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構造は?パフォーマンスは?「GeForce 9800 GX2」さらなる続報
同関係者は,「この構造がGeForce 9800 GX2のパフォーマンスの足を引っ張っている」と指摘する。基板を2枚重ねにし,向かい合わせとなったGPUのヒートシンクの間に空気を通すという構造は,カードサイズをコンパクトにすることには役立つ。しかし,“トンネル内”に熱がこもりやすく,ファン回転数をかなり引き上げるなどといった対策なしに動作クロックを引き上げるのが難しい。「デザイン的には,AMDの『ATI Radeon HD 3870 X2』に分がある」(同関係者)。
気になるのは,CeBIT 2008で筆者の接触した複数の関係者が「現時点で,GeForce 9800 GX2のパフォーマンスはATI Radeon HD 3870 X2より劣る」と述べていることだ。彼らはこの状況がドライバチューニングによって打破できると理解しているようだが,同時に,2GPU構成を採るGeForce 9800 GX2がATI Radeon HD 3870 X2に圧倒的な差をつけられないのは(NVIDIAやカードベンダーにとって)大きな誤算という見解でも一致している。なお,市場投入時期は2008年3月末で,少量ながら店頭に並ぶはずとのことだった。
ところでCeBIT 2008では,NVIDIAの製品ロードマップについてもわずかながらアップデートがあった。Hybrid Power/GeForce Boostに対応するGeForce 9シリーズの新作として,同社は開発コードネーム「G94」こと「GeForce 9500」シリーズを2008年5月に市場投入する予定のようだ。型番から想像がつくとおり,GeForce 9500はGeForce 9600の下に位置づけられるローエンド市場向けモデルで,あまり4Gamer読者向けではないかもしれない。ストリーミングプロセッサは32基搭載し,DisplayPortをネイティブでサポートする。
また第3四半期には,開発コードネーム「G98」とされる「GeForce 9400」シリーズが控える。こちらはストリーミングプロセッサ数が16基とさらに少なくなる。GeForce 9400の登場をもって,GeForce 9500もG98コアへ切り替えられ,価格改定が行われる予定だ。
気になるハイエンド製品については,G92コアを採用した高クロック品の投入こそ計画されているものの,新コアの話は聞こえてこない。あるカードベンダー関係者は「正直,AMDがここまでやってくるとは思わなかった。NVIDIAの現在のロードマップを見る限り,ローエンドやミドルレンジだけでなく,ハイエンドでも真剣に対策を考える必要がありそうだ」と焦りの色を隠さなかった。
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GeForce 9800
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GeForce 9500/9400
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Copyright(C)2008 NVIDIA Corporation
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