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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第594回「『メタルマックス ゼノ リボーン』はどうかしてる」
のっけからちょっと話はズレるんだけど,今年って配信のコンテンツが増えたじゃない。まあ,それは仕方がない。本来はライブで直接声を届けたほうが魅力が伝わるケースも多いんだろうけど,人が集まることは避けなければならない情勢だからね。となると現状は,従来であれば人前で行うような公開イベントも,家にいる人に情報を伝えられる配信という形に切り替えざるを得ない。
ただ,こうも思うの。新型コロナウイルスの感染が拡大したのが,動画配信という形式がある程度普及している2020年で良かった,と。いや,もちろん新型コロナウイルスなんて感染拡大しないほうがいいに決まっているのは大前提として。配信が普及してない,もっと言えばインターネットも普及してない状態で外出できないとなったら,世の中がもっと沈んでいたと思うの。雰囲気もそうだし,産業的にも。
だって,ネット通販も利用できないとなると,モノも売れないし外食産業も今ほどは出前できていないはず。ゲイムだってダウンロードで買うことができない。テレワークだって当然できない。もちろん我々のようなショービジネス産業も壊滅ですよ。無観客ですらできないんだから。
だから,コロナ禍がインターネットおよび配信という方法がある今の時代だったことは,不幸中の幸いと言えなくもないと思うの。そして,これからしばらくは配信というものがエンターテイメント産業の生命線となっていくのでしょう。
イベント内容をひと言でまとめると「お待たせしましたが完成したよ」って話だったんだけど,イベントが終わってから今に至るまで,じわじわと思うところが出てきたのよね。いや,コレ凄いことだぞ,と。たかだか発売から2年ほどしか経っていない作品をもう一度作り直すって,どうかしてるぞ,と。
元々ね,メタルマックスってめちゃくちゃ尖ったゲイムなのよ。その気になればイベントなんてすっ飛ばしてボスに挑めたりするし,基本は戦車に乗って戦えるというのが売りのRPGのはずなのに戦車を使わず生身で戦えたりもするし,大切な人が何の遠慮もなく理不尽に死ぬストーリーだったこともあるし。とにかく自由なRPGなのよ。そこが魅力で,多くのファンがいまだにいる。
ここからは私の推測なんだけど,2018年に発売された「METAL MAX Xeno」(PlayStation 4 / PlayStation Vita。以下,Xeno)は,開発者の方々がゲイムの出来に納得できなかったんじゃないかと思っているの。「熱狂的なファンの期待に応えられなかった」,と。だから作り直した。それがメタルマックス ゼノ リボーンなんじゃないか。私はそう感じているの。
ただ,一人のファンである私としては,XenoもXenoで成立していたと思うのよ。実際プレイしても面白かったし。ただ,確かに昔感じた面白さの方向ではなかっただけで。しかし,それを開発陣は良しとしなかった。……あくまで私の推測よ? ただ,きっと「メタルマックスらしくない作品」をそのままにして,次回作には行けなかったんでしょう。なぜなら「熱狂的なファンの期待に応えてない」から。このまま「付いてこい」とは言えなかったんじゃないかしら。
私がこう推測するのにも根拠があって。イベントで実機でのゲイム画面を見たんだけど,ハッキリ言ってXenoとは全然別のゲイムになっているのよ。戦闘のシステムというか,もはやコマンド入力すら必須ではなくなっているのよね。もちろん遊びのベースはコマンド制なので,プレイヤー次第で遊び方を選べるみたいだけど。
ストーリーはストーリーで,Xenoでは一本道で行けるエリアが制限されていたけど,話の本筋はそのままながら自由にフィールドを徘徊できるようになっている。そして,戦車の改造の自由度も上がっているし,最初に手に入る戦車で最後まで戦うこともできる。こうやって作り直すことで,ファンの信頼を取り戻そうとしているのね。
作品の借りは作品で返す。この姿勢がめちゃくちゃ熱いわよね(借りかどうかは置いておくとして)。ゲイムはもちろんビジネスだし,ある種,企業にとって作品はお金を稼ぐためのアイテムよ。でも,それを超えた部分で戦っている人達がいる。果たして失った(と思っている……と私が勝手に推測している)信頼は取り戻せるのか。
一方で熱狂的なファン以外に面白いと思わせることができるのか,そもそもシリーズファンじゃない人にプレイするところまでたどり着かせられるのか。そしてビジネスとしての結果を出せるのか。シリーズファンとしてもそうだし,単純に私の興味としてもこのメタルマックス ゼノ リボーンの挑戦には注目したいところね。運命の発売日は9月10日。
そんな感じで動画配信イベントに出させてもらった今週ですが,配信と言えば。今年はオンラインでの開催が決まっている東京ゲイムショウ2020まで,早いものであと1か月ね。今までは入場者数がニュースになってきたTGSだけど,今年はそういうわけにもいかない。ただ,動画配信という文化があるおかげで中止にはならず,開催はできる。では,何ができる? 何を生み出せる? 日本ゲイム業界の最大イベントであるTGSが,今現在この状況で何を見せてくれるのか。実は例年にない種類の興味を持っていたりしております。
メタルマックス ゼノ リボーンしかり,TGSしかり。今の時代の新たな挑戦に注目しておきたい今年の秋なのでした。そんな感じでまた来週。
今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「Ghost of Tsushima」「バイオハザード RE:3」(バイオハザード レジスタンス」)
Nintendo Switch:「キャサリン・フルボディ for Nintendo Switch」「eBASEBALLパワフルプロ野球2020」
iOS:「龍が如く ONLINE」
iOS:「ハンドレッドソウル」
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション」
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(C)KADOKAWA GAMES/KADOKAWA
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