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CryENGINE 2採用のバーチャルワールド「Blue Mars」,Shade発表会で美麗グラフィックスを披露
テラフォーミングされた未来の青い火星を舞台に,仮想世界で生活するというこの作品。今回は,ちゃんと動くアバターが実装されており,かなりできあがってきていることが窺える。
デモで使われたアバターには,イーフロンティアが発売しているShade用のアンロックキャラクター(修正可能なデータ集)のHanakoも使われているという。もちろん,ポリゴン数は落としてあるのだろうが,このクオリティのキャラクターが実際に使用されることになるとのこと。
「Avatar Reality」という社名に恥じぬクオリティといえるだろう。とくにスキンシェーダなどには,かなりこだわりがある模様だ。髪の長いキャラは,動きに連れてゆらゆらと髪が揺れる点も注目である。
キャラクターのカスタマイズは,どの程度できるのかと聞いてみたところ,同じ顔のキャラはいないだろうという答えが返ってきた。顔だけでユーザーに開放されるパラメータが60個程度とのこと。ほとんどPerfect Worldクラスの自由度になりそうだ。
先ほど紹介したHanakoなどの顔のデータは,課金アイテム扱いで販売されるようで,顔作りの不得意な人はプロが作った顔を使うこともできるようにするという。ただし,みんな同じ顔というのは作らない方針のようで,元の顔に対して購入した顔データが一定の割合でブレンドされるようにするなどの構想もあるそうだ。同じ顔データでもブレンド率5割だと安いけど,ブレンド率7割にできるのは高いとか,ちょっと面白い販売法も検討中とのこと。
表示関係は,かなり最適化を進めたようで,今回のデモはノートPCを使って実演が行われていた(Gateway製の1200ドル程度の製品だそうだ)。繰り返すが,ムービーの映像もノートPCによるデモの直撮りだ。
サーバー側の負荷テストでは600人のキャラクターの同時動作が確認されたとのこと。もっとも,接続に使ったダミークライアントに問題があって,そちら側の問題で600人分までしかつながらなかったというだけで,サーバーのロードにはまだ余裕があるとのこと。
現在はCPUを使ってスキニングをしているとのことで,そのためか,キャラクターがたくさんいるシーンでは描画が重くなっていた。頂点シェーダによるスキニングの例も見せてもらったのだが,それだとかなり軽くなるものの,ちょっとバグが残っているのか髪の毛がずれたりしていた。両者の違いが比較できるムービーを用意したので,将来的にはパフォーマンスがまた上がりそうだということを覚えておこう。
ざっと見れば分かると思うが,キャラクターはワールド内を走れない。「みんな走っていると会話できないじゃないですか」と,プレイヤーにはできるだけほかの人と会話してほしいというのが開発者の願いのようだ。高速に移動したい場合は,乗り物などを使ってくれとのこと。
ちなみに,マップにあるシティとシティの間にはテレポート用のポータルが用意されるほか,シティ内にはシャトルが運行しているので,それを利用して移動することになる。なお。街の中には乗り物ぽいものも置いてあったのだが,現状では乗ったりできないとのことだった。
会場のデモでは,街を歩くキャラクターに続いて,ツアーの様子が示された。
火星最大の山であるオリュンポス山に滝ができたということで,フライバイによる観光コースがデモされた。NASAによる火星の計測データに忠実に作られたオリュンポス山は,標高2万4000mという太陽系内での最高峰だ。なんか麓のあたりに雲があるのも無理はない。
海や植生などを見ると,Crysisと同じのエンジンを使っているというのがなんとなく納得できるのが不思議だ。バーチャルワールドのみならずMMORPGなどを含めて,これだけの景観のコンテンツを実現しているタイトルはほとんどないだろう。
気になるBlue Marsのリリース時期だが,3月に開催されるGame Developers Conference 2009で開発者募集を行い,6月には一般向けのオープンβテストが行われる予定だという。まずは,GDCでの発表に期待したいところだ。
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