連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第671回「マイペースに楽しめる『百年王国』」
真面目な話,感染してしまった場合でも症状や後遺症は人それぞれなんで,各自無理せずマイペースに以前の生活に戻ることを心掛けましょう。マイペース大事。
これを機にマイペースについて語らせてもらうけども,マイペースで何かをするってすごく難しいんですよ。外的要因に左右されるものって世の中にけっこうあるからね。例えば,締め切りがある仕事の場合,それを守らずマイペースを貫くのはもうダメなわけじゃないですか。締め切りを守る範囲内でマイペースを設定しなければならない。もう一つ。例えば医療機関だったらマイペースでってわけにもいかないのですよ。急を要する人が駆け込んでくるわけだから。今はとくに。
このように,マイペースと言ってもしっかり外的要因を管理しつつのマイペースってことになってくる。世の中は色んな人が関わり合って成り立っているからね。そこを無視して本当に自分だけのペースで物事を進められるようなマイペースってものは,基本的にはない。無人島で一人で生活していたりするなら別だけど。
一見マイペースに生きているように思われている人であれ,時間だったりお金だったりその他の部分で,その人に関わる誰かがバランスを取っているから,その人がマイペースでいられる。ちょっとずつ何かをすり合わせて,それぞれがいい感じのマイペースで生きていければいいけど,それってなかなか難しいのよねえ。
1年が1ターン,それを100年ヤるから百年王国。このゲイムのミソは100年って部分。ゲイムの売りとしては「外交や戦争、災害などマイナスで複雑な要素はありません」(公式サイトより)なんだけど,要するに100ターンの間にどういう国造りをするかってゲイムなんですね。
100年経過したら評価として国のスコアが出るんだけど,ボーっとプレイしていたらハイスコアは出にくい。逆に,ハイスコアを狙うのであればストイックに,詰め将棋のように施設を作っていかなければならない。まさにマイペースなのですよ。
100年という締め切りは必ずあって,その中でどういう仕事をしていくか。だから唯一の大きなルールとも言える「100年」が効いているのですね。ハイスコアを出せば数字として残すことができる,でもなんとなく生きていくことだってできる。どっちがいいのか? どっちだっていいよ。楽しければ。
ちょっと前の時代までは,ハイスコアを狙うことが良いとされてきた。実際,ハイスコアを取れる人はすごいと思う。誰にでもできることじゃないし,称えられるべき。そして,ハイスコアを出したことに対する恩恵があるならば,それを享受していい。ただ,ハイスコアを出さなければゲイムをプレイする価値はないのか? と問われるならば,「それは違う」と答える。
だって,ゲイムって基本的に楽しむためにあるんでしょ? ハイスコアを狙うプレイスタイルよりも楽しむことができるなら,別にハイスコアを取れなくても,そのゲイムの価値は十分にあったと言える。楽しんでいるんだから。ただ,このプレイスタイルの場合はスコアが残らない。だから,自分で楽しさを管理するしかない。ここがマイペースの難しいところ。数字で残らないものは,なかなか評価されない。他人からも,ともすれば自分自身からも。マイペースにはそこも含まれる。自分自身のペースでって意味だからね。
他人から評価されたい部分って,人間にはどうしてもある。今はSNSなどで自分のアカウントを持てる時代だからとくに。他人の表現に対して「いいね」を送ることができる。そうすると他人からの「いいね」が欲しくなる。でも,他人ではなく自分自身への評価が可視化されることはない。
こういう世の中でマイペースを維持するには,実は自己評価ってけっこう重要で,自分の評価を基準に生活のペースを作り,そのうえで他人の都合や指摘を取り入れていくっていう,この両軸が必要なんじゃないかなあと私は考えております。
ちょっとゲイムからは話が逸れたけど,百年王国を遊びながらそう思ったって次第です。シンプルに,邪魔が入らずどんどん自分の国が大きくなっていくのは楽しいよ。私はこのゲイムにおいては,ボーっとプレイしていくのが楽しい派です。100年じゃ物足りない! って思えるちょうどいいボリュームも見事。ミスの概念がないパズルゲイムとも言えるかもね。けっこうカジュアルにプレイできるんで全方位にオススメです。
てなわけで,今週は百年王国をプレイして「なんてマイペースなゲイムなんだ! ……ん? でもマイペースって何なんだろう?」と考えてしまったというお話でした。今週もマイペースに原稿を書いてしまってすみません。締め切りはギリ守ってます。ではまた来週。
今週のハマりゲイム
PC:「METAL DOG」
PlayStation 5:「FIFA 22」「テイルズ オブ アライズ」
Nintendo Switch:「百年王国」
iOS:「ロードモバイル」
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション」
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(C)kaeru-san games Published by(C)Chorus Worldwide Games
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