COMPUTEX期間中に何か動きが？ Lynnfieldの出荷時期に関する噂が錯綜，最短では7月説も

Lynnfieldに対応するLGA1156ソケット。LGA775に代わる，主力CPUソケットになると見込まれている（※写真は2009年3月3日の記事より再掲）

　COMPUTEX TAIPEI 2009の開幕に前後して，デスクトップPC向けではIntelの次期主力CPU，「Lynnfield」（リンフィールド：開発コードネーム）の出荷が，2009年7月末に早まるかもしれないという情報が流れてきた。
　これは，「欧米で新学期が始まる9月を見据えた，いわゆるバック・トゥ・スクール商戦に向けて，競争力のある製品を望むPCベンダー側の要求を受け，IntelがLynnfieldと『Intel P55 Express』チップセットの投入を少量ながらも前倒しするため」と伝えられている。

　実際のところ，「7月の時点で強力な新製品が投入されなければ，PC/IT関連市場の回復は年末以降にずれ込むことになる」と，市場関係者は危機感を持っており，Intelや主要PCベンダーに対してプレッシャーをかけている。そうした動きに呼応するような格好で，最近，複数の主要マザーボードベンダー関係者から，「7月にIntel P55 Expressマザーボードを投入する」と説明を受けた報道関係者がちらほらと現れているのだ。彼らの話では，主要マザーボードベンダーには，CPUの出荷数計画ももたらされているようである。

　一方，Lynnfieldの7月投入はあり得ないと指摘するPCベンダー関係者も存在する。同関係者いわく，「新アーキテクチャへのプラットフォーム最適化にはもう数か月必要だ」とのこと。また，ある大手OEMベンダー関係者も，「Lynnfieldの投入は計画は当初の予定どおりで，9月からの変更はない。量産や，市場投入を前倒しするという計画も聞いていない」と述べており，Lynnfieldの出荷タイミングに関する情報は錯綜している印象を受ける。
　ただ，このOEMベンダー関係者が，「製品の市場投入はともかく，新プラットフォームに関する，何らかのアクションが7月中に起こる可能性は高い」とも指摘していたことは，付記しておく必要があるだろう。CPUブランドの概要紹介などはともかくとして，CPUの正式発表は，COMPUTEX TAIPEI 2009とは別の機会に行われることになりそうである。

　渦中のIntelは，COMPUTEX TAIPEI 2009の2日めとなる現地時間6月3日に，同社のデスクトップ製品に関するイベントを開催予定。そのタイミングで，Lynnfieldに関する何らかのアップデートがあることに期待しておきたい。