連載
インディーズゲームの小部屋:Room#638「The Spike」
今一番欲しいのは,夏用の涼しいマスクという筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第638回は,数あるスポーツゲームの中でも少数派,サイドビュー形式のバレーボールゲーム「The Spike」を紹介する。次こそはオンライン抽選に当選しますように……。
野球やサッカー,ゴルフやテニスなど,これまでさまざまなスポーツがゲーム化されているが,その中でも比較的数が少ないのがバレーボールだ。個人的には,ファミコンのディスクシステムで発売された「バレーボール」や,アーケードから家庭用ゲーム機に移植された「スーパーバレーボール」を友達と楽しく遊んだ覚えがあるが,それ以降は南国リゾートで水着の女の子達とキャッキャしたことくらいしか記憶にない。
バレーボールゲームが少ないのは,バレーボールらしい動きをゲームに落とし込むのが難しいというのが理由の一つにあるのではと思うが,強烈なスパイクを叩き込む爽快感や,それをレシーブしてからの速攻など,一瞬のうちに攻防が切り替わる試合展開に,ほかのスポーツにない独特の魅力を感じているのは筆者だけではないはず。それをまたゲームで味わいたいと思っていたところに登場したのが本作だ。
前フリが長くなったが,本作は1チーム3人制で試合を行うバレーボールゲーム。一見するとクォータービュー風の画面だが,選手の動きは左右に限定されており,実質的にはサイドビューのゲームとなっている。
試合に出場するレギュラー選手のポジションは,味方にトスを上げるセッター,速攻とブロックが得意なミドルブロッカー,スパイクによる攻撃を担当するウイングスパイカーの3つ。試合開始時にどのポジションの選手を操作するか決めたら試合中の変更はできず,残りの選手はAIが自動で操作する仕組みだ。
操作方法は,ボールの動きに合わせて選手の位置を調整しながら,ジャンプ/スパイク,レシーブ,ブロックを行うというもの。もちろん,サーブ権を持っているときはサーブも行う。一人の選手に集中すればいいぶん操作が分かりやすく,AIが担当する味方選手がなかなかいい動きをしてくれることもあって,バレーボールならではのスピード感や迫力を存分に味わえる。
基本的なゲームモードは,大会での優勝を目指すストーリーモードと,勝ち抜き戦を行うトーナメントモードの2つ。友達と対戦するVSモードは今後実装される予定だ。各選手には,攻撃力,守備力,ジャンプ力,スピードの4つのステータスがあり,試合をすることで得られる資金を使って能力をアップさせられるほか,ゲーム内のミッション達成などでもらえるボールを使って,新しい選手をスカウトしたり,外見を変更したりといった要素もある。
1チーム3人制というやや変則的なルールではあるが,本作にはバレーボールの醍醐味がギュッと凝縮されており,敵陣に会心のスパイクを叩き込んだり,相手の動きを読み切ってブロックを決めたりしたときの爽快感は格別。コントローラを握る手に,思わず力が入ってしまう。現状は未実装の要素や小さなバグが残されているが,それを差し引いても楽しく遊べるゲームに仕上がっており,バレーボールファンにぜひオススメしたい。そんな本作はSteamにて,520円で発売中だ。
■「The Spike」Steamストアページ
https://store.steampowered.com/app/1296840/The_Spike/- この記事のURL:
キーワード