［TGS 2008＃056］今回も驚きの新情報満載，スクウェア・エニックスのクローズドメガシアター

　スクウェア・エニックスブースでは、オープン＆クローズドのダブルメガシアターを設置。ここでは，ビジネスデイだというのに長蛇の列をなしていた，完全入れ替え制クローズドメガシアターの上映作品を紹介しよう。恒例の，最新映像の数々が公開された。

キングダムハーツ モバイル

　オープニングを飾ったのは，「キングダムハーツ」シリーズ。まずは今秋からスタートするモバイルポータルサイト「キングダムハーツモバイル」から。ミニゲーム「グミシップスタジオ」（パズル），「大富豪」，「バルーングライダー」（プーさんが風船につかまってハチミツを集めるゲーム），「スパイダーソリティア」などの画面が見られたほか，フレンド登録した友達同士でイベントに参加する「イベントホール」の紹介も。もちろん待受画像や着メロの配信も予定されており，映像ではリクやロクサス，XIII機関らの待受サンプル画像も公開されていた。サイトオープンは2008年秋となっており，正式なサービス開始日はまだ明かされていなかった。
　そんな「キングダムハーツモバイル」のメインコンテンツとなるのが，「キングダムハーツ Coded」。ジミニーメモに残された謎のメッセージを解き明かすため，ソラがデータ化された世界を旅する物語だ。今回新たに明かされたのは，XIII機関に似た黒いコートの人物の存在。ソラの前に現われた黒コートの人物は，「この世界は傷ついている。傷を癒せば道は開ける」と謎めいた言葉を投げかける。さらに，この人物が，王様，ドナルド，グーフィーの前に現われるシーンも見られた（実際に現われたのではなく，この人物のデータが眼前に展開されたようなイメージ）。彼こそが，物語の鍵を握る存在だといえるだろう。

キングダムハーツ 358/2Days

　続いては，ニンテンドーDS版「キングダムハーツ 358/2Days」。ロクサスを主役に据え，彼がXIII機関メンバーとして過ごした日々が描かれる外伝的作品だ。ここでの目玉は，14番目の機関メンバー，シオン。これまでフードをかぶった姿しか公開されていなかったが，ようやくその素顔――青い瞳と黒髪，長いまつげの美少女――が明らかに。新入りの彼女は，ロクサス，アクセルとも親しいらしい。トワイライトタウンの時計台に座って3人でシーソルトアイスをかじる姿，夕暮れ時のデスティニーアイランドで語らう姿も見られた。
　さらに目隠しをしたリクと，カイリについて語り合うなど，意味深なシーンも。「特別な生まれ方をしたノーバディ」「帰るべき場所」「2人（ロクサスとアクセル）と同じになれる？」など，その出生に関する発言も多く聞き取れた。なお，待望の発売時期は2009年2月と判明。2008年配信予定の「キングダムハーツ Coded」から，さほど時をおかずに発売されるようだ。

キングダムハーツ Birth by Sleep

　キングダムハーツシリーズラストを締めくくるのは，PSP版「キングダムハーツ Birth by Sleep」。こちらはテラ，ヴェン，アクアの3人を主人公に，キングダムハーツ本編の過去を描いた物語。発売が少し先（2009年とだけ発表されている）になるせいか，新たな映像は少なかったものの，女性主人公アクアのイベントや，戦闘シーンが公開に。
　イベントでは，セブンプリンセスにまつわるシーンが数点。ガラスの靴を落としたシンデレラが，アクアの横を走り去る場面，鏡の中から白雪姫の継母らしき人物が顔を見せる場面が見られた。また，バトルシーンではキーブレードを触れずに操るアクアの姿も。画面左下を見たところ，コマンドスタイルに「Magic Wish」の表示あり。アクアオリジナルのコマンドスタイルなのかも？

The 3rd Birthday

　続く映像は，プレイステーションで2作が発売され，その後長く沈黙を保っていた「パラサイト・イブ」の主人公アヤ・ブレアの物語，「The 3rd Birthday」だ。これまで，チャペルでウエディングドレスを着たアヤの映像が公開されてきたが，今回はそれが一変し，雪景色のなか座り込むアヤと，空間が歪みそこから異質体-Twisted-と呼ばれる化け物が現れてアヤに襲いかかる，ゲームらしいハードな映像となった。
　またアヤだけが，このTwistedに対抗できるオーバーダイブシステムという時空を操作するシステムを操ることができることと，CTIという組織に属する（組織に属すると思われる男性と博士らしき白衣の人物も映像には登場した）ことが判明した。そして，人類は時のねじれに捕らわれてしまっているのだという。もちろん，それを救うことが出来るのは，アヤだけというわけだ。
　また，「パワーストーン2」「デビルメイクライ3」「ロストプラネット」などを手がけたクリエイター，松下正和氏率いるヘキサドライブとの共同開発であることも，映像の最後で明かされた。雪のシーンなどは確かに「ロストプラネット」を彷彿とさせるし，これまでのシリーズのゲーム内容と照らし合わせても納得がいく。なお，夏のイベントでPSP向けであることが明らかになったが，今回カタログなどでも「for PSP」とのみ紹介されていたことも添えておこう。

DISSIDIA FINALFANTASY

　昨年の「ファイナルファンタジー」シリーズ20周年を記念して制作された「DISSIDIA FINALFANTASY」は，発売が近いこともあり，一気に情報が公開された印象だ。
　まず，登場する20人のキャラクターたちがすべて公開され，夏のイベント「DKΣ3713」で公開されたケフカなどのほか，同じく「FFVI」からはティナ（CV:福井裕佳梨），「FFV」からは，バッツ（CV：保志総一朗）とエクスデス（CV：石田太郎），そして「FFVII」のクラウドの姿も確認できた。クラウドはセフィロスとのイベントシーンやバトルシーンも公開され『絶望を望むようなら送ろうか？』『あんたはここで眠っていてくれ』などといった，「FFVII ADVENT CHILDREN」での会話を彷彿とさせるやりとりも登場。クラウドの技「凶斬り」の映像も流れた。


　また，冒頭のナレーションを菅原文太が，コスモスの声を島本須美，カオスを若本規夫という豪華メンバーが担当することも明らかとなった。一方，コスモス勢の紅一点となったティナは，EXモードで幻獣にトランスした状態も公開。さらに，バッツは，スコールのガンブレードやフリオニールの剣など他のコスモス勢の様々な武器を使って戦うシーンがあり，「FFV」のシステムを意識しつつ（「FFV」より登場した「ものまねし」なのかも？），こうした主役級総登場作品ならでなのキャラクターとなるようだ。ほかにも，試遊で召喚獣の存在が明らかになり，映像でもテュポーンが「はないき」を使っていた（効果は不明）。
　なお，シアターの外には，サントリーから発売される「DISSIDIA FFVII」のポーションの缶やパールカラーボディにコスモスとカオスが印刷された限定PSP（PSP-3000）も公開されていた。

「DISSIDIA FFVII」のポーションの缶と，パールカラーボディの限定PSP

FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN COMPLETE

　意外にも，新規ネタオンパレードだった「FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN COMPLETE」の映像は，運命的なザックスの最期へと繋がる，車上での狙撃シーンからいきなり始まった。HD映像になるだけでなく，30分の新規映像が追加される本作だが，その新規部分から，さらにいくつかのシーンが新たに公開された。
　シーン的にはこれまでどおり，ルーファウスとカダージュの会話シーンが主体なのだが，セリフも変わり，デンゼルたち子供がトラックに乗って連れていかれる様子や，デンゼルとモーグリ人形の少女とのシーン，バイクに乗ったヤズーとデンゼルがすれ違うシーンなどが新たに公開された。また，クラウドのティファやマリン，デンゼルへの想いを語るセリフもあることが分かった。
　夏のイベントで公開された「FINAL FANTASY XIII」の体験版や，「FINAL FANTASY VERSUS XIII」「FINAL FANTASY Agito XIII」の映像が特典として収録されるほか，本編とは別に「FINAL FANTASY VII」から「FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN COMPLETE」に到る2年間を描いた物語「-on the way to a smile-」が単行本化されることも明らかとなった。単行本では，これまで世に出ていた「ティファ編」「デンゼル編」，海外でのみ紹介されていた「バレット編」に，さらに「ユフィ編」「タークス編」「レッドXIII編」も追加される。

FINAL FANTASY XIII

　夏のイベントで，ついにPS3の実機によるイベントシーンが公開された「
FINAL FANTASY XIII」は今回，ライトニングと大柄の男とのイベントシーンでついに声を聞くことができた。また，これまではっきり映っていなかった軍人風のキャラクターの顔も公開され，眼鏡をかけた豊満な体つきの，視線に優しさこそ見せているものの知己に長けた大人っぽい雰囲気の女性（長い説明ですいません）であることが分かった。軍服のデザインでそう見えるだけかもしれないが……。
　また，青い髪を後ろで束ねた軍人風の人物も登場。さらに，今回さまざまなタイプのコクーンの兵士たちやロボット，大小様々な飛空艇などの兵器も多数確認できた。
　このほか，シヴァのバイクに乗っていた大柄の男は，過去に少なからず引け目のある人物なようで，それが原因でライトニングに信用されていないものの「俺は絶対に諦めない。約束する」と話していた。またこの会話から「セラを守る」と話している。これは，3番目に公開されたキャラクターである少女の名前の可能性が高そうだ。ちなみに，このライトニングと男の会話イベントシーンは，実機による映像だった。キャラクターも徐々に公開され，ユーザーが首を長くして待っている「FFXIII」の開発が，かなり進んできたことを感じさせるものだった。

FINAL FANTASY Agito XIII

　夏のイベント「DKΣ3713」で，平和協定である「パックス・コデックス」を破ってのミリテスの白虎による侵攻から始まる戦いの物語であることが明らかになった「FINAL FANTASY Agito XIII」。今回の映像では，ムチ（ただのムチではなく，蛇腹剣や鞭剣とよばれるもの）やカタナ，カードといったそれぞれの武器使いのバトルのほか，オーディンが騎馬を降りて戦うシーンなどが公開された。画面から見ると，PSPの○や△にコマンドが割り振られており，それを押すことでコマンドを入力していくバトルになるようだ。
　「DKΣ3713」でPSPでの発売が明らかになった「AgitoXIII」だが，今回の映像ではパーティは3人だった。マルチプレイであることは，PSPになっても変わらないのだろうか。

FINAL FANTASY VERSUS XIII

　「FINAL FANTASY VERSUS XIII」の今回の映像の目玉は，次期国王である主人公とヒロインの名前が明らかになったこと。そして，夏のイベントからさらにクオリティアップした実機イベントシーンだ。
　王子の名前はノクティス（彼はノクトと呼んでよいとも話している）。そしてヒロインの名前はステラだ。イベントシーンでの2人の会話から，どうやら2人は夜空に他の人には見えない星（光？）が見えるという。ステラによれば，テネブラエという場所（彼女の住んでいる国かも）の言い伝えでは，この光が見える者は特別な力を得られるという。ノックスに話しかけられたことを，力をもらったとおどけるステラだが，この「力」が，以前公開された2人が路上で対峙したときに現れた紋章であることがうかがえる。こちらも，ようやく実機による映像が公開されるようになった。こうなってくると気になるのが「FF XIII」や「VERSUS XIII」のバトルシーンだ。楽しみに待ちたい。