連載「PCゲームを持ち出そう！」。第36回はNDS用動物園経営シム「ズータイクーン2」を紹介

　PCゲームと関連のあるNintendo DS/ PlayStation Portable用タイトルを紹介していく連載「PCゲームを持ち出そう！」。36回めとなる今回紹介するのは，本日（3月19日）THQジャパンから発売された，ニンテンドーDS（以下，NDS）用動物園経営シム「ズータイクーン2」だ。

　本作は，全世界で計450万本以上のセールスを記録した，PC版マイクロソフト ズー タイクーンシリーズをNDS向けにアレンジした作品。同シリーズは，動物園の園長となって飼育/展示する動物や園内のレイアウトを決めたり，レストランや「動物赤ちゃん写真館」といった，来園者向けのさまざまな施設/アトラクションを用意したりして，動物園を発展させていくというものだ。
　なお4Gamerでは，PC版「マイクロソフト ズー タイクーン 2」のレビュー記事を掲載しているので，そちらも参考にしてほしい。

人気のズー タイクーンシリーズをNDS向けにアレンジ
動物達と触れ合いつつ，理想の動物園をつくり上げよう

　NDS版ズータイクーン2は，海外で2006年に発売された「Zoo Tycoon DS」（国内では未発売）の続編。タイトルには「2」と付いているが，PC版ズー タイクーン 2自体を直接アレンジした作品ではない。私が遊んでみた限り，3D表示といったPC版「2」の特徴を一部取り込みつつ，Zoo Tycoon DSを機能強化したものという印象だ。

　まず，用意されているゲームモードや，ゲームの流れをざっと紹介しよう。
　メインとなるのがキャンペーンモード。このモードでは与えられた条件の下，さまざまな課題をクリアしていく。キャンペーンごとに使える資金が設定されているうえ，時間制限もあるので，無駄使いや悠長なプレイは禁物。トライ＆エラーを繰り返し，より効率の良い進め方を模索するといいだろう。

　また資金をある程度自由に設定し，時間を気にせずプレイできるフリーモードも用意されている。操作やゲームの流れをつかんだら，このモードで理想の動物園づくりに挑んでみよう。


　ゲームは，「建設モード」「飼育員モード」「園長モード」の三つを切り替えながら進めていく。建設モードは動物園のレイアウトを変えたり，動物が住む環境を整えたりするもので，もっとも頻繁に利用するモードだ。
　それぞれの動物には，住むのに適した環境がある。例えば，シマウマにとってはサバンナ，チンパンジーにとっては熱帯雨林が適しているといった具合。各動物が好む環境がなんだったかを覚えていなくても，動物情報画面で確認できるので，このところ記憶力がアヤしくなってきた私も安心だ。

　NDS版ズータイクーン2には，PC版ズー タイクーン 2最大の特徴の一つである，3Dで表現された動物園内を散策する機能は用意されていない。とはいえ，それぞれの動物をタップすることで，その動物が3Dでクローズアップされる。
　これが飼育員モードで，動物にエサをやったり，動物の体や展示場内を洗ったりといった，タッチペンを使うミニゲームが数種類用意されている。動物達は，その結果に応じてさまざまな反応を示すので，2D表示のみの前作Zoo Tycoon DSと比べ，より強い愛着を持って世話できるというものである。

　そして園長モードでは，動物園経営にまつわるさまざまな決定を下す。例えば入園料や，宣伝にかける費用，園内のレストランのメニューなどを設定できる。また各種の「研究」を行うことで，より人気の高い動物や希少性の高い動物を飼育/展示できるようになる仕組みだ。


　これらのモードを使い分けながら動物園づくりを進めていくわけだが，もちろん，単に動物を集めて展示場に入れればよいというものではない。
　重要なのは，動物達にとって住み心地の良い環境を用意することだ。動物達が快適に過ごしていれば，それを見た来園者の幸福度が高くなり，より多くのお金を寄付してくれる。そのことで，より人気の高い動物や珍しい動物が手に入れられるようになるし，来園者向けの施設も充実させられるわけだ。
　また，飼育してきた動物を野生に返すことで園の評判を上げられるほか，「保護動物資料館」を建設できるようになる。動物保護に対する園の姿勢を，来園者にアピールできるのである。

　……とまあ，流れそのものはPC版ズータイクーンシリーズと同様で，PC版を遊んだことのある人はすぐに進め方をつかめるだろう。
　また上で述べたように，NDS版ではプレイ中のモードがきっちりと三つに分けられており，各モードのインタフェースがシンプルにまとめられている。チュートリアルの役割を果たしている序盤のキャンペーンをプレイすれば，同シリーズは初めてという人も，スムースに操作方法を習得できるはずだ。

ズータイクーン2の見どころはココ！

　NDS版ズータイクーン2の魅力は，来園者のニーズや収支バランスを考えつつ，さまざまな動物や施設を用意し，少しずつ園の規模を大きくしていくというゲームの醍醐味を，いつでも好きな場所で味わえることにある。
　そしてなんといっても，本作は完全に日本語化されているため，英文を読んでいるとまぶたが重くなってくるという，私のような人でも安心して楽しめる。

　ちなみにNDS版ズータイクーン2には，「空想動物」としてユニコーンやトリケラトプスといった，現実には見られない動物が計5種類登場する。本作では，動物園を発展させ，一定の条件をクリアすることでさまざまな賞を獲得できる。いずれも，その特典として入手可能となる動物だ。すべての動物のアンロックを目指してがんばろう。
　またNDS版では，研究を重ねることでイルカを飼育/展示し，イルカショーを開催できるようになる。その段階に到達するまでは苦労するが，イルカ達ががんばる姿を初めて見たとき，思わずニンマリしてしまったのは言うまでもない。箱庭系のゲームが好きなら，きっとハマってしまうことだろう。


　本作には，NDSのワイヤレス通信機能を用いた機能として，ほかのプレイヤーと動物園のデータを交換できる「データ交換」や，同じ条件でゲームを始め，指定した時間内でどちらがより優れた動物園に発展させられたかを競い合う，「対戦バトル」が用意されている。

　今回，本作のプロモーションムービーを入手したので紹介しよう。さまざまな動物達の姿に心惹かれた人は，購入を検討してみてはいかがだろうか。

ズータイクーン2

対応機種：ニンテンドーDS
メーカー：THQジャパン
発売日：2008年3月19日
価格：5040円（税込）
公式サイト：http://gamesites.thqgame.jp/products/ZooTycoon2/