プレイレポート
「リーグ・オブ・レジェンド」10周年シーズンは天変地異が到来。大幅な改変で全員手探りの新環境に飛び込むなら今!
プレシーズンでは,毎年次のシーズンに向けて大きなアップデートが行われる。つまり,恒例となるバランス大改編タイミングがやってきたというわけだ。
2018年プレシーズンの改編は,主にタワープレートが増えたぐらいで,比較的小規模なアップデートだったが,今年は10周年らしく大胆なテコ入れが行われている。ベテランプレイヤーであっても手探りで次のシーズンのメタを探す時期だけに,ブランクの長い人やこれから始めたい人も,プレイするにはもってこいだ。さっそく新たな環境を見ていこう。
ついにサモナーズリフトのマップに変化が
本作のメインモードであるサモナーズリフトは,これまでずっと1つの同じマップで対戦が続いてきた。それはそれですごい話だが,2020年シーズンでは,ついにマップ形状が変化することになる。
……というと,見た目的には小さな変化なので,若干大げさかもしれないが,ゲームプレイへの影響は決して小さくない。
まず,トップレーンとボットレーンの中間部分,これまで茂みがあった場所に小さな道ができた。全体マップの左上と右下に,ひょっこり窪みが現れたような形だ。合わせて,これまで2分割されていたボットレーンの茂みは,トップレーンと同様の3分割となり,茂みの切れ目部分が窪みに入る道となる。
「こんな小さな道,通らなくない?」と思うかもしれないが,3分割された中央の茂みの裏側には壁があり,視界が取れない。つまり,これまでのようなワード配置では,窪みの中に敵がいるのかどうかがまったく分からない。そのため,対面だけと戦うぶんにはそれほど気にならないが,ジャングラーが絡むとこれまでとは違った駆け引きが生まれそうだ。
例えば,敵のジャングラーのリー・シンがギャンクに来て,これをうまく回避してレーンを引いたとしよう。そしてリー・シンがこの窪みに入る。そうすると,姿が見えないうえに,帰ったのか残ったのかが分からず,非常に困る。茂みの視界を取っていたとしても,窪みの壁の裏側まではカバーできないし,そもそも3分割の茂みや川にワードを使っているのだから,こんなピンポイトな場所にも置く余裕があるかというと,それも難しい。かといって不要に近づけば,壁の裏から「ヘアーっ!」と突っ込んできて蹴り飛ばされるかもしれない。実際,筆者は蹴られた。
こうした使い方が正しいのかはともかく,これまでなかった場所から突然敵が出現するので,しばらくは驚くことになるだろう。
新たな道はジャングル内にも作られている。というより“作られることもある”が正しい。2020年シーズンでは,出現するエレメンタルドレイク(いわゆるドラゴン)の属性に合わせて,ジャングル内の地形が変化する新たなギミックが盛り込まれているのだ。
2020年シーズンのエレメンタルドレイクは,3体目まで異なる属性が,それ以降は3体目と同じ属性が出現するようになっている。2体目を倒した直後,3体目の属性が決まったときが,ジャングルの地形変化のタイミングだ。
インファーナルの場合は,レッドバフとブルーバフのキャンプの壁が崩れて通れるようになり,さらに周囲の茂みも焼き払われてしまう。
逆にマウンテンの場合は新たな岩盤が出現して道が狭くなり,範囲スキルに巻き込まれやすい地形となる。
オーシャンの場合は花が咲き乱れ,茂みがものすごく増える。バフキャンプの近くにハニーフルーツ(壊すとヘルスとマナが回復する実が出てくる,川に生えてるアレ)も出現する。
クラウドの場合はバフキャンプ周辺に気流が発生し,移動速度が増すという具合だ。
これらの変化は試合開始時に分かるものではないので,「マウンテンに備えて強力なコンボが狙いやすい構成にする」といった作戦を立てることはできない。どの属性に変化するか判明してから,臨機応変な対応が求められるだろう。
エレメンタルドレイクの取り合いが激化
エレメンタルドレイクから得られる効果にも調整が入っている。獲得できるバフの数値そのものは若干低下したが,代わりにエレメンタルドレイクを4体倒したチームは,「ドラゴンソウル」という強力な効果を得られるようになったのだ。
しかも,どちらかのチームがドラゴンソウルを手に入れると,以降はエルダードラゴンしか出現しなくなる。つまり,ドラゴンソウルを入手できるのはどちらか一方のチームとなるため,エレメンタルドレイクの取り合いが激化するのは間違いない。
また,エルダードラゴンのバフにも手が入った。中でも面白いのが,体力が20%未満の敵にダメージを与えると,0.5秒後に処刑してしまう「エルダーの火焔」だ。しかもこの効果にはクールダウンがなく,瀕死の敵が逃げるのを許さず,無慈悲に始末してしまう。
説明だけ見るとあまりに強そうだが,実際はとどめを刺せるような状況で,体力がぴったり19.99%残っていることはまずないため,即時キルの開始ラインはそれほど高くないとライアットゲームズは説明している。とはいえ,発動している側からすれば,最高に気分が良くなれる効果だろう。
これだけエレメンタルドレイクがゲームの勝敗を左右するようになると,当然ドラゴンピットに近いミッドレーンとボットレーンの重要性が上がることになる。
こうなると,もはやトップレーンはこれまで以上に“陸の孤島”と化しそうだが,もちろんこちらもテコ入れされている。これまで1体しか出現しなかったリフトヘラルドが,1回だけ再出現するようになったのだ。
再出現の条件は,1度倒してから6分が経過すること。最初の出現時間も早まり,試合開始から8分で登場するようになった。2体ものリフトヘラルドに頭突きをかまされては,タワーが悲惨なことになってしまう。ミッドレーンやボットレーンで使われた場合は,その後のエレメンタルドレイクの管理にも影響が出る。
これらのオブジェクト管理のために忙しくなるのがジャングラーだ。倒すための下準備やタイミングの見極め,視界管理がこれまで以上に必要となる。
さらに,全体的な成長ペースも変更された。2019年シーズンのジャングラーは,キャンプで得られる経験値が低く,ギャンクを中心にゲームを組み立てるタイプのチャンピオンが活躍していた。一方,2020年シーズンは「ファームを優先するスタイルへの移行を奨励したい」としている。
この方針によって行われた調整が,キャンプ出現間隔の変更だ。これまでは小型キャンプをクリアすると,再出現には150秒必要だったが,これが120秒に短縮された。30秒の短縮の効果は大きく,これまでの感覚で「とりあえず自陣キャンプを片づけよう」などと動くと,序盤はクリアし終える前に再出現が始まるほど。無駄なくギャンクとファームをしようと思うと,新しく覚えることは多そうだ。
新アイテムは「サングインブレード」が猛威を振るう予感
アイテム周りの変更で最も影響の大きそうな部分が,アサシン用の脅威系アイテムの調整だ。脅威系アイテムは,これまで使うものが限られていたことを改善するため,既存のアイテムの性能を調整しつつ,新アイテムも追加されている。
新アイテムは孤立した敵を狙うために使う「サングインブレード」と,ワード破壊能力を持ち安価な「アンブラルグレイブ」の2つだ。中でもサングインブレードは,攻撃力と脅威とライフスティールが得られて,さらに相手が1人以下でいる限り,さらなる脅威と爆発的な攻撃速度までもらえるという,説明を見るだけで強力な性能になっている。
孤立も何も,ソロレーンやジャングルでは基本的に相手は1人以下であり,アサシンどころかファイターもこのアイテムで暴れるのではなかろうか。
サポート用の金策アイテムもリニューアルされ,「エンシェントコイン」が削除される代わりに,攻撃系,防御系サポートアイテムが物理用と魔法用の2つずつに分かれ,用途が分かりやすくなった。これまでになかった物理攻撃用サポートアイテムが登場することで,新たにサポートとして起用されるチャンピオンも出てくるかもしれない。
また,金策アイテムの強化にかかるコストが大幅に減少したため,サポートでもほかのアイテムが購入しやすくなっている。
エネルギー充填系アイテム「ストームレイザー」「ラピッドファイアキャノン」「スタティック・シヴ」の3つも,クリティカルビルドへ組み込んで,散発的に大ダメージを与えるアイテムとして調整された。中盤戦でより強力になり,さらに充填による追加ダメージがタワーにも有効になったため,1種類,あるいは複数種類がマークスマンのビルドに食い込んでくるだろう。
以上が,今回のプレシーズンの大まかなアップデート内容だ。現時点では,いくらなんでもエレメンタルドレイクの取り合いが重要すぎるとか,サングインブレードがヤバすぎるとか,いろいろ気になるところもあるが,こうしたカオスな環境でプレイできるのも,プレシーズンの魅力と言える。
今後は2020年シーズンの正式なスタートに向けて,粗い部分が調整されていくことになるが,今だけはある意味“何をしても許される”期間でもあるので,いろいろと試してシーズンスタートの準備を整えておこう。
「10年も続いているなら,始めてみようかな」という初心者も,プレイするならプレシーズンからがオススメだ。
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