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AMD,45nmプロセスCPU「Shanghai」のデモを実施。RS780Dマザーも登場
マザーボードベンダー関係者いわく「3月に投入されるのは,昨年の段階で発表だけされた『Phenom 9700/2.4GHz』のエラッタ修正版に相当する『Phenom 9750』。当初の予定よりも発売時期を前倒ししたため,TDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)は125W前後になる」。これが事実だとすると,順調なら5月には「Phenom 9850/2.6GHz」がお目見えすることになるだろう。
クアッドコアCPUとなるShanghaiは,製造技術の微細化に伴ってL3キャッシュ容量が6MBに増やされる。AMDはShanghaiコアのデスクトップPC向けモデルとして「Deneb」(デネブ,開発コードネーム)も開発中で,2008年後半にはこれら新コアを採用するCPUが市場投入される見通しだ。
AMD 780Gが持つ圧倒的な3D性能をアピールするAMD
CeBIT会場には上位モデル「RS780D」の姿も
AMD 780シリーズとIntel製チップセットのグラフィックス性能比較。バリュー市場向けのAMD 780Vでも,Intel G35 Expressを圧倒する |
1024×768ドット環境であれば,「Crysis」などでも“そこそこ”のフレームレートを確保できるのがAMD 780シリーズの強みだ |
RS780Dは,AMD 780Gのグラフィックスコアクロックをさらに高めるとともに,PCI Express 2.0 x8 ×2構成のCrossFireをサポートするモデルで,NVIDIAの「nForce 750a SLI」対抗となるモデルである。もちろんHybrid Graphicsもサポートされ,グラフィックスカード×2とチップセット内蔵グラフィックスの組み合わせによる,“3-way Hybrid Graphics”にも対応する。
マザーボードベンダー関係者によれば,RS780Dでは,AMDのノートPC向けチップセットに搭載される予定で,グラフィックス描画負荷に応じてチップセット側のグラフィックス機能と単体GPUを切り替えられる「Power Xpress」をサポートする計画があるとのこと。これは実現するとNVIDIAの「Hybrid Power」対抗となるが,最終的にRS780DでPower Xpressがサポートされるかどうかはまだ決まっていないという。
なお,チップセットの製品名は,少なくとも現時点では“AMD 780Gの上位モデルであることと,CrossFire対応であること”を示すべく,“AMD 790GX”となる見通しのようだ。
GIGABYTE UNITEDのAMD 780G搭載microATXマザーボード「GA-MA78GM-S2H」。こちらもHDMI端子を搭載する,マルチメディア用途を意識したモデルだ |
ECSのAMD 780G搭載マザーボード「A780GM-A」。消費電力の低さを生かし,パッシブクーリングでもAMD OverDrive対応が果たせるように設計されているという |
遅まきながらといった印象は拭えないものの,クアッドコアCPUのエラッタ問題で揺れていたAMDに,ようやく元気が戻ってきた印象を受けた。あとは,AMD 780Gを活かせるPhenomのラインナップをどれだけ早期に整備できるかが,AMD復活のカギになるだろう。
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