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印刷2009/07/13 11:36

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海外ゲーム四天王 / 第8回:「PROTOTYPE」

海外ゲーム四天王 〜戦うおじさん〜
第8回:今週のビルから落ちてもノーダメージ:「PROTOTYPE」
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 三人の海外ゲーム四天王が,海外ゲームを語る本連載だが,最近2回は四天王以外の担当者が記事を書き,もともとかなり薄めだった存在感がますます薄くなってしまったのは,読者の皆さんもよくご存じのとおりだ。そんなわけで,今回は四天王の一人,ライターの朝倉哲也氏が,遺伝子操作で超人的な戦闘能力を身につけた主人公が大活躍するアクションゲームを,全力をあげて紹介しよう。
※本作には残酷な描写があり,記事中でもそれについて触れています。

高いビルから真っさかさまに落ちてもぜんぜん平気 常識外れの戦闘力を持ったバイオニック戦士が大暴れ

 

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 極秘裏に行われていた生体実験により,自らの体を自由に変形させ,さらには殺した相手の遺伝子を取り込んで変身するだけでなく,その人物の記憶や技術までも手に入れられるようになったとんでもない男,アレックス・マーサー(Alex Mercer)。
 まさしく超人となった彼だが,その代償にすべての記憶を失っていた。ときおりフラッシュバックする記憶に悩まされながらも,軍の秘密計画を探っているグループと接触したアレックスは,彼らの協力の下に行動を開始するのだった。
 おりしもニューヨークには謎のウイルスが蔓延し始め,感染した人間はゾンビのようになって人々を襲っている。感染地域を封じ込めようとする軍隊,逃げまどう人々,そしてすべての鍵を握る謎の企業ジェンテック。この一連の出来事の裏には,何が隠されているのだろうか? というわけで,今回はそんな「PROTOTYPE」を紹介しよう。

 

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 ゲームを開始すると,そこはニューヨーク。プレイヤーの周りではゾンビのような怪物が人々を襲っているわ,軍隊があちこちで銃を乱射しているわと,それはもう大騒ぎだ。突然なので何がなにやら分からないが,降りかかる火の粉は払わねばならないとばかりにさっそく戦闘開始だ。アレックスは両手を剣や鉤爪などに変形させ,それで敵の胴体を一刀両断にしたり,体を袈裟懸けに切ったりと,凄まじい能力を持っている。

 

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 両断された体から血が吹き上がったり,切断面に肉が絡み合っていたりと,この殺戮場面は,かなりグロい。さすがは大人向けの「Mレーティング」(17歳以下は購入不可)だ。しかも死体は消えることなく残るので,アレックスの通ったあとは死体や肉片で地獄の様相を呈する。
 また,アレックスは人間やミュータントを「吸収」することで自分の体力を回復するという特殊能力を持っており,手当たり次第に殺しては,たまに人間を吸収して体力を回復し,次のターゲットに向かうというエンドレス攻撃が可能になっている。吸収するときは,アレックスの体から数十本の触手のようなものが伸びて相手の体に巻きつき,ぐちゃぐちゃにしながら体の中に取り込んでいくというシーンが見られるなど,とにかく残酷で流血が多いのが最大の特徴だ。こういうのに弱いという人はやめておいたほうがいいかもしれない。

 

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 シングルプレイキャンペーンでは,なぜ自分が怪物のようになってしまったのか,なぜニューヨークでミュータントが暴れているのかなどが,ミッション形式で少しずつ明かされていく。ミッションは,「〜に向かえ」とか「周囲の敵を一掃しろ」「〜を破壊しろ」「〜を殺して変身,敵の警戒をすり抜けろ」といった細かなものになっており,一つのミッションはだいたい10分〜20分程度で終わる。総じてそれほど難しくはないが,ときどき敵の数がえらく多かったり,ミッション目標を達成するまで延々と敵が出現し続けたりするものがあるので,あんまり油断してはいけない。

 こうしたストーリーに関連したミッションのほか,高層ビルの壁面を駆け上って頂上に着くまでのタイムを競ったり,次々と現れる敵をひたすら倒し続けたりなど,ストーリーとは関係ないサブミッションもかなり多く用意されている。これらは別にチャレンジしなくてもよいのだが,クリアすることで褒章が貰えたり,新たなパワーがアンロックされたり,また隠しミッションが登場したりするので,メインのミッションの間にサブミッションを織り交ぜつつゲームを進めていくのがよさそうだ。

 

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 また,本作ではニューヨークの中心部であるマンハッタン島全域が再現されており,ミッションの合間に散歩がてらにそのへんを走り回ったり,通行人に襲いかかるといったことが自由にできる。途中で人を殺したりすると,すぐに軍隊や警察がやってきて大騒ぎになってしまうが,一般人に変身したり路地に逃げ込んだりして逃げ切ってしまえば,また自由な散策が可能だ。車や貯水タンクといったオブジェクトは,破壊するだけでなく持ち上げて投げつけられ,例えば敵の攻撃ヘリコプターにうまく命中させられれば,一撃で撃墜できるほどの威力をもつ。

 

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 少し気になったのは,ゲームパッドに合わせていると思われる操作感覚や,ズームイン/アウトのできないカメラ,そして木の下にキャラクターが入ると葉っぱで隠れてしまうという問題など,このへんの作り込みや少々甘いようだ。グラフィックスは悪くないのだが,最新ゲームというには少しさびしい気もする。
 とはいえ自由度の高いマップで,暴力的&残虐なアクションをすっきり爽快に楽しみつつ,重厚なストーリー展開のキャンペーンミッションをたっぷりと堪能するという本作のゲームプレイは,これが仕事であることも忘れて楽しめた。日本語版を熱烈に希望したい。

 

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■■朝倉哲也(四天王/ライター)■■
筋金入りのPCゲーマーであるライターの朝倉氏。とはいえ,時代の流れでもあるところからコンシューマ機の購入を考えているそうだ。「ちょっと聞きたいんですが,あれですよね,任天堂のDSって,パカッて開くヤツですよね?」。うーむ。ここまでいくと筋金入りのPCゲーマーというか,仙人というか……。
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