紹介記事
「Gear VR」は,安価で仮想現実(バーチャルリアリティ)に飛び込めるなかなか良い製品?
だが,バーチャルリアリティを体感するための安価な選択肢がないわけではない。そのなかから本稿で取り上げるのは,バーチャルリアリティ(以下,VR)ブームの火付け役となったOculus VRと,韓国Samsung Electronics(以下,Samsung)の共同開発によって生まれた「Gear VR」だ。本製品は,2万円前後で2015年5月に国内販売が開始されたが,現在は1万5000円前後まで値下がりし,いわゆる「Cardboard」的な,簡易的なものを除くVR対応HMDの中では,比較的お手頃の価格になっている。
初期投資を抑えつつ,VRの世界を体験できるGear VR
Gear VRは,Samsung製のAndroid搭載スマートフォン(※)をはめ込んで使用するという大胆な構成が特徴だ(関連記事)。関連アプリを画面の案内どおりにインストールする手間はかかるものの,Gear VRにスマホをはめ込んで頭に装着すれば,VRコンテンツをすぐに楽しめる。
なおGear VRは「Galaxy Note 5」「Galaxy S6」「Galaxy S6 edge」「Galaxy S6 edge+」をサポートしているが(関連記事),日本での公式対応機種はGalaxy S6 / S6 edgeの2機種となっている。
なので,Gear VRの話をするうえでは,Galaxy S6やGalaxy S6 edgeの価格は無視できないわけだが,Galaxy S6なら,たとえばNTTドコモでの新規契約や機種変更時の端末価格は(端末購入サポートの割引きが入って)1万368円(税込,2016年3月19日現在)で済む。スマートフォンの買い換えに合わせてGear VRも……というのであれば,かなり低い初期投資額でゲットできるのである。
スマホの画面でもVR体験に違和感なし?
視野角は96度で,ここもOculus Rift DK2の110度にやや劣っており,最先端のVRに迫る体験を味わえるわけではない。また,数分でスマホの発熱によってシステムメッセ―ジが表示され,VRコンテンツが自動で中断されてしまう点も気になるところだ。
しかし,Gear VRでは没入感が味わえない……というわけでもない。断崖絶壁の上で足が竦んだり,近づいてくる巨大な草食恐竜から身を引いたりと,少なくとも筆者はつい身体が反応してしまって,ヴァーチャルリアリティが十分に体感できた印象だ。
仮想現実をどうしても体験したい人には良い製品
そして現状,日本での公式の対応機種がGalaxy S6/S6 edgeの2つのみという,選択肢が非常に少ない点にも目をつむれば,周囲360度に広がる仮想現実の世界を見られるというわけだ。そう考えると「仮想現実をどうしても体験したい」という人にとっては良い製品ではないだろうか。
ちなみに,先日行われたGDC 2016では,Gear VR版「Minecraft」がプレイアブル出展されており(関連記事),あまり遠くないうちに“マイクラ専用機”として使える可能性もある。冒頭の繰り返しになるが,初期投資額の高さにいったん仮想現実を諦めていた人は,Gear VRに注目してみてほしい。
Galaxy「Gear VR」製品紹介ページ
※お詫びと訂正
初出時,本稿で取り上げている各種製品の価格に,さまざまな誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
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