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[NVISION 08#10]閉幕セレモニーに“史上最強最大のGPU”が登場!?
閉幕セレモニーでは,NVIDIAのDan Vivoli(ダン・ヴィヴォリ)マーケティング担当上級副社長が,8000人以上もの人々が世界初のビジュアルコンピューティングイベントに参加したと説明。その中には,
- 成長著しい新興企業が集う「Emerging Companies Summit」(新興企業サミット)に,60社以上,350人
- 常時100人以上のプレイヤーが36時間ぶっ続けでゲームをプレイし続けるギネス世界記録を打ち立てたLANパーティ「GeForce LAN」に,203名のハードコアゲーマー(関連記事)
- 53か国の代表が参加した「ESWC」(Electronic Sports World Cup)決勝に進んだチームや個人
が含まれているとし,次々と関係者が壇上に招かれた。
Vivoli氏は,このイベントが,開発者やデザイナーなどのグラフィックス業界関係者だけが集まるのではない,大規模なものとして定着することを望んでいると述べる。
「怪しい伝説」の二人組が
“史上最強最大のGPU”を披露!
二人はまず,高速に4個のペイント弾を発射して絵を描くロボット「Leonardo」(レオナルド)を披露。白いキャンパスに次々と4個単位でペイント弾を打ち込み,スマイルフェイスを描いて見せた。
しかし,何か物足りない。「微笑み」といえば,世界で最も有名なのは「モナリザ」だ。
そう言って二人が披露したのは,モナリザを描くべく作り上げた“GPU”で,1102発のペイント弾を同時に発射できる並列処理(パラレルプロセッシング)マシンである。
果たして,NVIDIAのロゴが入った巨大なマシンは瞬時にモナリザを描き上げ,会場に集まった参加者たちの熱い歓声,そして爆笑を集めることとなった。
再び登場したVivoli氏は「このリッチな並列処理性能を使わない手はない」と強調。ビジュアルコンピューティングの進むべき未来が,まさにここにあるとアピールし,「来年,再びこの地に集い,ビジュアルコンピューティングのさらなる発展に向けて取り組んでいこう」と宣言して,NVISION 08は閉幕したのである。
このネーミングには,CPU「Leonardo」とGPU「Da Vinch」が密接な連携を果たす「ヘテロジニアスコンピューティング」(異種混合コンピューティング)こそが,NVIDIAの目指すビジュアルコンピューティングの姿であること。そして,どちらか一方が欠けても,すばらしい未来を迎えることはできないというメッセージが込められている。
Huang氏の表情からは,価格競争や競合他社との競り合いばかりに明け暮れるのではなく,業界が一丸となってビジュアルコンピューティング業界を盛り上げるために起ち上げた「NVISION 08」が盛況のうちに幕を閉じ,高い成果をあげたことに対する安堵感すら見てとれた。
Intelが「Larrabee」(ララビー,開発コードネーム)で本格的にビジュアル・コンピューティング,そして並列コンピューティングの世界に参入を果たすのは2年後。それまでに,NVIDIAが中心となった,強固で,業界をリードするコミュニティを作り上げる。それこそがNVIDIAが「NVISION」を開催した目的にほかならない。
NVIDIAは少なくとも2009年,2010年にもNVISIONを開催する計画を持っている。今後,同イベントがどのような発展を見せるのか,業界関係者ならずとも,その動向が気になるところだ。
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