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EA,プライベートカンファレンスでロック魂を熱く揺さぶる「Brutal Legend」を公開
セッションやレクチャーと時間帯が重なる場合も多く,場所も会場から結構離れていたりするので,なかなか取材班泣かせ。行ってみたらただのパーティだったとかあるし。我々は仕事中だからお酒は飲めないんだってば(ちなみに仕事がなくても筆者は下戸だから飲めないんだけど)。
まぁそんな話はさておき,業界最大手メーカーの一つElectronic Artsも,会期中にいくつかのカンファレンスを用意しており,3月24日の午後から行われたのは「Brutal Legend」(正しくは“u”にドイツ語のウムラウトが付いている)のデモンストレーションであった。会場となったのは,サンフランシスコ市内にあるデベロッパDouble Fine Productionsのオフィスで,GDCの会場であるモスコーニ・センターからは1キロほど南に位置する。
Brutal Legendは,2007年末に開発が発表されたタイトルで,「エレキギターを抱えたコミックス調のマッチョ男」というイメージポスターは,一見すると音ゲーを思わせるが,実は三人称視点のアクションゲームだ。
当初は,Activisionからリリースされる予定になっていたが,例のVivendi Gamesとの合併騒ぎのあとにキャンセルされ,開発の先行きが不透明になっていたゲームでもある。昨年(2008年)末頃,EAがパブリッシングを担当することがアナウンスされ,今回のGDCで晴れてメディア向けのデモンストレーションが行われたというわけだ。
Brutal Legendのテーマは「ロック」だ。それもスラッシーでへヴィな,ギンギンのヘビメタロックであり,説明してくれたDouble Fine ProductionsのCEO兼最高経営責任者であるTim Schafer(ティム・シェイファー)氏自身,そうした曲を聴き,影響されて育ってきたロック世代だという。本作では,そんなロックとファンタジーの融合を目指しているのだ(シナリオもSchafer氏が書いている)。
スクリーンショットを見ればすぐに分かるように,革ジャンを着込んだEddieはいかにもなロック野郎で,声優は「スクール・オブ・ロック」などで有名なハリウッドスターのJack Black(ジャック・ブラック)氏が担当している。ほかにも現役のロックスターが数多く声を当てているとのこと。
グラフィックスはご覧のとおりのアメコミ調で,リアリティよりはダークファンタジーの雰囲気が追求されている。ゲームシステムは,ミッションを受けてそれをクリアすると,また次のミッションが出てくるリニアなものだが,総面積約64平方kmに及ぶというマップはかなり広大で,そこを徒歩や車で自由に移動できるようだ。ダンジョンあり平原地帯あり,あるいはゴシック調の神殿ありと,ロケーションもなかなか豊富である。
やがてEddieは,Opheliaという女性と知り合い,デーモンと戦うレジスタンスグループを支援していくことになる。彼の仕事は,奴隷となった人々を解放して,軍を作り上げることだ。
「電撃と火炎を食らわすギターが武器」「敵も味方も衣装がハードロック」など,ロックと関係のあるアイテムやセリフが随所に登場するが,残念ながらロックについて門外漢である筆者にはよく分からない部分も多かった。ただ,アメリカのメディアにはやたら受けていたので,詳しい人にはかなり面白い世界になっている模様である。
ロックのパワーで奴隷となっていたヘッドバンガー達を解放した主人公は,デーモンの軍勢と正面衝突する。この大規模な戦闘も本作の特徴の一つで,プレイヤーは「待機」や「攻撃」などの簡単な命令を下すことができ,最大40ユニット対40ユニットの戦いまで楽しめる。
ミッションの数はメインが23で,サブが30種類以上。サブミッションをこなすことで,特別な場所へ行けたり,特殊なアイテムが手に入ったりしてメインが進めやすくなる仕組みだ。
Brutal Legendは,最初の発表からはだいぶ遅れてしまったが,2009年の遅くに発売される予定になっている。対応機種は今のところXbox 360とPLAYSTATION 3が予定されており,日本語版については「検討中」とのことだった。
ただShafer氏は,自分の名刺に日本語の名前を入れるほどの日本好きのようだし,EAの広報担当者も「出るとすれば,英語版とほぼ同時になる」と微妙に具体的な発言をしていたので,可能性はあるかもしれない。
ただし,テーマがロックとダークファンタジーで,しかも全体的にユーモラスというか,アメリカンなバカバカしさの漂う本作だけに,ちょっとプレイヤーを選んでしまいそうな気はする。ともあれ,続報を待ちたい。
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