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“万人向け”のチューニングが施されたシリーズ最新作,「Rainbow Six Vegas 2 日本語マニュアル付英語版」のレビューを掲載
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印刷2008/07/05 12:00

レビュー

より遊びやすくなったVegasシリーズ最新作

Rainbow Six Vegas 2 日本語マニュアル付英語版

Text by bu-ton


画像集#001のサムネイル/“万人向け”のチューニングが施されたシリーズ最新作,「Rainbow Six Vegas 2 日本語マニュアル付英語版」のレビューを掲載
 イーフロンティアは,レインボーシックスシリーズ最新作「Rainbow Six Vegas 2 日本語マニュアル付英語版」(以下,Vegas2)を5月30日に発売した。今回はこのVegas2の紹介をしていくわけだが,まずは同シリーズの概要を説明したいと思う。

 そもそも「レインボーシックス」とは,1996年にアメリカの作家トム・クランシー氏が発表した小説だ。そして,それを元に制作された同名のゲームが世界的なヒット作となり,その後も数々のシリーズ作が生み出されることとなった。
 面白いのはこのゲームを制作したのが,トム・クランシー氏のゲーム好きが高じて友人と興した会社,Red Storm Entertainmentであったこと。小説や映画を原作としたゲームでは非常に珍しく,原作者である彼自身がゲーム開発を監修していたのだ。もっとも,トム・クランシー氏が好んでいたのはPCゲームではなく,シミュレーション要素の強いボードゲーム。その結果生まれたのは,ステージの平面図を見ながら作戦を立案し,それに従って行動するNPCと共にテロリストを掃討していくというFPSだった。この異色のシステムと,当時としては珍しかったリアル路線のゲームバランスが支持されて,リアル系FPSの先駆けとして世界的なヒット作となったのである。

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画質に関しては前作と同程度に美しい。ハイエンドというほどではないが,必要とされるPCのスペックは比較的高い
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主人公を作成できるだけあって,キャラクターメインキングのパーツが豊富。個性を前面に押し出したデザインにするのもいいだろう

 このような経緯から生まれたトム・クランシー関連シリーズ。最新作であるVegas2は,2006年に発売された「Tom Clancy's Rainbow Six Vegas」(以下,Vegas)の外伝的な作品だ。Vegasで描かれたラスベガスでのテロ事件を,特殊部隊「レインボー」の別小隊の視点から見たストーリー構成となっている。前作ではローガン・ケラーという明確な主人公がいたが,今作ではビショップというコードネーム以外に設定のない隊長が主役だ。プレイヤーはビショップの性別や容姿などを選び,己の分身として隊を率いていく。


前作ユーザー必見! 追加要素をまとめて紹介


 おおまかな紹介が終わったところで,前作Vegasからの変更点/追加要素をまとめておこう。前作をプレイした人であれば,まずは以下に目を通すといいだろう。


成長システムが進化
行動に合わせてポイントが得られるA.C.E.S.

画像集#004のサムネイル/“万人向け”のチューニングが施されたシリーズ最新作,「Rainbow Six Vegas 2 日本語マニュアル付英語版」のレビューを掲載
ポイントを獲得すると画面内に表示される。どんなときでもポイントを得られるように行動していくといいだろう
 前作から採用されているプレイヤーキャラクタの成長システムで「Persistent Elite Creation」(以下,P.E.C)というものがある。これは,ゲーム中に敵を倒すことなどでポイントが貯まり,それが一定値に達すると武器や防具のロックが解除されるというものだ。前作ではロックの解除はマルチプレイでのみ行われたが,Vegas2ではシングル/マルチの両方において初期状態ではロックがかかっており,それが順次解除されていく仕組みだ。本作ではシングル/マルチで共通のキャラクターを使うことになるので,その特徴を活かした仕様となっているのだ。

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メニューのA.C.E.S.の項目からポイントの得られる行動を確認できる。獲得武器も確認できるので,欲しいものに合わせた行動を心がけよう
 そして,本作では「Advanced Combat Enhanced & Specialization」(以下,A.C.E.S.)というシステムがさらに追加された。これは,プレイヤーが特定の行動を取ることでポイントが得られるシステムで,行動の内容はマークスマン,CQB,アサルトの3種類に分けられている。マークスマンは射撃技術へのポイントで,ヘッドショットや遠距離射撃を行うことで得られる。CQBは近距離戦の評価となっており,至近距離や背後から敵を倒すといったもの。アサルトは強襲技術を必要とされ,爆発物を使った敵の排除や,ロープワークを駆使した戦闘が評価されるのだ。同じ分類のなかでも,難度によってポイントが異なるため,より高ポイントが得られる行動を心がけるといい。


ジャンプインで気軽に協力プレイを楽しもう

 過去の同シリーズにおける協力プレイは,あくまでもマルチプレイモードのルールの一種に過ぎなかった。内容こそシングルプレイに準じていたが,自分でホストを立てて人数が集まってから開始するか,他人が立てたゲームに参加して,開始を待つしかなかった。つまり,待ち時間が必要とされたのだ。この不満を解消してくれたのが,Vegas2で採用されたジャンプインというシステム。ジャンプインの採用により,プレイヤーはゲームを立てたあと,参加者を待つ間も一人でゲームを進められるようになった。そして,ゲスト側がそこへ途中参加するという形になっている。これにより無用な待ち時間がなくなり,協力プレイを以前よりも気軽に楽しめるようになったのだ。ちなみに,参加者が途中で抜けたとしても,ホスト側のゲームはそのまま継続され,次の参加者が現われるまでは,またシングルプレイとして楽しめばいい。

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ストーリーモードをクリアしたあとなら,頼れる兄貴分を演出できるはず。まだ不慣れな初心者を,さりげなくフォローしていこう!


よりアクション性を重視
爽快なプレイ感が増大した

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前作と同様,時間とともにヘルスが回復していく。被弾して画面がにじんだら怪我をしているということなので,一時休憩を取るといいだろう
 前作Vegasをプレイしたことがあれば分かると思うが,同作の魅力は多彩なアクションにある。その代表格として,障害物を背にして隠れるテイクカバーというアクションが挙げられる。このテイクカバーの状態からは,障害物から半身だけ乗り出して攻撃をしたり,敵を見ずに障害物から腕だけを出して発砲するブラインドファイアが可能。これは,自分の身の安全を優先して,遮蔽物に隠れながら攻撃することが多いという,実戦における事実を見事に再現しものだ。
 また,ヘリやビルからのロープ降下を再現したラペリングというアクションも,特殊部隊らしさの演出に一役買っている。ビルの壁面からラペリングで垂直降下していき,ガラスを蹴破って突入する様は映画のワンシーンを見ているようで心躍るものだ。Vegas2ではこれらのアクションを踏襲しつつ,さらにカジュアルに楽しめる内容となっている。
 その一番の要因は,ダッシュができるようになったことだろう。単純に敵がいないシーンでの移動を早く済ませられるだけではない。敵の集中砲火の中をダッシュでくぐり抜ける。突入させたNPCの側面へダッシュで駆けつけ援護するなど,前作にはないスピーディな展開が楽しめるようになったのだ。
 また,銃の命中率が向上し,比較的遠距離からでも簡単にヘッドショットを決められる点。新しく導入されたA.C.E.S.によって,常に自分のプレイスタイルを意識することになり,ゲームプレイがマンネリ化しにくいという点。こういった要素によって,前作以上に爽快な気分で進められるゲームになっているのだ。

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テイクカバーをしていれば,敵に姿を見せずに周囲の確認ができる。撃ち合いでのダメージを軽減するだけでなく,索敵でも重宝するのだ
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ドアの前で下方を見ながらスペースボタンでスネークアイ。室内の敵を確認できる実用性に加えて,特殊部隊気分を満喫できるのが嬉しい


戦術面とミッション構成の完成度の高さは健在

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今作では,味方が使える閃光手榴弾などの数に限りがあるようになった。むやみに使いすぎると,人質救出のときなどに不足するので注意しよう
 レインボーシックスシリーズの大きな特徴といえば,特殊部隊らしさを肌で感じ取れるところだ。以前のシリーズは指揮官としての要素が強く,ミッションのマップを見ながら作戦立案できることがウリだった。しかし,最近のシリーズでは特殊部隊レインボーの小隊に焦点を当て,三人一体で行動するスリーマンセルでの戦闘がクローズアップされている。作戦どおり忠実に動く隊員との連携こそないが,状況に合わせて臨機応変に部下に指示を与え,テロリストを排除していくという楽しみがあるのだ。
 この指示を与えるための操作系統もスムースでよい。マウスで画面の一部を指し示し,スペースキーを押すだけで,特定の場所への突入やドアの前での待機,ラペリングの実行などを命令できる。さらにそこから,チームへの3種類の指示が出せ,ドアからの突入や閃光手榴弾の投げこみ,ラペリングを活用したガラスを蹴破っての突入など,さまざまなアクションをとらせられる。

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銃のカスタマイズ性の高さは健在。武器を自分好みにアレンジする楽しさは変わっていない
 ミッションの構成は総じて一本道であり,建物への侵入経路がラペリングであるか,階段を使うかなどを変えても,大きな差は生まれない。小隊単位で行動する本作では,スタート地点が一箇所であるため,過去のシリーズのように,対象建造物への侵入経路は多様ではないのだ。
 しかし,上手い具合にこちらの行く手を阻むテロリストの配置や,格好よくロープ降下で強襲してくる敵など,ゲームバランス/演出の両面において,純粋に「敵を倒しながら突き進む」ことが楽しめる。また,プレイヤーの分身であるビショップが,単身でハンドガン片手に戦ったり,単独で潜入を試みるシーンがあるなど,難度が高くやりごたえのあるミッションもある。一本道だが,ミッション個々の魅力はかなり高く,結果として,マンネリを感じることはほとんどなかった。


新対戦モードが追加されたほか
戦術の幅が広がったマルチプレイ

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チームリーダー戦では,味方リーダーの位置が常に画面内に表示される。自分がリーダーの場合には,敵リーダーの位置が表示されることに注意
 マルチプレイは,大別して協力プレイと対戦プレイの2種類がある。協力プレイでは,ストーリーモードとテロリストハントの協力プレイが可能。ストーリーモードは最大2人のプレイヤーと,NPC2人という構成で進めていく。テロリストハントとは,対テロリストの模擬戦のようなもので,仮想マップで一定数のテロリストを倒すという内容。こちらは最大4人のプレイヤーで楽しめる。対戦プレイではいくつかのモードが用意されており,一般的なデスマッチやチームデスマッチ,爆弾解除や人質の救出をおこなうアタック&ディフェンド,拠点を制圧していくトータルコンクエストなどは,前作Vegasと同様だ。
 Vegas2から追加されたのがチームリーダーというモードで,こちらは一風変わったルール。敵対するチームにそれぞれリーダーが一人ずつおり,このリーダー以外は何度でもリスポーンできる。しかし,味方リーダーが倒されてしまうと,全員がリスポーンできなくなってしまうのだ。また,敵リーダーに倒された場合も自分はリスポーンできなくなってしまう。このような条件下で,所定のゴール地点まで味方リーダーが到達するか,敵を殲滅すれば勝利というルールだ。ゴール地点を目指すか敵を殲滅するか,自分がリーダーかリーダーではないか,そういった状況によって求められる役割が大きく異なる。それぞれの状況に合わせて戦術を考え,味方と連携しつつ役割をこなしていくのが,このゲームモードの醍醐味だ。

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普通に歩いているときは照準が表示されない。この状態での撃ち合いも必要とされるので,FPS上級者でも慣れるには時間がかかるだろう
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敵を見失ったとしても,一定時間はその動向がマップに反映される。Vegas2では全体マップをすばやく開けるので多用していきたい

 続いては対戦プレイのプレイ感についてだ。基本的にリアルさを重視したシリーズなので,足は遅く,ゲームのテンポは比較的ゆっくりめ。ジャンプができないというのが特徴で,代わりに障害物を乗り越えるなどのアクションが用意されている。何をするにも大きな隙が生まれるため,それをいかに敵に見せずに行動するか,敵の行動を把握して先読みできるかが重視されるのだ。また,普通に歩いているときは照準が表示されないため,精密射撃が難しく,銃を構えるかしゃがむ,あるいは立ち止まるなどの動作が要求される。近距離戦では移動しながらの射撃をすることもあるが,中距離以降であればテイクカバーで安全を確保しつつ,敵を狙い撃つことが多くなるだろう。と,ここまではVegasと同様のバランスとなっている。

 今作ではダッシュが追加されたため,それによって大きく変わった部分がある。ダッシュ中は一定時間で息切れしてしまうのだが,それでもマップ内を駆け巡るには十分だ。おかげで敵との遭遇率があがり,かなりテンポが良くなっている。また,投擲武器を投げ込まれてもダッシュで避難。敵の集中砲火の中をダッシュで潜り抜ける。テイクカバーで待ち伏せされてもダッシュで正面突破を計り,テイクカバー解除中の無防備な敵を仕留める。このように今までにない行動が取れるようになった。前作ではテイクカバーによる待ち伏せ一辺倒というイメージが強かったが,ダッシュができることで,特攻という選択肢が現実的になったのは大きい。そのほかにも,全体マップが表示されるまでの切り替え速度が早くなり,マップによる戦況把握が容易になったことなど,細かな変更点によって戦闘の幅が広がった点を高く評価したい。

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銃の命中精度が向上しているので,ヘッドショットは容易に狙える。すぐ殺せる代わりに自分も死にやすいという緊迫感は今も健在だ
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閃光手榴弾を受けてしまってもマップで自分と敵の位置を確認できる。すばやくマップを開いて待避するといいだろう

 マップデザインは,同シリーズのウリである近接戦闘を意識した小規模の物が多い。屋内や多層構造が多いほか,狭い通路やいくつもの侵入ルートがあったりする。有利な場所取りや敵の行動を見越した移動が重要だ。こういった特徴は過去シリーズを踏襲したものだが,Vegas2独特の点としては,弾丸を貫通する板や木箱などの障害物が多いことだろう。敵の視界からは隠れられるが,見つかると集中砲火を浴びて死亡につながる。こういったオブジェクトが多数配置されており,常に気が抜けない状況になっている。
 また,マップ各所にはタイヤや水溜りなど,その上を通ると音をたてるオブジェクトが配置されている。これにより,足音や銃声に加えてさまざまな環境音によって,敵の位置を把握することが重要になる。位置取りの駆け引きを重視したレインボーシックスシリーズにとって,実に効果的な仕掛けといえよう。

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同シリーズのファンならお馴染みのキルハウス。実際の特殊部隊が訓練で使う演習小屋を指す言葉から名前が取られている
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人が通ったあとにしばらく揺れるスダレなど,視覚的に敵の位置を確認できるオブジェクトも用意されている


マルチプレイ関連の注意点

 原稿執筆の段階では,海外輸入版である英語版をプレイしたのだが,日本語OS環境にインストールしてもマルチプレイが楽しめなかった。マルチプレイを楽しむにはUbisoftのサーバーに接続する必要があるのだが,この接続の段階で弾かれてしまうのだ。現段階でのUbisoft公式発表(イーフロンティアのサポートページでも解説されている)では,OSの表示言語を英語に切り替えることで,この問題に対処して欲しいとされている。しかし,英語表示に切り替えてしまうと,すべてのアプリケーションで日本語表示が文字化けしてしまう。また,切り替えにはPCの再起動が必要となるので非常に面倒だ。

 このマルチプレイにおける不具合に関しては,いずれ問題を解決するパッチが提供されるとのこと。また,日本のプレイヤー間では別の対処法が考案され,比較的安定した結果が出されているようだ(筆者が日本語Windows XP環境で試した限りでは,とくに問題は発生せず,快適なマルチプレイが楽しめるようになった)。興味のある人はWebで検索するなどして,自己責任において試してみるのもいいだろう。


前作ファン納得の磨きあげられた完成度

これから始めるならVegas2がオススメ!


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 前作であるVegasは,それまでのレインボーシックスをシンプルにした作品だった。以前のシリーズのウリであった詳細な作戦立案こそできないが,戦術レベルが特殊部隊全体から小隊にクローズアップされており,簡単な操作で細やかな指示を出せるという手軽さが魅力だった。それに加えて多彩なアクションによって,特殊部隊らしさが緻密に表現されており,雰囲気を味わえるという点もヒットした大きな理由だろう。しかし,カジュアル路線になったといっても,元来がリアル系まっしぐらなシリーズだ。リアル系FPSのなかでもやや動きの遅い部類に入り,アクション重視なのかリアルさ重視なのか,はっきりしないという印象が拭えなかった。

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 この印象が払拭され,なおかつ万人が楽しめる工夫が施されたのがVegas2だ。ダッシュが導入されたことによって今まで以上にテンポが良くなり,それでいて通常時の移動が速すぎるわけではなく,リアル系独特の重厚感は損なわれていない。新システムであるA.C.E.S.やジャンプインは,プレイ中の中だるみや待ち時間を減らし,より快適なプレイ環境を提供している。そのほかにも,Vegasで感じていた不満点が改善されており,いい意味でコンシューマライクになっていると感じた。例えば,ストーリーモードにおいてミッションに失敗した際,Vegasではチェックポイント通過時の装備に戻ってしまったのだが,Vegas2では失敗直前の装備が継続される。こういったかゆいところに手が届く修正は,開発がコンシューマ主体となったことの利点といえるだろう。

 当初,Vegas2はXbox 360のアドオンとして発表された。しかし,開発側の意向により修正や追加がシステム面にまでおよんだため,単体のパッケージ製品として再度発表されることとなったのだ。このような経緯からすると,前作の刷り増しという印象を持たれかねないが,ここまでのレビューを読んだ人ならアドオンを超える内容であることは伝わっているはず。より万人向けの作品として完成度が高まっている本作なので,古参のレインボーシックスファンのみならず,最近流行りのオンラインFPSから本格派のリアル系に興味を持った人にもオススメしたい。

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