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個人的にはこのFFもオススメしたい。遊びの幅が広いアトラクションアドベンチャー「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー」レビュー
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印刷2009/12/26 19:00

レビュー

とにかく遊びの幅が広い,もう一つの「ファイナルファンタジー」

ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー

Text by 西岡浩二郎


画像集#001のサムネイル/個人的にはこのFFもオススメしたい。遊びの幅が広いアトラクションアドベンチャー「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー」レビュー
 「ファイナルファンタジーXIII」という超ビッグタイトルの存在感もあり,若干割を食った印象のあるWii「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー」(以下,クリスタルベアラー)。かくいう筆者も,最初は購入を迷っていた。
 実際このゲーム,脇目も振らず基本ストーリーだけを追いかければ,10時間くらいでクリアすることも不可能ではないタイトルだ。では,あまりボリュームのないゲームなのかというと,そんなことはない。寄り道ややり込み要素が非常に多いのだ。フィールドを探索することでさまざまな発見をするのが大好きな人間には,たまらない要素が随所に盛り込まれている。

 このレビューでは,ストーリーの魅力をネタバレにならない範囲で紹介しつつ,そうした寄り道の紹介もしていこうと思う。本稿に目をとおしてクリスタルベアラーの魅力の一端に触れるだけでも,本作への印象ががらりと変わるに違いない。

画像集#002のサムネイル/個人的にはこのFFもオススメしたい。遊びの幅が広いアトラクションアドベンチャー「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー」レビュー 画像集#003のサムネイル/個人的にはこのFFもオススメしたい。遊びの幅が広いアトラクションアドベンチャー「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー」レビュー


「プレイ,ヒーロー」のキャッチに恥じぬレイルの活躍


画像集#004のサムネイル/個人的にはこのFFもオススメしたい。遊びの幅が広いアトラクションアドベンチャー「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー」レビュー
レイルは筋をとおしたい性分であるようで,当初敵と目されていた人物に対しても,理があると見れば協力したりもする。関心のないふりをしながら,なんやかんやでヒロインや仲間を救っていくタイプだ
 本作の主人公レイルは,クリスタルをその身に宿す,特殊な能力を持った「クリスタルベアラー」だ。ベアラーの能力はさまざまで,彼の場合は引力を用いた遠隔操作となっている。Wiiリモコンでターゲットしたものを持ち上げたり,投げつけたりできる,なかなかに汎用性の高いこの能力で,あらゆる事態に対処していくことが可能だ。

 しかし「クリスタルベアラー」は,その特殊な能力ゆえに忌むべき存在と見なされているので,レイルもそんな世間の対応にすっかりすれてしまったアウトローとして描かれている。とはいえ,彼自身悪人というわけではなく,弱さも併せ持っており,基本的には,頼りになるアニキ系の格好良い人物である。

周囲にあるさまざまな物を持ち上げて投げつけるほか,崖などを遠くからつかんで,自分自身を引っ張り上げることも可能
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画像集#007のサムネイル/個人的にはこのFFもオススメしたい。遊びの幅が広いアトラクションアドベンチャー「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー」レビュー
敵を直接つかんで,投げ飛ばすこともできる。強くなってくると,これでガンガン敵を倒していける
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Wiiリモコンを振るだけで,緊急回避も可能。吹き飛ばされてもAボタンで着地できるので,敵に倒されることは滅多にない


密度的には長めの映画一本分くらいのストーリー


 お話は,レイルと相棒のクァイスが護衛する,飛空客船アレクシス号が魔物に襲われるところから始まる。魔物を撃破して船に着いてみると,首謀者と思しきユーク族が現れ,飛空艇の動力源である魔晶石の力を奪うと,魔物に乗って飛び去ってしまう。レイルは自分自身のクリスタルの力で,アレクシス号を飛ばすと,リルティの王宮前へとそれをなんとか不時着させるのだった。

 喧嘩をふっかけられたと感じたレイルは,途中,アレクシス号でも見かけたリルティ達に追われるセルキーの女性・ベルを助けつつ,再び現れ「リザレクションを行う」と語るユーク族とケリをつけるため,そのあとを追い始めるのだった。

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空間を操る謎のユーク族アミダテリオンは,リルティ王家の秘宝クリスタルアイドルを集め,ユーク族の復活をもくろんでいる
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国王が病に倒れたリルティ王国において,怪しい動きを見せる参謀長のジュグランと,危機の迫る王国を何とかしようとする王女アルテア
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レイルの相棒クァイスは出世の道を歩まんとジュグランに取り入り,リルティの軍隊に入ることに成功する
画像集#012のサムネイル/個人的にはこのFFもオススメしたい。遊びの幅が広いアトラクションアドベンチャー「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー」レビュー
一攫千金を狙うセルキーの情報屋ベル。ジュグランの秘密を知り,取引しようとするが,追われる羽目になる

 この後,お話はこの世界にいないユーク族との関わりや,裏で暗躍するリルティ王国の参謀長ジュグランとの抗争へと進んでいく。トータルで見ると,RPGとしては若干短く感じるかもしれないが,なかなかに骨太なストーリーがプレイヤーを盛り上げてくれる。

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基本的にアクションゲームなので,活劇的なシチュエーションを次々と楽しんでいく感覚でストーリーを追っていける
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敵であるユーク族のアミダテリオンと協力する場面も。リルティ王国とユーク族のクリスタルをめぐり,ストーリーはテンポ良く進む

 また,ストーリーに沿ったプレイでは,「プレイアブルイベント」と称する,イベント色の強いゲームを遊んでいくことになる。飛空艇を操縦して渓谷の中を突き進んだり,バハムートと一戦交えたりといった展開もあって,なかなか面白い。このプレイアブルイベントは,若干唐突なものもあるのだが,そこにはやり込み要素が用意されている。ただクリアするだけならカンタンでも,“勲章”が関わってくるととたんにハードルが上がったりする。勲章については後述するが,これがなかなかゲーマー心をくすぐるのである。

ユーク族が召喚したバハムートとのバトル。ゴブリンの剣を奪って突き刺してやったあとは,バハムートの身体に取り付いて,直接対決へと展開していく!
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指名手配されたあと,列車を使って王国内に潜入しようとするレイル。モーグリの車内販売のカートに紛れ込んだり,座席の下をほふく前進したりといったスニークアクションが楽しい
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画像集#019のサムネイル/個人的にはこのFFもオススメしたい。遊びの幅が広いアトラクションアドベンチャー「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー」レビュー
ベルとその友人達の尻相撲を影からサポート。落ちそうなベルを支え,逆に相手のバランスを崩させて,引っ張り落としてやるのだ
画像集#020のサムネイル/個人的にはこのFFもオススメしたい。遊びの幅が広いアトラクションアドベンチャー「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー」レビュー
潜入した舞踏会ではリズムゲームでダンスを踊ることに。パートナーチェンジのタイミングを利用しながらアルテア王女へと近づいていくのだ

画像集#021のサムネイル/個人的にはこのFFもオススメしたい。遊びの幅が広いアトラクションアドベンチャー「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー」レビュー
この世界には四つの種族が存在していたが,ユーク族はリルティ族との戦争に敗れ,絶滅してしまったのだ
 クリスタルベアラーのストーリーを振り返ってみると,素直にシンプルで格好いいと思う。ただ,一部設定面で,若干ゲーム内での説明が足りないかなと思える部分も見受けられた。一般的な人間に相当するクラヴァットや,自由に生きる独立心の強いセルキーについての本編内での説明が充実していると,骨太なストーリーもより引き立ったかもしれない。
 また,一部のプレイアブルイベントが,ぐだぐだな結果でも先に進めてしまうので,“ヒーロー”をプレイしている身としては納得いかないままになってしまうこともある。これは,先に進めて嬉しいととるか,「やり直しを要求する!」となるかは人それぞれだと思うが,再挑戦が可能でも良かったように思う。再挑戦するか先に進むか選べるシーンもあったので,プレイしていてちょっと混乱したりもした。

画像集#022のサムネイル/個人的にはこのFFもオススメしたい。遊びの幅が広いアトラクションアドベンチャー「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー」レビュー
ゲームの楽しみ方は人それぞれ。ストーリーをひたすら進めるも良し,たっぷり寄り道をしながら進めていくも良しだ。ただ,ストーリーにしか興味がないと,ボリューム不足に思えてしまうかも
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プレイアブルイベントは惨憺たる結果でも先に進めることがあるが,あとでレイルモーグリというキャラのところに行けば,単独で遊び直すことは可能だ

 本編ストーリーのボリュームについては,賛否両論あることだろう。しかし,アトラクションアドベンチャーと銘打った本作では(「えっ,RPGじゃないの!?」って声も聞こえてきそうだが……),これくらいでちょうど良い気がする。お話はお話としてさらりと楽しみ,そのあとでゲームとしてやり込んでいくのが,このゲームの正しい遊び方なのかもしれない。


さまざまな仕掛けが用意されたフィールド


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怪しいところにカーソルをポイントしてみると,このように反応がある。それを利用していくと思わぬところに出られたりするのだ
 さて,ストーリーが進むと,自由に移動できるフィールドが増えてくる。フィールド移動中目に付くもののなかで,もっとも気になるのは瘴気ストリームだが,それとは別にミニゲーム的なクエストがいくつも用意されている。また,意外なところに通り道があり,木の枝などを伝って滝の上に上がってみると,そこに最大HPを上昇させるミルラの結晶があるなど,お宝探し的な遊びもできるようになっている。
 クリスタルベアラーには,箱庭的な世界にさまざまなお遊び要素がちりばめられているわけだ。それらを発見する喜びがこのゲームにはある。場合によってはまったく気づかないこともあるだけに,発見できたときの喜びも大きいのだ。

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行けるところには“何か”があるのがこのゲームのお約束。冒険する楽しみが存分に味わえるはずだ
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本編では立ち寄る必要のないエリアに,このようなミニゲームを遊べる場所があったりする。そうした場所を示す説明があまりないあたり,探索心をくすぐってくれる


チャレンジ意欲をそそるバトル


 プレイアブルイベントもそうだが,本作では,必ずクリアしなければならない高難度パートは少なめになっている。たとえば,フィールドを移動していると,途中で「瘴気ストリーム」から産み出された魔物達が暴れているエリアに遭遇する。この魔物達を倒して,瘴気を放っている入り口を閉じると,瘴気ストリームは解消され,最大HPを上昇させるミルラの結晶を手に入れることができるのだ。しかし,この瘴気ストリームも,必ずしも閉じなければならないわけではない。別に無視して先に進んでしまっても構わないのだ。早く物語の先が知りたいというのなら,どんどん先に進んでしまってかまわない。

画像集#027のサムネイル/個人的にはこのFFもオススメしたい。遊びの幅が広いアトラクションアドベンチャー「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー」レビュー
最初に出くわす瘴気ストリームは,チュートリアルの一環として必ず閉じることになるが,その後出くわす瘴気ストリームは無視しても構わない
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各地の瘴気ストリームを閉じると,初回に限り最大HPが上昇するミルラの結晶を手に入れることができる

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鉄巨人やキングベヒーモスなど,ボスモンスターのような巨大な敵が登場する瘴気ストリームもある
 さて,この瘴気ストリームだが,閉じるためには一定時間内に,敵をすべて倒し,瘴気ストリームをレイルの力で閉じなければならない。敵が広いエリアに散らばっているところもあり,なかなかシビアだ。しかし,そこにはちゃんと攻略のための仕掛けが用意されていて,それを使った攻略方法を見つけると,楽にクリアできるようになっている。

 たとえば,初期に出くわすキラーハウンドとスケルトンのいるエリアでは,普通に戦うと数で勝るキラーハウンドに襲われてあっという間にやられてしまいかねない。しかし,スケルトンを攻撃すると彼の頭骨がはずれ,投げつけることができるようになる。この骨を持った状態だと,犬タイプであるこのハウンド達は骨をねだるポーズを取るようになり,こちらを攻撃してこなくなる。つまり,骨を拾っては投げつけて……とやっていくことで,安全にハウンド達を倒せるようになるわけだ。

 ほかにも,ボムに火を付けて爆発させ,周囲のゴブリンを巻き込んだり,敵の使ったメテオの隕石を敵にぶつけたりと,敵を利用した仕掛けが実に多い。また,油壺を投げつけたあとに,火を投げつけると盛大に燃えてくれたりもする。そうした,その場にある物を利用したさまざまな攻撃方法が用意されていて,上手い利用方法を発見したときなどは「なるほど!」と楽しくなってしまうこと請け合いだ。

仕掛けを利用するなど,攻略方法や倒し方次第で,勲章を得られることもある。敵の攻撃を受けることで得られる勲章も?
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時間制限を延長するアイテムもあるのだが,そういう助けがない場合,倒して回る順番も考慮しないとクリアは難しい。エレキクラゲを利用して空に浮かび,崖をショートカットする必要がある場合も
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敵同士をぶつければ,2体同時にダメージを与えられる。持ち上げた敵が勝手に攻撃してくれるなど思わぬ効果があることも
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こちらの攻撃に対する敵のリアクションを発見するのも,楽しみの一つといえる
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ヒドラは周囲の触手を倒すことで本体を攻撃できるようになる。トドメは地面に刺さっているエクスカリバーで! というところも遊び心がある仕掛けだ

 また,後述する素材集めも,この瘴気ストリームで現れる魔物や,2回目以降に閉じたときに手に入るアイテムで行うことになる。

瘴気ストリーム発生状態と通常状態。この二つの状態が定期的に入れ替わるのだ
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時間ぎりぎりで,「あとは閉じるだけ!」というところまでいきながら時間切れになってしまったときの悔しさといったら……!! 残り時間が分からないのもこちらの余裕を良い感じに奪っていく……
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瘴気が晴れたらミニゲーム


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瘴気が発生していない状態だと,ミニゲーム的なクエストが発生する。瘴気にアブダクション(!?)される家畜を助けるゲーム。レイルの力で羊を掴んで取り返してあげるのだ
 瘴気ストリームを閉じることで平和な状態になると,今度はそこでミニゲームが楽しめるようになる。こうしたミニゲームは各所にあり,中には報酬をもらえるものもある。お金を稼ぐには宝箱を探すよりもずっと効率が良かったりするくらいだ。素材集めは瘴気ストリーム発生中に魔物を倒して,お金集めは主にこうしたミニゲームで行うようになっているようだ。ゲーム終盤では,結構高価なアイテムを購入したくなる場面もある。宝箱を蹴っているだけじゃ(レイルは蹴って開ける)ちっとも貯まらないので,こうしたミニゲームを活用するのが良さそうだ。


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庭園のデザインに挑戦。ほかの場所では枯山水に挑戦するケースもある
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同じく庭園では子供達と一緒にかくれんぼに興じることも。子供相手に本気を出して,大人げない勲章をゲットせよ!?

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チョコボといえばレース! Wiiコントローラーをムチ代わりに振って,上手にチョコボにダッシュさせる必要がある
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暴走したカカシの撃ってくるレーザービーム(!?)をかわしながら作物を収穫。収穫量によって報酬も増減するぞ

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ケッカバウというサッカーのようなゲーム。ボールを手で触ってはいけないが,レイルは特殊な力を使えるからやりたい放題できる
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水辺には必ずといって良いほど,釣り師のおじいさんがいて,一緒に釣りができる。レイルの力で見事大物を釣り上げろ! 大物の出現条件を推理するのも楽しい

 ちなみに,ゲームの攻略に詰まったときに意外と役に立つのが,画面下に流れているテロップ。ゲームに集中していると見逃しがちだが,ときどき見てみると,背景設定などのほか攻略のヒントなども表示されていたりするのだ。攻略法さえ見えれば,あとはそれを上手く実践するだけとなり,気分も俄然盛り上がってくる。それでも厳しいなと思ったら,今度はレイルをちょっと強化してみるという手もある。


素材を集めてレイルの装備を強化!


 HP以外のレイルの能力強化は装備によって行われる。イヤリング,リング,アミュレットの三つのアクセサリで,攻撃力や防御力などを向上させるわけだ。これらのアクセサリはモーグリのお店の一つ「宝石屋」で直接購入できるほか,同じくモーグリのお店である「工房」で,素材を合成すれば自分で作ることもできる。これらの素材は,瘴気ストリームを閉じたり,魔物を倒すことで入手可能だ。

素材の合成順によっては,ロックオン範囲が広がるなどの追加効果が付与されることがある
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UMA通信は町や通路など各所で手に入る。置いてある場所は決まっているので,近くを通ったときに拾っておけばよい。素材のおまけ付きなのもうれしい
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 中にはレアな素材もあって,その入手可能な場所についての情報を「UMA通信」というトレジャーハンター向けのゲーム内情報誌で閲覧できる。目当てのアクセサリを作るにあたって必要な材料がない場合は,決まった場所に置いてある「UMA通信」の最新号を取りに行けば情報を入手できるはず。

 また,この素材による合成では混ぜる順番を変えることで,瘴気ストリームの発生時間を延長させたり,ターゲットカーソルの範囲を拡大したりと,便利な追加効果が付与されるアクセサリができることがある。こういったお手製のレアアイテムを作れるところも本作のやり込み要素の一つだ。

エンブレムが見えるようなカメラワークが多く,変わったエンブレムをしていると結構目立つ
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 さらに,モーグリが開いているお店の中には,「紋章屋」というものもある。ここで手に入る紋章は,レイルのジャケットに描かれているエンブレムを変更できるというモノ。レイルを強化する要素ではないのだが,本作ではイベントシーンがリアルタイムレンダリングで表現されているので,エンブレムの変更が映像にも反映されるのだ。余った素材を用いて,自分好みのエンブレムに変更するといいだろう。


普通にプレイしているだけでも勲章は溜まっていく。まさに実績やトロフィーと同じだ
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 こうした,素材アイテム集めとレイルの強化が,本編の流れとは別個の,いわゆるやり込み要素となっている。キャラクターの育成が,より強い敵とのバトルにつながっているわけだ。ただゲームをクリアするだけなら,上手い人なら一切の強化なしでも可能だろう。しかし,腕が足りなければそれを装備で補うことができる。そういった意味では,RPG的な要素も十分楽しめると思う。

 また,細かなやり込みというレベルであれば,勲章という要素もプレイヤーをその気にさせてくれる。Xbox 360の実績やPS3のトロフィーのようなものだが,簡単なヒントも表示されるので,新しい遊び方を見つける手助けにもなってくれる。すべての勲章をコンプリートするためのプレイよりも,新しい発見のために活用するくらいが,このゲームを気軽に楽しむ秘訣ではないかと思う。

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獲得した勲章に隣接するパネルにはヒントも表示される。関連する場所や魔物の勲章なので,ついでに狙ってみるのも良いだろう。意外な発見もあるぞ
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郵便モーグリからもらえる手紙や掲示板の張り紙にも冒険のヒントが隠されていたりするのだ


本来なら万人に楽しんで欲しいタイトル


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突発的なイベントがあちこちにあって,それに積極的に関わっていくのが楽しい
 とにかく,お遊び要素はてんこ盛り。ストーリーの質もかなり良いし,幅広い層に遊んでもらえるタイトルだと思う。とはいえ,発売前から本作に注目していた筆者でさえも,このゲームの魅力は実際に触ってみなければ分からなかったわけだから,注目していない人ともなれば,なおさらだろう。また,「ファイナルファンタジー=RPGという先入観を持っていると,「何か違う」ということにもなってしまうかもしれない。
 実際にプレイしてもらえればいいのだが,すでに店頭デモで遊べるタイミングでもなさそうなので,もし身近に持っている人がいたら,一度遊ばせてもらうことをオススメしたい。こういうとき,Wiiでは気軽に体験版が楽しめないのが残念だ。

 また,時間のないユーザーは,ひとまず本編だけ楽しむのでも良いのではないかと思う。そのうえで,余裕があったらミニゲームなどを楽しんでみればいいのだ。探索好き,とりあえずファンタジーストーリーを楽しみたいというなら絶対楽しめるはずだ。娯楽としてのゲームの遊び方の一つを思い出させてくれる,個人的にはオススメのゲームだと感じた。大作RPGなどで遊ぶのに疲れたら,その息抜きに遊ぶのに丁度良いボリュームでもあると思う。筆者のように,やり込み要素にはまってすっかり抜け出せなくなってしまう場合もあるかもしれないが,それはそれで問題ない……だろう。

画像集#055のサムネイル/個人的にはこのFFもオススメしたい。遊びの幅が広いアトラクションアドベンチャー「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー」レビュー
ターゲットできるものには何か仕掛けがある。そういったゲームの手触りが嫌いでないなら,きっと本作を楽しめるだろう
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まさにおもちゃ箱のようなゲームなので,自分なりの楽しみを発見してほしい
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    ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー

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