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[COMPUTEX 2008#27]ASUS,HDMI出力対応のハイエンドサウンドカードを公開。ゲーム用の次世代サラウンドサウンド環境「DS3D GX 3.0」も予告
HDMI 1.3準拠でDolby TrueHD&DTS-HD完全対応
「単体プレイヤーを超える」ハイエンドモデル
Xonarシリーズの新たなフラグシップモデルとして,2008年7〜8月ごろに投入予定とされるのが,「Xonar HDAV 1.3 Deluxe」だ。
アナログ7.1ch出力を実現するドーターカード |
ドーターカードに見えるアナログ出力段 |
なお,アナログ出力に当たって搭載するD/Aコンバータは,Texas Instruments(Burr-Brown)製の2ch品「PCM1796」×4。これらはNational Semiconductor製のOPAMP「LM4562」と組み合わされる。「一般にサウンドカードの場合,D/Aコンバータのスペックを記載することが多いが,Xonarではカードレベルのそれを示している」(Lai氏)というS/N比は120dBだ。
なお,搭載するサウンドチップは,既存のXonarシリーズ上位モデルと同じ「AV200」。内部インタフェースはPCI Express x1となる。価格は,カード単体が220米ドル。アナログ7.1ch出力を可能にするドーターカード付属モデルが250米ドル程度になる見込みとなっている。
また,Xonar HDAV 1.3 Deluxeの派生品として,ASUSは,2008年第3四半期中に,HDMI出力に特化した下位モデル「Xonar HDMI」,第3四半期末から第4四半期にかけて,「アナログ2ch出力性能だけならXonar HDAV 1.3 Deluxeより上」(Lai氏)という「Xonar Stereo X」も投入予定だ。Xonar HDAV 1.3 Deluxe以外の新製品については,下にまとめたので参考にしてほしい。
●Xonar HDMI
●Xonar Stereo X
4ピンの給電コネクタは,搭載する定格1W出力のヘッドフォンアンプ用。ヘッドフォンは16Ωの低インピーダンスまでサポートされるという。
内部接続インタフェースはPCI Express x1。価格は価格は120〜150米ドル程度になる見込みである。
●Xonar D1
PCI Express x1接続となるゲーマー向けエントリーサウンドカード「Xonar DX」のPCIモデル。2008年6月中に100米ドル前後で発売になる予定だ。
ASUS独自のサラウンド技術「DS3D GX」
バージョン3.0ではオンラインゲーム向け新機能を実装へ
ASUSは,Xonarシリーズで(本稿の冒頭でその名を上げた)DS3D GXを導入した。これは,「DirectSound3D Game eXtensions」の略とされるASUS独自の規格で,一言でまとめるなら,「EAX ADVANCED HD 5.0の一部を,ソフトウェアエミュレートしたもの」である。現行バージョンDS3D GX 2.0では,仕様の公開されているEAX 2.0をベースとしながら,EAX ADVANCED HD 5.0でサポートされる128音の同時再生と,一部のエフェクト処理が,CPU処理で可能になっている。
本稿はDS3D GXの解説記事ではないので詳しくは触れないが,仕様変更によって,ゲームなどのアプリケーションからDirectSound 3DやEAXのハードウェアアクセラレーションを利用できなくなったWindows Vistaにおいても,DS3D GX 2.0であれば,(機能的には限定されるが)とくに追加のソフトウェアなしで,サラウンドサウンドを利用できるというわけである。Creative Technology製サウンドカードのように,外部のAPI(=OpenAL)を必要としないため,過去のゲームとの互換性が高いというのが,ASUSの主張だ。
国内ではあまり話題になっていないXonarシリーズだが,ASUSの動きはかなりアグレッシブだ。PCゲームのサウンドや,PCサウンドのテクノロジーに興味のある読者は,今後も同社の動向を注視しておくべきだろう。
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Xonar
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