒険が用意されるなどして,手詰まりにはならないそうだ。
プレイヤーキャラクターごとに
別々のシナリオを紡ぐ「Personal Story」
Dynamic Eventと同様,ゲーム展開に大きな変化をもたらすシステムとして,オブライエン氏は「Personal Story」を紹介した。Guild Wars 2ではキャラクターの作成時にバイオグラフィーを設定でき,それによって違ったストーリーが展開されるのである。
例えば職業とは別に,出自を貴族・庶民・浮浪者などの中から選べる。こういった項目が5種類程度あり,それぞれがカットシーンやDynamic Eventに大きな影響を及ぼすのだ。
例えば出自が“浮浪者”だった場合,高位のNPCに謁見しようとしても門前払いを受けてしまう。そして,NPCの信頼を勝ち取るためのイベントが発生する,といった具合である。
カンファレンスのデモプレイでは,キャラクターを作成後,プロローグのカットシーンがボイス付きで登場。そこでは「今の街はいろいろとつらいこともあるが,それでも希望を持って生きていきたいと思っていた。しかし街がモンスターに襲撃されてしまい……」などといった身の上話が,つらつらと述べられた。キャラクターを作るたびに同じプロローグを見せられればうんざりしそうだが,Guild Wars 2ならここで毎回違ったストーリーが紡がれるというわけだ。
本稿では,Guild Wars 2のシナリオ/ストーリーにまつわるシステムを軸に,あれこれ紹介してみた。そのほかにもバトルシステムをはじめ,数多くの見どころがあるタイトルだが,それらに関してはG-Star会期中にプレイレポートなどでお伝えできればと考えている。
「Guild Wars 2」公式サイト
- 関連タイトル:
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