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事件の発生を防ぐことも可能な本格推理ADV。「雨格子の館 PORTABLE 一柳和、最初の受難」のPSP版が9月17日に発売
本作は,同社の推理アドベンチャー“一柳和”シリーズの,第1作をPSPへ移植したもので,新要素として,新しいエピソードやイベントCG,ゲームの難度を調整した“easy mode”などが盛り込まれる。
本作の主人公である一柳和(いちやなぎなごむ)は,やけにトラブルに巻き込まれやすい,気の毒な大学生。プレイヤーは彼を操作し,やまない雨によって外界から隔絶された山奥の洋館を舞台に,自分以外の人物すべてが“役者”であり“容疑者”という状況下で,次々と発生する“見立て殺人”の真相を解明することになる。
タイムリミットは,館に救助がくるまでの7日間。期間中に発生する事件を阻止したり,あるいは起きてしまった事件を調査したりしつつ,真犯人を見つけ出すのだ。
また,オリジナル(PlayStation 2)版を楽しんだ人にとっては,新CGや新ルート“那須ルート”の追加などが,再プレイへのモチベーションをグッと高めてくれるはず。“一柳和の最初の受難”の結末を,よりプレイしやすくなったPSP版でぜひ見届けてほしい。
■オープニング■
一柳和(いちやなぎ・なごむ)は大いに困り果てていた。彼はトラブルに巻き込まれやすい性質だが、いつにも増して今回は酷い。思えば出だしからして良くなかった。バイト先が火事で全焼し、働くつもりだった数日間の予定がふいになった。その後、時間があるならとドライブをしていたら、人気もない山道で車がガス欠に陥ってしまった。しかも先ほどまで良かった天気も崩れ、ひどい雨まで振り出す始末で……まさに踏んだりけったりである。
「明かりが見えたと思ったんだけど、気のせいだったのかなぁ……」待っていても解決しないのだから仕方がない。かすかに灯りが見えた山の上部にむかって歩き出した。
「別荘…か、何かかな……?」木々を掻き分けて歩き、たどり着いたのは古めかしい洋館だった。入り口を求めて館の周りを移動する和は、何かに足をとられて転んでしまう。それは……どう見ても……人間にしか見えなかった。
「死んでる! この人、死んでるっ!!」ぴくりとも動かないそれを目の当たりにして、和は動揺を通り越してパニックに陥った。とにかく、誰かを呼ばなければ!そう考えた矢先、何者かに背後から殴られ、意識を失う……。
意識を取り戻した和は、件の洋館の中にいた。館内にいた人々が倒れている和を見つけ介抱してくれたのだという。状況を理解した和は、自分が死体を発見したこと、何者かに襲われたことを慌てて主張するが、館を訪れていた人たちは首を傾げるばかり。なにせ彼らは、和が見た“死体らしきもの”を見ていないのだ。和が倒れているのを発見したとき、彼のそばには死体などなかったらしい。そんな馬鹿な、和自身は転んだ際に、その“死体らしきもの”に触れている。存在していたのは確かなはずだが……。
“死体らしきもの”の件は腑に落ちないものの、奇妙なゲストとして館に迎えられることになった和。会話を交わすうちに、館に滞在する8人の男女が有名無名にかかわらず全員役者であることを知る。
個性的な役者たちは芝居の稽古をしたり談笑したりと、思い思いの時間を過ごしていたが、そんな空気を打ち砕くようにガラスの割れる音が館内に響く。驚き、音がしたらしい場所――館の外にある温室に一同は駆けつけるが、ガラスの割れたらしい痕跡はない。どういうことか? と、あたりを調べると、猫の置物とともに『復讐』と記された紙が温室に残されているのが発見される。和と役者たちしかいないはずの洋館で、いったい誰がこんな事を?不穏な空気が流れ始めた矢先、彼らが乗ってきた車のタイヤが何者かにパンクさせられる。
気まずい空気の解消されないまま、おのおのが眠りにつき、明けた翌朝、最悪の事態が起こる。役者の一人が本当に死体で発見される。しかも死体には何かを暗示するように奇妙な装飾がされた見立て殺人だった。悪ふざけと思われた『復讐』の文字が急に真実味を持ち始めた。
折り悪く、土砂崩れによって下山する道をふさがれ、館は完全に外界から孤立した。閉鎖環境の中、疑心暗鬼に陥り互いに接触を避けはじめる役者達。自分を守ることで精一杯な彼らは能動的に犯人を探す余裕もなく、下山予定であった一週間後を怯えながら待つ。次の殺人を阻止しようと奔走するのは、犯人の復讐とは無関係である和だけという状況である。
「予告」と「見立て殺人」の謎を解き、殺人を未然に防ぎ、真犯人を指摘することが出来るのか?タイムリミットは7日間。「それを過ぎちまったら犯人は――もう、誰も逃してはくれないでしょう」
■キャラクター紹介■
一柳 和(いちやなぎ・なごむ)167cm 58kg 21歳本編の主人公。大学生。山道で迷い、不幸にも館にたどり着いてしまった。普段から気が付くと途方に暮れるしかないような状況に陥っている事が多い、根っからの巻き込まれ体質。恐がり。「死んだじいちゃんの遺言なんだ! 『君子危うきに近寄らず』って!!」
- 関連タイトル:
雨格子の館 PORTABLE 一柳和、最初の受難
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