連載
インディーズゲームの小部屋:Room#526「Minit」
新学期だし体操着を持って行かなきゃ,そういえば時間割はどこだっけな……と考えている最中に夢だと気づいた筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第526回は,Devolver Digitalの「Minit」を紹介する。本作は,1分で1日が過ぎてしまう呪いを受けた主人公が,その呪いを解くために冒険を繰り広げるというアドベンチャーゲームだ。あと,ベッドの底が抜けてどこまでも落ちていく夢もよく見ます。なんだこれ……。
ある日,散歩に出かけ,砂浜で1本の剣を拾い上げた主人公。なんとその剣には,1分経つと1日が終わってしまう呪いがかけられていた。不幸な呪いを解く方法を見つけるため,主人公は平和な我が家を旅立つことに……。
というわけで,プレイヤーは名もなき主人公を操作して冒険を行うことになるのだが,本作の大きな特徴は,1分が経過すると強制的に自宅に連れ戻されてしまうこと。また,敵の攻撃を受けて体力をすべて失っても1日が終わり,自宅から再スタートだ。
たったの1分で一体何ができるのかと思う人もいるかもしれないが,救いがないわけではない。冒険の途中で手に入れたアイテムはそのまま残り,解除した仕掛けは次の日になっても元に戻ることはないので,1分のあいだにアイテムを手に入れ,次の1分で周囲を探索して,さらに次の1分でギミックを解除する,というサイクルを繰り返して,少しずつ先に進んでいくのだ。
とはいえ,もちろんそう簡単に事が運ぶわけではない。あちこちにいる奇妙な住人を手助けしたり,新たに手に入れたアイテムで進める場所を探したりといったことをするのに,1分はあまりに短すぎる。プレイ中は何度も1日をやり直しながら,最短の手順を探ることになるだろう。また,ゲームを進めると自宅の代わりになるいくつかの拠点も登場し,探索の範囲も広がっていく。
正解が分かれば,すべて1分以内に解けるギミックの配置が絶妙で,適度な焦燥感を味わいながらテンポよく楽しめる本作。白と黒の2色のみで描かれたキュートなドット絵と,耳に心地いい8bitスタイルの音楽も魅力的で,やり込み要素としてゲームクリアには関係のないアイテムや謎解きも用意されている。
寄り道せずに進めると,初回プレイで2〜3時間もあればクリアできるボリュームだが,クリア後は一部のマップや敵の配置が変更され,制限時間が40秒になった2周めをプレイできるようになるなど,上記のやり込み要素と合わせて遊び応えも十分。一風変わったシステムのゲームを探している人に,ぜひオススメしたい。そんな本作は,Steamにて980円で発売中だ。
■「Minit」公式サイト
http://minitgame.com/- この記事のURL:
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