連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第172回「もう知る前の自分には戻れない」
【前回までのあらすじ】
ニンテンドー3DSの「すれちがいMii広場」にハマってしまったゲイレスラー男色ディーノ34歳は,常に上着の右ポケットに3DSを入れて持ち運び,すれちがい通信を楽しむ日々を過ごしていた。ところがある日,何の前触れもなく事件は起こる。上着の右ポッケを探せど探せど3DSが出てこないではありませんか。ざわ……ざわざわ……お,落としやがった……地獄……まさに,底なし沼……! 無くしてしまった3DSの行方は!? 3DSを無くしてしまった男色ディーノの運命は!? 運命はともかく,ここ一週間のゲイムライフは!?
ちょっと前まではアホみたいに喜んで遊んでいたDSも,3DSを知ってしまった私のこの火照りを鎮めるには至らなかったわ。3DSは禁断の果実。もう知る前の自分には戻れない。
ひょっとしたら何かの間違いで起動できるかもしれない,と思ってDSに3DSのソフトをブチ込んで電源を入れてみたけれど,起動するわけもなく,自分の収入が増えるでもなく,花粉の量が減るでもなく,すべての人が報われるわけでもなく,正直者が馬鹿を見て,でも正直だから誰かから愛される,そんな世の中は何も変わりませんでした。強いて言うなら,ちょっぴり切なさが増したくらい。
……という具合に世界と私の関係性をあらためて整理したところで,今週は3DS以外をアレしようかと思い,あらためてPlayStation 3というゲイムマシンと向き合ってみたわ。今さらね。
PS3ってのは偉いもんで,ネットワーク,いわゆるインターネットに接続できるのね。で,ネット上で対戦だとか協力プレイが楽しめる。イヤ,確かにゲイムをよくプレイする人にとっては今さらなんだけど,冷静になって考えてみたら凄いことよコレ。凄い時代,と言い換えてもいいけど。
従来型のゲイム業界が厳しい時代に差し掛かっていると言われがちなのは,ひょっとしたらゲイムがものすごい速さで進化し続けているからなのかもしれないわね。ひと言でいうと,ゲイムの進化に消費者がついていけてないというか。
まあ,ゲイム業界(だけじゃないが)が厳しい理由としては,世界的に景気が低迷しているからってのも大きいんでしょうけどね。ただ,不景気だからってことにして,何も策を講じなくてもいいのかっていったらそうではないわ。景気が悪いのを不景気のせいにしてたら,不景気なうちは自分の景気って良くならないじゃない。そんなの,私が偉そうに言うべきことでもないけど。
ま,繰り返しになるけども,ゲイム自体はものすごいスピードで進化していってるのに,消費者がその速さについていけてないっていうのはあるでしょうね。ただのゲイム好きである私ですら,そう思うもの。逆に言うと,今のゲイム業界はついてこれる人を相手に商売せざるを得ない,と。まあ,そういうことなのかしら。
一方、ソーシャルゲイムの調子がいいのは,携帯電話やPCの操作さえできれば,さほど説明が必要ないようなゲイムで遊べるって点も大きい気がするわ。家庭用ゲイム機に比べて,気構えが必要ないもんね。ただ! ゲイムの内容としては,やはり家庭用ゲイム機のほうがまだ勝っている。……と信じたい。まあ,遊びの質が違うから一概には比べられないし,比べるようなものではないのかも。
それでも,ゲイム機自体の位置付けとして,「がっつりとゲイムで遊びたい」と考えている人向きのツールになりつつあるのかもしれない,とは思うわ。昔はゲイムを遊ぼうと思ったら,ゲイム機を買うか,ゲイムセンターに行くかぐらいしか選択肢がなかったけど,今はゲイム用の携帯電話やPCでもゲイムを遊べちゃうわけだからね。汎用的な機械でそこそこのゲイムができりゃいいっていう人が増えたとしても,それは不思議じゃないでしょう。もちろん,一長一短あると思うけどね。
そして,この流れを止めるのは難しいと思うのよ。ならば,この変わってしまった世の中で,どう生き残っていくかを考えなければならない。
そして,ゲイマーを名乗りながらもダウンロードタイトルのことを,何となく信用していなかった自分の保守的な考え方に気付いて,ちょっと引いたわ。ウン,人生色々とヤってみるもんだ。
肝心の風ノ旅ビトの内容だけれども。情報を何も知らない人に向けて一言で説明すると,アーティスティックな作品。ゲイム中,操作方法以外の説明が無いのよ。作り手の立場から言うと「幻想的な世界を作りました,さあどうぞ」って感じ。
もちろん,先に進むというゲイムとしての目的はあるわよ。でも,ただそれだけ。あとは自由。で,このゲイムの凄いところは,ゲイムからの説明が無くても,コントローラーを触ってキャラを動かしているうちに,何をどうすればいいのかがなんとなく分かってくるってところ。
スコアもなければ倒すべき敵もいない。だから正直な話,ゲイムとして考えたときに刺激になるはずの要素は存在しない。自分が死ぬという緊張感が無いわけだから。でも,「じゃあ面白くないのか?」と聞かれると「いや,面白い」と答えるしかない自分がいるわ。
このゲイムで遊んでいると,ほかのプレイヤーが動かすキャラクターに遭遇することもあるんだけど,別に会話ができたりするわけじゃないから,動きを眺めたり一緒の方向に進んだりすることしかできないわけ。で,その様子を眺めていると,なんだか不思議な気分になるのよ。
ここで私は考えた。自分の身の危険もなく,ゲイムオーバーもないこのゲイムの面白いポイントはなんなのか? そして,とてもシンプルな答えにたどり着いたわ。ズバリ,キャラクターを動かすことが面白い。
たぶん,作り手はキャラクターの動きにものすごくこだわりを持っているんだわ。でないと,こんなに動かすこと自体が面白いようには感じられないと思うもの。
プレイ感覚としてはかつてのPlayStation用ソフト「太陽のしっぽ」に近いように私は感じたけれども,ひょっとしたら間違ってるかもしれない。ただ,私の中ではあれをさらに洗練させた感じ。1200円だから,興味のある人はぜひ遊んでみてほしいわね。新感覚。
とまあ,今週は無駄にPS3について考えてみたのだけれども。やっぱり私はPS3もそうだしPSPもPlayStation Vitaも3DSもXbox 360もソーシャルゲイムもそうなんだけれども,ゲイム自体が面白ければ,何でも好きなんだってことに気付いたわ。あらためて。
発売前のヤりたいゲイムはまだまだいっぱいあるし,発売済みでヤりたいけどまだ買っていないのもいっぱいある。買ったはいいけどヤってないゲイムもあるのはご愛敬。とりあえず「牧場物語 はじまりの大地」と「ポケモン+(プラス)ノブナガの野望」は押さえてあるわ。
最近本業とされるプロレスで,なぜだか地方大会が多いんで,移動中に携帯ゲイムをプレイする時間がたくさんあるのよ。なので,今週もたっぷりと3DSを楽しもうかと。例えそれがDS用のゲイムであっても。
……え? 3DS紛失? 何のことだ? 私の名は翔霍。男●に金で雇われたプロの助っ人よ。貴様の3DSがそうだったように,この世に毒手拳を極めたものは数多くいる。私はそのような3DSのことなど知らん。別人だ。同一人物ではないんだってば。
実は中国4000年の東洋医学の粋を結集し,あの時右ポケットから落ちて紛失したと見せかけて,本当は車の座席の下で息を潜めていただなんて口が裂けても言えん。
あの記事のあとに,けっこう心配のメールをいただいたりしてるけれども,「あったぴょーん(^_^)/」なんて言えるわけないじゃない。なので,今手元にいる3DSは全くの別人ならぬ別3DSなのだ。分かったな! また来週!
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「風ノ旅ビト」
※スロットにハマっているのは「UFC Undisputed 3」
PlayStation Vita:「GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動」
PSP:「幻想水滸伝 紡がれし百年の時」
Wii:「いただきストリートWii」
ニンテンドー3DS(別人):「THEATRHYTHM FINAL FANTASY」
Xbox 360:「トロピコ4 日本語版」
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