連載
インディーズゲームの小部屋:Room#607「Lonely Mountains: Downhill」
子供の頃は自転車で遠乗りをして,よく隣町のゲームショップまで出かけていた筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第607回は,Megagon Industriesが開発した「Lonely Mountains: Downhill」を紹介する。本作は,マウンテンバイクで険しい山道を駆け下りるというレースゲームだ。今はもう,電動アシストが付いていないと坂道がつらいです……。
前フリで説明したとおり,ゲームの目的は命知らずのライダーとなって,マウンテンバイクで山道を駆け下りること。舞台となるのは,緑豊かなグレーターホーン,紅葉が美しいレッドムーアピークス,荒々しい岩山のシエラリベラ,そしてハイスピードの滑降が楽しめる高山のマウントライリーという4つの山だ。
それぞれの山には4つのトレイル(コース)があり,全部で16のコースが用意されている。ただし,最初からそのすべてを走れるわけではなく,まずは初心者向けのグレーターホーンから順番に攻略していかなくてはならない。各コースには,ビギナーとエキスパートの2種類のチャレンジが設定されており,これらを達成することで新しいコースやライダーのウェア,バイクのパーツがアンロックされる仕組みだ。
本作の特徴は,一般的なレースゲームのようにコックピット視点や後方視点ではなく,俯瞰視点が採用されているという点。カメラ位置が上空に設定されていて,ただでさえ見通しが利かないうえに,コースの先が岩や木などで遮られて見えないことも多く,視界が悪い山道を一気に駆け下りるダウンヒルの雰囲気がうまく表現されている。
コースは当然のように曲がりくねっており,そんな中をライダーが左右だけでなく,奥や手前にも走るので,一瞬でも気を抜けば,たちまちクラッシュすること間違いなし。ちょうどスピードが乗ってくる場所に,狙ったようにカーブや障害物が設置されており,ここをバイクで下るのはまさに命がけ。コントローラを握る手にも,思わず力が入ってしまう。
同じコースでも複数のルートがあり,さらにルートを外れた無数のショートカットが用意されているのも面白いところだ。基本的には,クラッシュさえしなければどこを走ってもオーケーというのが本作のスタンスで,危険度マックスのショートカットを駆使して道なき道を突破し,タイヤを滑らせながら急斜面を駆け抜けるスリルは,このゲームならではの醍醐味と言えるだろう。
ほかにも,風景を楽しみながらゆっくりと山を下りたいという人に向けて,別の楽しみが用意されている。それが,各コースに1か所ずつ隠された,休憩所だ。休憩所はどのコースもなかなか見つけにくい場所にあるので,タイムアタックの息抜きに,気ままに山を探索してみよう。そんな本作は,Steamにて1980円で発売中。スリル満点のダウンヒルを味わいたい人は,ぜひどうぞ。オススメです。
■「Lonely Mountains: Downhill」公式サイト
https://lonelymountains.com/- この記事のURL:
キーワード