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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第501回「仕事の時間を有意義に」
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印刷2018/10/11 14:00

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第501回「仕事の時間を有意義に」

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著者近影
画像集 No.002のサムネイル画像 / 男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第501回「仕事の時間を有意義に」
 ふと考えるのよね。仕事って何だろうって。

 睡眠時間を除いて,人生で一番多くの時間を割いてることって何だろう? と考えてみると,たいていの人の場合は仕事だと思うの。通勤時間や残業なんかも含めるとね。私は幸いなことに,自分の好きなことを職業にできているから,あんまり実感する瞬間ってないけど,一般的にはきっとそうだと思うの。もちろん人それぞれではあるけどね。
 でも,生きているとどうしても仕事に割いている時間を無視することはできない。であれば。その仕事をどのようにとらえるかが,人生を充実させるか否かの分岐点ではないか。そう思うに至ったのです。
 大ざっぱに言うと,1日は24時間しかない。そのうち移動を含めた仕事で10時間ぐらい使っているとする。睡眠時間は6時間。食事に2時間。6時間は家事やらなんやらの自分の時間。環境によって配分が変わるのは前提だけど,大体こんなもんなのかしらね。
 こう考えると,仕事の時間をどういう位置付けにするかでだいぶ変わってくるでしょ? ざっくり言えば,楽しいのかつらいのか。楽しければ,1日のほとんどが楽しくなるし,つらければ1日のほとんどがつらくなる。だから,仕事に対する気の持ち方って大切だと思うわ。

 私にとっての仕事っていうのは,お金を稼ぐ手段であるとともに,社会奉仕という位置付けなのね。社会の歯車として,人々に喜んでもらおうという意識。エンターテイメント産業って,そういう意味では意味を見出すのがやや難しくはあるの。生活必需品というわけではないからね。無いなら無いで世の中は成立してしまうものなのは確かだから。
 ただ,それこそ充実した時間を過ごしてもらうために買っていただく商品ではある。そこに職業人としての誇りを持たなければならないのよね。で,おかげさまでおおむね楽しみながら仕事をヤらせてもらっている。
 もちろん,楽しいことだけじゃない。それは,どの職業だって同じ。ただ,人前に出る分,応援してもらえたり嫌われたり,要するに反応が返ってくる。だから成果を実感しやすくて,そこにやりがいを感じることができるの。ありがたいことに。それを含めて楽しい。今の時点では,いい人生だと胸を張って言うことができるわ。これからは分からんけども。
 なので,仕事の時間って大切だよな,とあらためて思った次第です。仕事である以上はもらうお金も大切。一方で,捧げる時間の内容も大切。楽しくない仕事が良くないって言ってるんじゃないの。自分が割り切れているかどうかの問題だと私は思うわ。仕事の時間が楽しくなくても,それで得た賃金で楽しい時間を過ごせるなら,その仕事に大きな意味を見いだせるわけで。その割り切りができるかどうかだと思うのよ。
 もちろん,現実は厳しいから働くうえで思うような選択肢がない場合もあるわ。例えば家業を継がなければならない場合とか,例えば家族の都合で時間が限られる場合とか。でも,その場合も割り切ることが大切だと思っていて。どの瞬間に自分は楽しいと思えるのか,充実感を得ることができるのか。ただ働くよりも,自分の時間についてポジティブに考えたほうが,きっと同じ時間でも人生は充実すると思うの。結局,思い込みだからね,こういうの。

 こう書くとね,「お前は好きなことを仕事にできてるからそう思えるんだよ。毎日死ぬ気で生きていたらそんなこと考えてる暇ねーよ」って思う人もいると思うの。そういう人に対しては,申し訳ないんだけどこの言葉しかかけられない。「それは知らん」。いや,だから思い込みなんだってば。良いも悪いも。私は私の人生にしか責任を持てないのよ。こういう場でも,「私の意見」として述べることしかできん。だから,同じ働くにしても楽しく感じるよう,または楽しい時間が待ってるっていう具合に割り切ろうぜ! っていう話をしたかったのです。
 世の中に出ている意見や文章ってのは突き詰めると全部無責任だからな。これを読んでいる君がどう思うか。価値としてはそれがすべて。そう割り切ったらいいよ。

画像集 No.003のサムネイル画像 / 男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第501回「仕事の時間を有意義に」
 で,なぜそんなことを思ったかというと「WORK×WORK」というゲイムをプレイしたからなんですな。Nintendo Switch用のRPG。このゲイムの何が独特って,ゲイムの目的がいまいちハッキリしないところなの。あ,プレイし始めたばっかりだから,まだおそらくゲイム序盤での印象ではあるんだけど。
 主人公は,お客様にダンジョン体験をさせるというコンセプトのテーマパークでアルバイトしているっていう設定。一応,借金を返すという目的はあるんだけど,それは(今のところは)そこまでゲイムにおいて重要なことではないわ。要は,お客様のダンジョン攻略をお手伝いする仕事のゲイム。
 ゲイムとしては軽いテイストで操作も簡単,一つのダンジョンにかかる時間もそこまでではない。それでいて,戦闘にはうまく介入しないとお客様が死んでしまうという絶妙のバランス。RPGにおける移動だったりといった手間をうまく省いていて,ついついプレイし続けてしまうタイプのゲイムよ。一味違った,でも小難しくないRPGをプレイしたい人にはオススメ。キャラクター同士のやり取りを含めて,この軽妙さはなかなか出せない味だと思うわ。

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 ただ,実はゲイムのテイストとはまた別のところでいろいろ考えさせられたのよね。仕事について。ダンジョン体験のサポートっていうのは,ダンジョン体験をしたい人がいて初めて成り立つ仕事なわけ。それがこのゲイムでは主に王子様だったりするわけだけど。
 王子様の仕事は,王様になる準備をすること。王様は国を治めるのが仕事。でも,王子様はまだ王様ではない。王子様なりの準備をするのが仕事。そして,このゲイムに出てくる王子様は王位18位。ということは,王様になる可能性は限りなく低い王子様。そんな状態でも,王様になるための準備をしなければならない。なぜなら,それが仕事だから。
 そう考えていたら,世の中にはいろいろな仕事があるんだろうなぁとあらためて思うに至ったわけ。お金を稼ぐだけではなく。どのように世の中に影響を与えるか。どのように世の中に入り込んでいくか。もう一つ言うと,どのようにお金を使うか。そういう意味で,WORK×WORKって,とても深い意味のあるネーミングだなって思ったわ。
 いや,繰り返すけどゲイム自体はそんな重い話じゃないわよ。でも,よく考えて作られたゲイムだなとは思う。たぶん,ほかのRPGとは一線を画すことに重点を置いていたんでしょうね。そして作り手は,そういう仕事を楽しみながら作ったんでしょうね。それが伝わってくる。そういうタイトル。軽い気持ちでプレイしてみるといいわ。普通に面白いから。オススメでございます。

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 楽しみながらヤる仕事,歯を食いしばりながらヤる仕事。世の中にはいろいろな仕事がございます。でも,賃金もさることながら,どんな形であれ充実感を得られるような,あなたにとっての仕事がそういうものになることを祈りつつ,今週はこの辺で。
 私もあなたも。仕事の時間を有意義に適当に過ごしましょう。ではまた来週。

今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「Marvel’s Spider-Man
Nintendo Switch:「WORK×WORK
iOS:「PUBG MOBILE

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
ディーノ選手が所属するDDTプロレスは,今週末の13日に滋賀・ボートレースびわこ大会「第2回DDTプロレス in びわこ〜ボートレースは水上の格闘技!〜」を開催しつつ,東京・新宿区荒木公園特設ステージでの「荒木町・杉大門秋祭り〜花舞く〜」に参加します。また翌14日には東京・JR大森駅東口駅前広場での「UTANフェスタ2018」でも試合を行う予定。びわこ大会は入場料100円ですが,荒木公園,大森駅東口駅前広場での試合は無料で観戦できますので,ぜひ見物に行ってみてください。
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