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印刷2008/06/11 18:19

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[COMPUTEX 2008#27]ASUS,HDMI出力対応のハイエンドサウンドカードを公開。ゲーム用の次世代サラウンドサウンド環境「DS3D GX 3.0」も予告

ASUSのブースでは,HDMI 1.3/1.3aの表記が混在していたが,両バージョンにそれほど大きな違いはないため,本稿では表記をHDMI 1.3で統一する
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 ASUSTeK Computer(以下,ASUS)は,COMPUTEX TAIPEI 2008の同社ブースに,サウンドデバイス製品シリーズ「Xonar」の新製品をズラリと並べた。HDMI 1.3準拠のハイエンドモデルや,HDMI 1.3に対応し,HDMI出力に特化したカードなど,最新のサウンド環境をサポートする,力強いラインナップだ。また,同社の推進するゲーム用サラウンドサウンド技術「DS3D GX」の最新動向も判明したので,ここでまとめておきたい。


HDMI 1.3準拠でDolby TrueHD&DTS-HD完全対応

「単体プレイヤーを超える」ハイエンドモデル


 Xonarシリーズの新たなフラグシップモデルとして,2008年7〜8月ごろに投入予定とされるのが,「Xonar HDAV 1.3 Deluxe」だ。

Xonar HDAV 1.3 Deluxe。一見「Xonar D2X」のようだが,よく見ると写真右側にピンが出ている
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接続インタフェースはHDMI×2(出力&グラフィックスカードからの入力用),同軸デジタル出力,アナログ2ch出力,マイク入力。なお,本文では触れていないが,Dolby Digital Plusもサポートされる
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 同製品は,2008年6月時点におけるHDMIの最新規格であるHDMI 1.3(※厳密にいえば,マイナーチェンジ版のHDMI 1.3aが最新だが,世代的には最新といって差し支えない),そしてもちろん著作権保護技術「AACS」(Advanced Access Content System)完全対応。Blu-ray DiscとHDMI 1.3の組み合わせででサポートされる,24bit/96kHz(7.1ch)もしくは24bit/192kHz(5.1ch)のサウンドロスレス圧縮技術「Dolby TrueHD」および「DTS-HD Master Audio」を,完璧にサポートする。ASUSでXonar製品のプロダクトマネージャーを務めるSean Lai氏は「世界で初めて,Blu-ray Discでサポートされるサウンド技術のすべてを利用可能なサウンドカード」と位置づけるが,予定どおり登場すれば,確かにそうなりそうである。

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アナログ7.1ch出力を実現するドーターカード
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ドーターカードに見えるアナログ出力段
 このほかXonar HDAV 1.3 Deluxeでは,ドーターカードを利用することで,RCA端子によるアナログ7.1chサラウンド出力も利用可能。さらには搭載する「Splendid HD」ビデオプロセッサ(関連記事)により,コントラストやシャープネスの拡張も可能になっており,「品質は,オンキヨーやパイオニアといったAVメーカー製の,単体プレーヤー以上だ。ASUSは,PCを,サウンドソース再生環境のトップに君臨させる」(Lai氏)と,鼻息も荒い。

 なお,アナログ出力に当たって搭載するD/Aコンバータは,Texas Instruments(Burr-Brown)製の2ch品「PCM1796」×4。これらはNational Semiconductor製のOPAMP「LM4562」と組み合わされる。「一般にサウンドカードの場合,D/Aコンバータのスペックを記載することが多いが,Xonarではカードレベルのそれを示している」(Lai氏)というS/N比は120dBだ。
 なお,搭載するサウンドチップは,既存のXonarシリーズ上位モデルと同じ「AV200」。内部インタフェースはPCI Express x1となる。価格は,カード単体が220米ドル。アナログ7.1ch出力を可能にするドーターカード付属モデルが250米ドル程度になる見込みとなっている。

 また,Xonar HDAV 1.3 Deluxeの派生品として,ASUSは,2008年第3四半期中に,HDMI出力に特化した下位モデル「Xonar HDMI」,第3四半期末から第4四半期にかけて,「アナログ2ch出力性能だけならXonar HDAV 1.3 Deluxeより上」(Lai氏)という「Xonar Stereo X」も投入予定だ。Xonar HDAV 1.3 Deluxe以外の新製品については,下にまとめたので参考にしてほしい。

●Xonar HDMI
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 HDMI出力(※グラフィックスカードからの入力にも対応)に特化しており,Xonar HDAV 1.3 Deluxeの下位モデルになる。搭載するサウンドチップは同じくAV200で,グラフィックスカードなどからのHDMI入力を受け付けられる点も同じだが,アナログ入出力はばっさりと省略される。接続インタフェースはPCI。価格は100米ドル前後になる見通しだ。

●Xonar Stereo X
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 徹底してアナログ入出力に特化したカード。サウンドチップはAV200の下位モデルとなるAV100を搭載する一方,搭載するD/Aコンバータ,OPAMPはXonar HDAV 1.3 Deluxeと同じ。さらにD/Aコンバータは1chごとに1基ずつの実装になる。入出力はいずれもRCA×2で,6.5mm標準プラグ端子によるマイク入力も可能。ミニピンのインタフェースはSPDIF出力だ。
 4ピンの給電コネクタは,搭載する定格1W出力のヘッドフォンアンプ用。ヘッドフォンは16Ωの低インピーダンスまでサポートされるという。
 内部接続インタフェースはPCI Express x1。価格は価格は120〜150米ドル程度になる見込みである。

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●Xonar D1
 PCI Express x1接続となるゲーマー向けエントリーサウンドカード「Xonar DX」のPCIモデル。2008年6月中に100米ドル前後で発売になる予定だ。

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ASUS独自のサラウンド技術「DS3D GX」

バージョン3.0ではオンラインゲーム向け新機能を実装へ


 ASUSは,Xonarシリーズで(本稿の冒頭でその名を上げた)DS3D GXを導入した。これは,「DirectSound3D Game eXtensions」の略とされるASUS独自の規格で,一言でまとめるなら,「EAX ADVANCED HD 5.0の一部を,ソフトウェアエミュレートしたもの」である。現行バージョンDS3D GX 2.0では,仕様の公開されているEAX 2.0をベースとしながら,EAX ADVANCED HD 5.0でサポートされる128音の同時再生と,一部のエフェクト処理が,CPU処理で可能になっている。
 本稿はDS3D GXの解説記事ではないので詳しくは触れないが,仕様変更によって,ゲームなどのアプリケーションからDirectSound 3DやEAXのハードウェアアクセラレーションを利用できなくなったWindows Vistaにおいても,DS3D GX 2.0であれば,(機能的には限定されるが)とくに追加のソフトウェアなしで,サラウンドサウンドを利用できるというわけである。Creative Technology製サウンドカードのように,外部のAPI(=OpenAL)を必要としないため,過去のゲームとの互換性が高いというのが,ASUSの主張だ。

DS3D GX 2.0をサポートするゲーマー向けエントリーモデル,Xonar DX。Lai氏は,現在のDS3D GX 2.0対応カードでDS3D GX 3.0もサポートできる可能性を示唆する
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 さて,そんなDS3D GXだが,Lai氏は,第3世代のに向けてドライバソフトウェアをアップデート中と述べる。「DS3D GX 3.0」では,「現行世代のオンラインゲームなどでよく用いられるサラウンドサウンド技術に対応する予定」(同氏)だそうだ。詳細は明らかにされなかったが,「Dolby Laboratoriesや,ゲームベンダーと協力しながら進めている」とのことなので,最近,マルチプラットフォームタイトルで採用例が増えてきた,Dolbyの技術を本格的にサポートするものになる可能性が高い。

 国内ではあまり話題になっていないXonarシリーズだが,ASUSの動きはかなりアグレッシブだ。PCゲームのサウンドや,PCサウンドのテクノロジーに興味のある読者は,今後も同社の動向を注視しておくべきだろう。
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