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ALIENWAREの新デザインコンセプト「Legend」とはいかなるものか? 新型ゲーマー向けノートPC発表会レポート
本稿では,発表会に合わせて来日し,新製品の特徴を解説したDell Gamingのプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるFrank Azor(フランク・エイゾール)氏が何を語ったのかを中心に概要をまとめてみたい。
ALIENWARE,GPUとCPUをユーザーが交換可能な「Area-51m」ノートPC発表。大幅にスペックを強化したDell Gシリーズ新製品も
北米時間2019年1月8日,Alienwareは,完全新作となる新型ノートPC「Area-51m」を発表した。独自の小型カードに載せたGPU,そしてデスクトップPC用CPUを採用しており,ユーザーがこれらを交換可能という,意欲的な製品だ。Dellから同時発表となった「Dell G」ノートPC新モデルともどもレポートしてみたい。
ALIENWARE,ゲーマー向け薄型ノートPCの新モデルとなる完全新作「m17」および第2世代「m15」を発表
北米時間2019年1月6日,Dellは,ゲーマー向け薄型ノートPCであるALIENWARE mシリーズの刷新を発表した。新製品は完全新作となる「ALIENWARE m17」と,第2世代の「ALIENWARE m15」の2モデルで,いずれもGPUとしてノートPC向けGeForce RTX 20シリーズを選択可能だ。
ALIENWAREの新たなデザインID「Legend」のもとに開発されたALIENWARE AREA-51m
ALIENWARE AREA-51mについては4Gamerでも何度か取り上げているので概要を把握している読者も多いだろう。ざっくりその特徴をまとめると,デスクトップ向けの8コア16スレッド対応CPU「Core i9-9900K」をはじめとするパワフルなCPUや,最新のGeForce RTX 20シリーズGPUを採用し,加えてCPUやGPU,メモリ,ストレージを換装可能にしたノートPCである。
その性能やカスタマイズ性はまさにゲーマー向けのデスクトップPC級で,Azor氏も「デスクトップPCからの置き換えを可能にする製品」だと述べている。
発表会でAzor氏は,そんなALIENWARE AREA-51mが誕生した経緯を振り返っていた。Azor氏によると,ALIENWAREは過去に三つの「デザインアイデンティティ」(デザインID)を世に送り出してきている。それらのデザインIDは「ゲーマー向けデバイスの業界に強い影響を与え,業界の象徴(アイコン)となった」とAzor氏は自負しているという。
そんなALIENWAREを手がけているAzor氏らが,次世代の製品デザインを検討するにあたって,現在の各社のゲーマー向けデバイスを見回したとき「似たようなものが溢れかえっている」という感が拭えなかったという。なので,前述のように業界に影響を与えてきたALIENWAREとしては「新たなデザインで破壊的なことを行いたい」と考えるに至ったそうだ。
そこでAzor氏らのチームは,7か月にわたって大量のSF映画やテレビ番組,あるいはSF小説,コミック,カルチャーといったものを調べ上げ,これこそが次世代のデザインIDというものを作り出したと語る。それがALIENWAREの四つめのデザインID「Legend」だ。
そんなLegendのデザインを決定するにあたってAzor氏らが留意したのは,これまで誰も見たことがないデザインであると同時に「誰から見てもALIENWAREらしさを感じるデザイン」にすべきという点だったという。
ALIENWARE AREA-51mはそんな新しいデザインIDのLegendに沿って開発された初めてのノートPCということになる。ならばLegendとは具体的にいったいどういうデザインなのかだが,Azor氏はその特徴を次のように語っている。
まず「パフォーマンス」である。業界をリードする最高のパフォーマンスにフォーカスした製品である,ということがLegendの条件になるそうだ。
さらに「インテリジェントな構造」を持ち「最先端の部材」を使い「細部に渡って最適化された製品設計」が行われていることもLegendの特徴だという。
そして「豊富なカラーオプション」や「AlienFXによるパーソナライズが可能」といった,個々のゲーマーの好みに沿ったカスタマイズができることもLegendの特徴であるとAzor氏はアピールしていた。
ALIENWARE AREA-51mに盛り込まれた新たなデザインIDLegendは「ゲーマー向けPC業界のデザインにおける大きな飛躍である」とAzor氏は強調していたが,実際にALIENWARE AREA-51mを眺めてみると,これまでのALIENWAREとは少し雰囲気が違うところを読者も感じ取ることができるのでないかと思う。
LegendはALIENWARE AREA-51mで終わりとうわけではなく,今後のALIENWARE製品にも採用されていくはずなので,今後の展開にも期待したいところだ。
アップグレードは自己責任
ただ,CPUにはデスクトップと同じLGA1151が用いられているのだが,LGA1151はピンが曲がりやすいことが知られている。もしソケットを壊してしまった場合はどうなるのか気になる読者もいるはずだ。
その点についてAzor氏は「アップグレードはあくまで自己責任で行ってもらうことになる」と語っていた。つまりアップグレード時にソケットを壊してしまった場合は,保証が効かないというわけだ。なのでAzor氏は「アップグレードに不安があるユーザーはDELLのサービスを利用してほしい」とアナウンスしていた。
また,GPUに関しては既報のとおり「Dell Graphics Form Factor」(DGFF)と呼ばれる専用のドーターカードで交換する形になっている。Azor氏によると,DGFFのアップグレード用GPUカードはALIENWARE AREA-51mと同時には発売されないと述べていたが,数か月後にはアップグレードが可能になると述べていたので,発売から数か月以内にはアップグレード用のDGFFカードがユーザーに提供されるようだ。
さらにAzor氏はGeForce RTX 20シリーズ以降のGPUについても,可能な限りDGFFカードを提供していけるようサードパーティと協議を行っているとも述べている。将来にわたってアップグレードが可能とはまだ明言できないようだが,ALIENWAREとしてはできる限りアップグレードパスを提供していく予定のようだったので,そのあたりが気になっている読者は今後のアナウンスをチェックしておくといいかもしれない。
ALIENWAREとRiot Gamesの提携を発表
一つは「League of Legends」で知られるRiot GamesとALIENWAREの提携だ。Azor氏によると,この提携によってLeague of Legendsの北アメリカリーグ(LCS),ヨーロピアンリーグ(LEC),そして日本リーグ(LJL)が,ALIENWAREのPCハードウェアとディスプレイで標準化されるとのことである。ディスプレイは25インチサイズで垂直リフレッシュレート240Hzに対応する製品で標準化されるとAzor氏は説明していたので「AW2518HF」が採用されるのだろう。
もう一つは,ALIENWAREがスポンサーに付いているプロゲーマーチームTeam Liquidに関するアナウンスだ。
ALIENWAREはALIENWAREは米国カリフォルニア州にTeam Liquidのトレーニング施設「Alienware Training Facilities」を開設して運営していることが知られていたが,新たなトレーニング施設を開設することをAzor氏は明らかにした。
二つめのトレーニング施設はオランダに置かれ,敷地は6000平方フィートに及ぶものになるそうだ。オランダに新設されるAlienware Training Facilitiesはゲームチームのトレーニングに使われるほか,ヨーロッパにおけるヘッドクオーターオフィスになる予定とのことである。
Azor氏はeスポーツについて「向こう10年で最もメジャーなスポーツになる」と断言していた。ALIENWAREとしてeSportsに今後も積極的に関わっていくことになりそうなので,これからの動向にも注目しておくとよさそうだ。
「ALIENWARE」公式サイト
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(C)2012 Dell