連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第186回「水戸黄門システムとは?」
とりあえず現実逃避をしたまま話を進めてしまうと,久しぶりに水戸黄門をじっくり見たら,その凄さにあらためて気付いたのよ。まず,プロットが崩れていないのね。
とある地方を舞台に,立場の弱い民衆寄りの人物が,ご老公御一行に宿を貸す。するとその宿を貸した人物が,立場の強い悪代官的な人物に騙されたり,悪さをされたりする。宿主側はどういうわけだか悪代官側の秘密を知ってしまって,消されそうになる。はい,ここでご老公一行が戦いに巻き込まれます。もっというと,自ら巻き込まれに行きます。プロットの基本はこの形。
でね,こういうのっていろいろな漫画やゲームにも取り入れられていて。ほら,クリリンや悟飯がピンチにならないと悟空は到着しないし,ラスボスは自分が一番強いはずなのに,弱い配下がやられて戦力が落ち,自分だけになんないと出てこないし,ハンセンもウエスタンラリアットを最後に出す。こういう順序が決まっているからこそ生きるものなの。
なので4Gamerのロゴは最初に出して,その次にネタとして仕込むものを使う,そしてこう来たか,というのが本来のプロットなのに,やってくれたわ4Gamer。プロットブレイカーね。いきなり男色ディーノのエンブレムですよ。チャレンジャーすぎて言葉がないわ。
何の話かというと,バンダイの「オーナーズホース」,略して,……うん,略さなくていいわね。たぶん削られるし。
このゲームで6月30日に行われる特別なレースの優勝賞品に決まったのよ。私,男色ディーノのエンブレムが(関連記事)。馬ナミな皆さんは週末に参加して,手に入れて自慢しまくってほしいわ。しかし,無茶するわね。このエンブレムってどこをどう見ても4Gamerってわからないじゃない。2回目なかったらどうすんのかしら?
ええっと,話を戻すとご老公一行が自ら戦いに巻き込まれ,そこである程度の戦闘時間を経た頃に,ご老公が「もうそろそろいいじゃろう」と言って,助さん格さんが「控えおろう! この※※が目に入らぬか」って言って※※をおもむろに取り出すわけ。伏字にするとすごいわね。「紋所」よ,紋所。それはともかく,「そろそろ」ってナニ? それは視聴者が勝手に思うことじゃないの,それを言葉に出しちゃうのってアリなの?
もちろん,アリなのですよ。それを含めての水戸黄門システム。そして,このシステムが世間の認知を得ているから「もうそろそろいいじゃろう」なんてセリフを使うことだって許容されちゃう。視聴者の中では「水戸黄門」に対するというものに対するイメージがすでに固まっているから,違和感は生じない。
物語としては不自然なんだけど,不自然さを押し切ってしまえるほど認知度が高い……これがブランドの力なの。逆に,ブランドを確立できるほど世間に認知されてしまえば,ある程度は何をヤっても許されるってことね。
えー……,このゲイムについての説明は,もう不要でしょ。テリーがモンスターをスカウトして戦っていくっていうゲイムね。そんでもって,凄く面白いの。こんなこと,私がここに書かなくたって,みんなが知ってるくらい面白い。そんなゲイムよね。
では,このテリー3Dの面白さの根源は何か? と問われたら,私ならこう答えるわ。「ブランド力である」って。ドラクエのブランド力。ドラクエが面白いゲイムであるということが前提にある面白さなの。
こんな書き方をすると,ドラクエに依存しているゲイムなのか? って思われるかもしれないけど,そういう意味ではないわ。イヤ,そういう意味でもあるんだけども。んー日本語ムズカシイネ……では,こう言えばいいのかしら,ドラクエというゲイムのイメージを最大に生かしているゲイムってこと。
というのもね,よくよく考えたらっていうか,プレイしてみたらわかるんだけど,ドラクエとは違うゲイムなのよこれ。確かに同じRPGではあるし,戦闘もドラクエっぽいし音楽もグラフィックスもドラクエっぽい。でも,楽しむポイントというか,売りの部分は全然違うの。
このゲイムの肝はスカウトであって,配合であって,育成なのね。つまり,テリーとモンスターとのあり方が描かれているの。もっと言うと,プレイヤーとモンスターのあり方。だからこそ,「ドラゴンクエストモンスターズ」と名付けられているんだと思う。
加えて言うと,ストーリーは凝ったものではなく,極めてシンプルにまとめられていて,急転直下の展開というのも少ないの。これもまた,意図的にドラクエシリーズとは違う面白さのポイントを狙った結果なんだと思う。
まあ,そんなことはプレイヤーにとって,たいして関係ないのよね。私みたいにすれっからしのゲイマーならともかく,ライトな層のゲイマーは,これをドラクエだと思って買うわけだから。
そしてここが重要なんだけど,そんなライトな層がプレイしてもこの作品はドラクエっぽい楽しみ方ができる。「スライムもりもり」シリーズでも同じことを思ったんだけど,ドラクエのスピンオフ作品は「ドラクエっぽさ」を生かすのが本当に上手なのね。
遊んでみると違うゲイムだって頭では分かってるのに,ちゃんとドラクエっぽさを感じられるのよ。結果,プレイしていてちゃんとドラクエの世界を楽しめる。この凄さ,分かるかしら?
ゲイマーに対して,ドラクエという名前で商品を売って,ドラクエではない遊びを提供して,最終的にはドラクエとして面白かったと印象付けているわけ。いわば,ドラクエの自作自演ですよ。ホント恐るべし。厳密には,ドラクエのブランドイメージ恐るべし。
で,最後になりますが,おススメですよ,これ。超分かりやすくて楽しいから。
という感じでテリー3Dについて語ってみたけども。水戸黄門もそうなんだけど,エンターテイメントにおけるイメージって大切なんだな,と。水戸黄門もドラクエも,名前を聞いただけで,ほとんどの人が何となく情景を思い浮かべることができるって,とんでもないことだと思う。
そう考えたら,水戸黄門の登場人物の立場から見たスピンオフ作品も見てみたい気がするわ。うっかり八兵衛が19:25くらいに風呂に入ってるシーンでうっかり転倒してしまう。ええ,分かってる。でも言ってみるわ「見た! こう…」ウン,この辺でやめとくわ。
人生楽ありゃね,苦もあるよ。なんで上げて落とす歌詞なのか,「苦はあるけど楽もある!」的な前向きな歌詞じゃないのかは分からないけど,また来週!
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「TOKYO JUNGLE」
PlayStation Vita:「プロ野球スピリッツ2012」
PSP:「CONCEPTION 俺の子供を産んでくれ!」
Wii:「いただきストリートWii」
ニンテンドー3DS:「ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D」
Xbox 360:「トロピコ4 日本語版」
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- 関連タイトル:
ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D
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