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印刷2008/06/11 12:00

プレイレポート

正式サービスは今夏開始! 全国大会も予定されている「ボンバーマンオンライン Japan」のクローズドβテストレポート

画像集#001のサムネイル/正式サービスは今夏開始! 全国大会も予定されている「ボンバーマンオンライン Japan」のクローズドβテストレポート
 ハドソンとショックウェーブ エンターテインメントは,オンラインアクションゲーム「ボンバーマンオンライン Japan」(以下,BOJ)の正式サービスを,今夏にスタートすべく,現在準備を進めている。BOJはその名のとおり,世界的に有名なハドソンの人気アクションゲーム「ボンバーマン」シリーズのオンライン版で,正式サービス時には基本プレイ料金無料のアイテム課金制が採用される予定だ。

 オンライン版のボンバーマンといえば,かつてゲームサイト「ハドソンキングダム」で「ボンバーマンオンライン」が運営されていた。しかしこちらは,根強いファンを生み出すことに成功しながらも,残念ながら2007年7月末をもってハドソンキングダムごとサービスを終了している。
 そういう意味では,本作を“新生”ボンバーマンオンラインと捉えても差し支えないだろう。ちなみに,タイトルの「Japan」には,「日本から世界へ向けて発信していく」といった狙いも込められているらしい。


 さて,そんなBOJの正式サービス開始に先駆け,5月21日〜5月27日には,クローズドβテストが行われた。当初,このクローズドβテストは5月14日〜5月20日に実施予定だったのだが,テスト開始直後から“ゲーム画面が真っ黒になる”“ゲームがスタートしない”などの不具合が頻発。これらの修正をするため,スケジュールが延期されることになったのである。
 このように,あまりいい滑り出しとはいえないクローズドβテストだったが,5月21日に再開されてからは目立った問題もなく,ゲームを楽しめた。

 本稿では,実際にゲームをプレイした感想を交えつつ,クローズドβテストの内容を紹介して行こう。


「ボンバーマン」の魅力はそのままの対戦システム


画像集#002のサムネイル/正式サービスは今夏開始! 全国大会も予定されている「ボンバーマンオンライン Japan」のクローズドβテストレポート
 BOJは,オンライン対戦に対応しているからといって,従来のボンバーマンからガラリとシステムが変えられているようなことはない。やはり,ボンバーマンそのもののゲーム性は,すでに完成の域に達しているということなのだろう。ブロックに囲まれたステージで敵を追い詰め,ボムを設置して爆破するという実に単純明快なルールと,敵を爆破する爽快感,シンプルな操作性などがボンバーマンの魅力なのである。

 BOJは,プレイヤーが“ウェイティングルーム”を作成し,そこに参加希望のプレイヤーが集まるというMOタイプのゲームになっている。ルーム作成ではステージ選択やルール設定以外にも,様々な設定が可能なのだが,その中でも面白いのが,“出身地バトル”や“趣味バトル”などといった,ちょっと変わった“ルームカテゴリ”の設定だ。
 例えば,これを出身地バトルに設定すると,名前の横にプロフィールで設定した出身地が表示されるのである。恐らく出身地や趣味を表示することにより,それを話のタネにチャットを盛り上げようという考えなのだろう。実際の効果のほどは,クローズドβテストではあまり実感できなかったが,プレイヤー同士のコミュニケーションを促進しようという配慮は素直に評価したい。

 対戦自体は冒頭で述べたように,従来のボンバーマンシリーズと基本的な流れは同じ。オンラインだからといって気になるようなラグもなく,白熱した戦いを楽しめた。
 そんな中,BOJ独自のシステムとして目立っていたのは,“新みそボン”システムである。過去のボンバーマンシリーズで用意されていた“みそボン”システムは,倒されたあとに場外から爆弾を投げ込み,敵を倒せば復活できるというもの。しかし今回は,プレイヤー自身が移動爆弾となってステージ内を自由に動き回れるようになっていたのだ。
 しかし,この新みそボン,当然だが非常に弱い。移動速度はとてつもなく遅く,爆発までの時間も長い。しかも火力はCBT開始時点で1,途中から若干強化されて2になったものの,やはり非常に弱いのである。
 そのため,ステージ内をうろついていても対戦相手の脅威になるようなこともなく,生き残りプレイヤーにほとんど無視されているような状態だった。とはいえ,実はここが狙い目。「所詮みそボン」と油断している奴らの行動をジックリ観察しながら待機し,爆風から逃れてくるところを狙っての爆破が決まると,かなりの達成感を得られる。そして事前にルール設定で,みそボンを“スーパー”にしておくと,倒したプレイヤーに入れ替わる形で生き返れるのだ。

画像集#003のサムネイル/正式サービスは今夏開始! 全国大会も予定されている「ボンバーマンオンライン Japan」のクローズドβテストレポート
最初にチャットチャンネルを選択することもできる。「それより早く対戦させろ!」というせっかちな人は,“すぐにバトル!”をどうぞ
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豊富なルームカテゴリ。いざルームに入ってプロフィールが“無回答”だと寂しいので,事前にマイステータスで設定しておくといい
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なんだか懐かしいベーシックなステージ。序盤はひたすらブロックを壊してアイテムを集め,パワーアップに集中すべし
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一目で分かるこの狭さ。自分の周りのブロックを壊さず,ライバルが減ってから漁夫の利を……なんて考えていると,ボムパンチでボムが投げ込まれがち
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時間切れになると襲ってくるプレッシャーブロック。どんどん狭くなっていくステージに焦らされるが,押しつぶされる前に決着をつけろ!
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一度は敗れてしまった悲しき存在,みそボン。みそボンだらけになったステージは,何だか妙に物悲しい


クローズドβテストで遊べたのは個性的な七つのステージ


 テスト期間中にプレイできたルールは,プレイヤーが最後のひとりになるまで戦う“サバイバル”のみ。今後は,チーム戦などが追加される予定とのことだ。また,選択できたステージは,通常ステージが五つ,隠しステージが二つの合計7ステージだった。
 “隠しステージ”とは何か? 気になった読者もいるだろうが,とりあえずその説明は後回しということにして,まずは個性豊かなステージをピックアップして紹介して行こう。


●キックで曲がってドッカン

 ステージ中に矢印ギミックが設置されており,その上にボムを蹴りこむと矢印の向いてる方向へとボムが飛んでいく。ボムは一度飛んでいくとなかなか止まらず,軌道が読みにくくて非常に危険。蹴飛ばしたボムが自分のところに戻ってきて爆発することも多々ある。初心者はあまりボムキックにこだわらないほうが安全だ。

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●ソフトブロック率200%

 破壊できるソフトブロックのみで構成されたステージ。必然的にソフトブロックが破壊しつくされてしまう終盤は,爆風から身を隠す場所がなくなる。そのため,常に縦横無尽に動き回りながら,ボムをヤケクソ気味にばら撒く戦い方になりやすい。焦らず冷静に,爆風を避けることに集中してチャンスを待とう。

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●コウジチューの鉄橋

 隠しステージ。横に長いステージで,道幅もほかのステージの倍ある。ソフトブロックが少なくなってくると,ステージの広さも関係して敵を倒しづらくなってくるので,時間切れになりやすい。撃退数を稼ぎたいのなら早期決着を狙うべきだが,確実な勝利を狙うのなら時間切れを待ってプレッシャーブロックによる自滅を待ったほうが良さそう。

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今後はキャラクターもどんどん増えていく模様。公式サイトで紹介されている“マーヴィー”は,いつ使えるようになるのだろうか?
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 以上3ステージのほかにも,ボンバーマンファンにはお馴染みの“おなじみベーシック”や,ほかよりステージが一回り狭い“ミニミニベーシック”などが用意されており,プレイヤーは各々が得意とするステージ限定のウェイティングルームを作ったり,1戦ごとにステージを変更するなどして対戦を楽しんでいた。

 それでは,隠しステージについての説明に入ろう。実は,BOJには一定の条件をクリアしないと解除されない“追加機能”や,“ユニークアイテム”なるものが存在する。隠しステージもその一つ。
 具体的には,ウェイティングルームのルール設定がゲーム開始直後は4人対戦までしか用意されていないが,勝利数を重ねることで“5人,6人対戦”“7人,8人対戦”も設定できるようになる。
 隠しステージも同様に,勝利数を重ねるごとにデフォルトでは使用できなかったステージを使えるようになる。クローズドβテスト期間中は二つしかなかったが,今後はおそらく,さらなる隠しステージが追加されることになるのだろう。

条件を達成すると,ロビーに出た瞬間に告知してくれる。ユニークアイテムは条件解除すると送付されてくるので,プレゼントボックスから受け取ろう
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「パネルデッキ」と「ボムワザ」が勝敗を分ける


画像集#021のサムネイル/正式サービスは今夏開始! 全国大会も予定されている「ボンバーマンオンライン Japan」のクローズドβテストレポート
 ボンバーマンのゲーム性を語るうえで絶対に外せないもの,それはボムの設置数を増やしたり爆風の範囲を広げたりする“アイテム”の存在だ。
 BOJには,ステージ中にブロックを爆破して手に入れるアイテムのほかに,ショップで購入できる「パネルアイテム」を任意の組み合わせで装備するという,「パネルデッキ」システムが存在する。これにより,自分の戦い方に合った能力を持つキャラクターを作れるのである。
 例えば,「ボムアップ」と「ボムキック」をパネルデッキに装備すれば,ステージ開始直後からボムを何個も置けて,さらに蹴り飛ばすこともできる。本来ならばステージ中でブロックを爆破しまくり,やっとこさアイテムを獲得して手に入れる能力が,最初から使えるという利点は非常に大きい。組み合わせ次第で,火力重視,スピード重視,トリッキーなキャラクターと自由自在だ。
 しかしながら,キャラクターとパネルアイテムには“コスト”というステータスが設定されており,キャラクターの最大コストを超えるパネルアイテムは装備できない。パネルアイテムごとに設定された装備コストを考えて,最適な組み合わせを考えるのが重要だ。

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テスト最終日に行われた“ショップテスト”では,バトル中に獲得したコインのBP量が10倍になり,コストの上限も7から12に変更されたため,さまざまな組み合わせを試すことができた
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爆風の広がり方が通常とは異なる「メガデンジャラスボム」。きちんと距離を置くこともせずにぼんやり気を抜いていると,速攻で餌食になってしまうだろう
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“スペシャル”ではBP取得量がアップする「BPブースト」を販売していた。今後もこのようなサポート系のアイテムが追加されて行くのだろうか?


 また,同じくショップで購入できる「ボムウェポン」というアイテムは,装備することで「ボムワザ」を使えるようになる。ボムワザはパネルデッキと並び,BOJの目玉となるシステム。戦闘中の時間経過やブロック破壊によって溜まる“ボムワザゲージ”をMAXにすることで発動可能になる,まさに最後の切り札だ。
 テスト期間中に購入できたのは「ライトニングブレード」というボムウェポンのみ。これは,すべての敵の近くに落雷を落とし,直撃した者にダメージを与え,放電に当たった者は気絶させるという非常に強力な効果を持っていた。
 ただし,プレッシャーブロックによってバトルフィールドが狭くなった状態でライトニングブレードを発動すると,それだけで勝敗が決してしまうような場面もあった。このあたりは,まだ改善が必要な要素といえるかもしれない。
 とはいえ,いずれ追加されるであろうボムウェポンの種類によっては,対戦時の戦略も大きく変わっていくことになるだろう。今後の展開が楽しみな要素である。

ライトニングブレードはプレッシャーブロックに囲まれてからが使いどころ。逃げ場がなくなるため,仕留められる確率が大幅にアップする。しかし,発動中はまったく動けなくなるため,そのスキを狙われないように注意しよう
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 なお,これらのアイテムの購入には“BP”というポイントが必要となる。BPは対戦をこなすことで獲得できるほか,ステージ中にアイテムとして出現するコインを取ることによっても溜められる。また,購入したアイテムには時間制限が設定されており,一度購入すればずっと使い続けられるというわけではない。
 自慢のパネルデッキを維持したいのならば,対戦に集中する一方で,積極的にコインを獲得する必要もあるだろう。しかし,あまり欲をかきすぎて,気が付いたらボムに囲まれていた……などという事態になっては元も子もないので,注意しよう。

 ちなみに,筆者がオススメする組み合わせは,一定時間姿を消せる「光学迷彩」と,最初に置くボムだけ設置後に見えなくなる「地雷ボム」,名づけて“サイボーグ忍者デッキ”だ。対戦開始直後に姿を消し,油断している敵を地雷ボムで袋小路へ……我ながらいやらしい性格だとは思うが,機会があれば,ぜひお試しあれ。

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有料アイテム導入後のバランスが今後のカギか


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 前述のとおり,本作はクローズドβテスト開始直後に不具合が頻発し,テスト自体がいったん延期となった。そのときはさすがに本作の行く末に少々不安を覚えたものだが,結論を言ってしまうと,安定してプレイできるようになってからは,クローズドβテストにしては十分に楽しめるゲームに仕上がっている印象を受けた。
 遊べるステージ数も多く,なによりパネルデッキの組み合わせを模索するのが非常に面白く,飽きがこない。もちろん細かなバグもあったが,クローズドβテストであることを念頭に置けば,気にならない程度だった。

 BOJが今後どうなっていくのか,とくに気になるのはやはり課金アイテムだ。ショップのラインナップを見た感じでは,“アバター”と“ボムくじ”あたりが課金アイテムになるのではないかと予想できる。
 アバターは,キャラクターやウェイティングルームなど,ビジュアル面を飾るのみならず,キャラクターの能力も変えられるものになるという。また,ボムくじは,その名からガチャガチャ的な物だと考えられるが,現時点ではどんな物が商品として加えられるのかはまったく分からない。
 有料のボムワザやボムウェポンが登場することになる可能性もあるが,課金プレイヤーが圧倒的に有利になってしまうようなゲームバランスは避けていただきたいところ。このあたりをどのようにかじ取りしていくのかが,これからの課題になりそうだ。

 なんにせよ,昔からのボンバーマンファンにとっても,オンライン化を機にボンバーマンに触れてみようという人にとっても,気軽に遊べるゲームになっているのは確か。BOJの次の一手を楽しみにしたい。

“負荷テストイベント”では,優勝者の名前が付いたクローズドβテスト期間限定アイテムが販売された。どれもユニークなデザインだが,中でもとくに「古代+3」はコメントも含めて遊び心全開である
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