連載
連載「PCゲームを持ち出そう!」。第28回はアクションアドベンチャー「The Golden Compass」のPSP版を紹介
なお,PSP版のThe Golden Compassは日本国内では正規に販売されていないため,入手するには,海外ゲームを取り扱う販売店で並行輸入品を購入する必要がある。
編集部で試した限りでは,本作は国内版のPSPでも動作したが,4Gamer編集部およびソニー・コンピュータエンタテインメントでは国内版PSPでの動作を保証しかねるので,その点はあらかじめご了承を。また本作は海外版のソフトであり,ゲーム画面や各種メッセージ,マニュアルなどはすべて英語なので,その点にも注意してほしい。
映画「ライラの冒険 黄金の羅針盤」のゲーム版
ちなみに,私は小説を読んだわけではないのだが,映画の公開を楽しみにしている一人だ。というのも,映画に出演しているニコール・キッドマンのファンだからである。
……と,余談はさておき,以前からゲーム版にも注目していたので,ぜひこの連載で紹介したいと思った次第だ。
それではまず,ライラの冒険という物語について,ざっと紹介しよう。
作品の舞台となっているのは,私達の住む世界のパラレルワールド。世界の様相は私達にとって馴染み深いものだが,大きく異なる点もある。それは,すべての人々が,「ダイモン」という守護精霊を伴って生きていることだ。
ダイモンは動物の精霊であり,主である人間と深い絆で結ばれている。幼い子供が持っているダイモンは,その子供の心情によってさまざまな姿に変貌するが,主が成長を重ねるにつれ,一つの姿に落ち着いていくという。
物語の主人公は,12歳の少女ライラ。彼女の周囲で子供達が何者かに連れ去られる事件が発生する。ライラは,“アレシオメーター”(真理計)の導きに従い,仲間達を救うべく,ジプシャン(船上生活者)の船に乗って極北の地へと向かうことになる。
ゲームでは,ライラとなり,さまざまな能力を備えるダイモン「パンタライモン」の助けを借りつつ,数々の冒険に挑む。すでに日本で販売されている小説を読んだ人なら,すんなりとゲームの世界に入っていけるだろうし,上で述べたように私はこれから読む派だが,英語の字幕や,ところどころに挿入される映画のシーンを参考にすることで,大まかな話の流れはつかめた。まあ,大まかにではあるが。
操作はシンプルで,基本的に,アナログスティックにはキャラクターの移動,方向キーにはパンタライモンの形態の選択(形態によって異なる能力を発揮する),そして△○×□ボタンにはジャンプや,ダイモンの能力発揮といったアクションが割り当てられている。
プレイヤー自身はカメラを操作できず,ライラの位置によって強制的にアングルが変わっていく方式だ。
ストーリーは一本道で,マップの構造もシンプル。しかも,向かうべきポイントがマークで示される場合もあるので,英語とはいえ,次に何をすればいいか悩むことはないはず。
NPCに話しかけたり,マップ内のオブジェクトを動かしたりといったアクションが行える場所では,スペシャルキーのマークが表示される(状況によってさまざまなアクションが用意されている)。行き詰まることもあるかもしれないが,とにかくマップ内をくまなく歩き回り,スペシャルキーが使える場所を探せば活路を見出せるはずだ。がんばろう。
本作には,さまざまなアクションを駆使して目的の場所を目指したり,登場する敵を倒したりといった,トゥームレイダーなどに見られるようなアクション要素が盛り込まれているほか,非常にシンプルなミニゲームが多数用意されている。
例えば,アナログスティックでカーソルを動かし,画面上のドットを外に押し出すとか,落ちてくるドットを受け止めるとかいったものである。
そのようなミニゲームが一部のNPCとの会話に組み込まれており,それらをクリアしないとストーリーが先に進まないわけだ。
そのほか,ライラが冒険の途中で出会うことになる,よろいグマ族のかつての王「イオレク」というキャラクターを操作する場面では,ライラを背中に乗せて走り回り,襲いかかるオオカミなどを豪快に倒していくアクションを楽しめる。
そして,もう一つ重要な要素となっているのが,上で軽く述べたアレシオメーター(真理計)。これは,ライラの問いかけに対し,さまざまな示唆を与えてくれるデバイスだ。その盤面には36個のマークが書かれており,それぞれに三つの意味が込められているという。各マークの意味を解き明かしていくことも,ゲームの大事な目的の一つなのである。
The Golden Compassの見どころはココ!
先ほども述べたように,映画をベースにした一つのストーリーが用意されているうえ,どこに行くべきか,何をすべきかを示す仕組みが採用されており,アクション部分でつまずかなければそれほど苦労せずに先に進んでいける。
これはおそらく,「物語そのものを味わってほしい」と開発者が意図してのことだと思う。
このように書くと,映画の公開に合わせて作った,プロモーション要素の濃いゲームと思う人もいるかもしれない。もちろん,そうした側面もあるだろうが,アクションアドベンチャーやパズル,ミニゲームなど,プレイヤーを飽きさせない工夫が随所に盛り込まれている。私自身,実際,この先どうなるかが知りたくて,ついつい一生懸命プレイしてしまった。
ただし,音声のロードが頻繁に発生するためか,セリフが途切れがちになったり,聞こえ始めるまでに待ち時間が生じたりするなど,やや興がそがれる点もあったことは指摘しておきたい。
The Golden Compass
対応機種:PlayStation Portable
メーカー:SEGA of Amrica
発売日:2007年12月4日
価格:29.99ドル
公式サイト:http://goldencompassgame.com/en/
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The Golden Compass
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