連載
インディーズゲームの小部屋:Room#621「The Pedestrian」
最近,未視聴のアニメ録画が溜まりに溜まっている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第621回は,Skookum Artsの「The Pedestrian」を紹介する。本作は,交通標識や案内板などに描かれているような棒人間が,街中の看板を冒険していくというパズルアドベンチャーだ。積みゲーを消化しているうちアニメが積み上がっていく……。
上述のとおり,本作の主人公は交通標識や信号,あるいはトイレの案内板などに描かれているような,ただの棒人間。ストーリーはとくになく,ふと何かを思い立った主人公が,どこかを目指して動き始めるといった感じだ。ゲーム開始時に男女どちらかの棒人間を選べるが,見た目以外に違いはないので気に入ったほうを選択しよう。
背景となる現実感のある街並みは3Dで描かれているが,棒人間の主人公が移動できるのは建物の壁や支柱といった場所に設置されている,掲示板などの平面の中のみというのが面白いところ。1つのステージは複数のパネルで構成されており,パネルの位置は自由に動かせる。そして,パネルに描かれた出入口同士を線でつなぎ,次から次へとパネルを移動しながらゴールを目指すのだ。
最初のうちは,少しパネルの位置を調整して,パパっと線でつなぐだけでクリアできるが,ゲームが進むにつれて扉を開けるためのカギや,仕掛けを起動するためのスイッチといったギミックが追加され,徐々にややこしくなっていく。本作ではアクションゲームとしての難しい操作が要求される場面はほとんどなく,このパズルを使った謎解きに重点が置かれている。
棒人間の主人公は,平面であれば割とどこへでも進入できるのか,電子ロックや配電盤などにアクセスして,外の世界にあるエレベーターを動かしたり,カギの掛かった扉を開けたりもできる。時には電車の制御パネルを操作して電車を走らせ,新しいステージに向かうこともあるなど,やりたい放題だ。
ゲームの直接的な舞台は看板などの2Dの世界だが,周囲の風景はどこかの倉庫だったり,車が行き交う明るい街中だったりと変化に富んでおり,その対比が見た目にも楽しい。パズルはときおり頭を使わされるものもあるが程よい難度で,最後まで楽しくプレイできる。とくにラストの展開は驚きで,これはぜひ自分の目で確かめてほしいところだ。
そんな本作はSteamにて,2050円で発売中。たまにはパズルゲームで軽い頭の体操でもしようかなという人はぜひどうぞ。オススメです。
■「The Pedestrian」公式サイト
https://www.skookum-arts.com/- 関連タイトル:
The Pedestrian
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