連載
インディーズゲームの小部屋:Room#669「Olija」
もし合体メカのパイロットになるとしたら,5号機にだけは乗りたくない筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第669回は,Skeleton Crew Studioが開発した「Olija」を紹介する。本作は,時空を切り裂く伝説の銛(もり)を手に入れた主人公となり,暗く謎めいた世界を冒険するというアクションアドベンチャーだ。足に乗っているときにキックなんて繰り出されたらもう……。
本作の主人公は,貧しい漁村を治める若き領主ファラデー。敗戦で負わされた賠償金すら支払えない窮状を打破するため,老朽化した船に配下を集めて漁に出発したファラデーだったが,激しい嵐に見舞われて難破し,見知らぬ島に漂着してしまう。そこで不思議な力を持つ銛を手に入れたファラデーは,捕らわれの身となったほかの漂流者を救助しつつ,故郷に帰る方法を探すことに……。
ファラデーが流れ着いたのは,テラファージという名の東洋風の国。タイトルにもなっているオリヤは,この国の姫の名前だ。ゲームは探索型のアクションアドベンチャーで,ちょっとダークな「グーニーズ」といった雰囲気。プレイヤーはファラデーを操作して,朽木族と呼ばれる敵対的な勢力の兵士や魔物と戦いつつ,鍵を見つけて扉を開けたり,檻に閉じ込められた仲間を助け出したりしていく。
本作の大きな特徴は,ファラデーが手に入れた伝説の銛を使ったアクションにある。この銛には時空を切り裂く力があり,斬りつけたり,投擲したりして敵を攻撃できるだけでなく,銛を投げた場所に一瞬でテレポートが可能。この能力を活かして,遠くの敵に素早く近づいてコンボを叩き込んだり,障害物をすり抜けて移動したりできるのだ。
また,ファラデーはさまざまな魔法の帽子を被ることで,新しい能力を身に付けることもできる。帽子は拠点となる小島にいる帽子職人から購入でき,各所に捕らわれている漂流者を救出すると,彼らが島にやって来て徐々に賑やかになっていくという要素もある。ゲームを進めるとレイピアやクロスボウなどのサブ武器が手に入り,これらの組み合わせによるテンポのいいアクションも大きな魅力だ。
全体的なゲーム難度はそれほどでもないが,要所で待ち構えるボス戦はなかなか手ごたえがあり,いいスパイスとなっている。クリアまで4〜5時間というボリュームで,丁寧に日本語ローカライズされており,謎めいた世界観と軽快なアクションも相まって,最後まで飽きずにプレイできるだろう。そんな本作のPC版は,Steamにて1520円で発売中。また,PlayStation 4,Nintendo Switch,Xbox One版も各ストアで販売されているので,アクションゲームが好きな人はぜひどうぞ。
■「Olija」公式サイト
https://olija.com/キーワード
Copyright 2020 Skeleton Crew Studio. All Rights Reserved. Devolver Digital Privacy Policy & EULA
Copyright 2020 Skeleton Crew Studio. All Rights Reserved.