インタビュー
「Mad Catz」という会社名は仮称だった!? 社長兼CEOに訊く,Mad Catzのこれまでとこれから
同時に,Bluetooth接続型デバイスのラインナップをズラりと揃え,それらとつながるAndroidベースのゲーム機も市場投入を発表するなど,何をしようとしているのか,今ひとつ分かりくく見えるのも確かだ。
いったいMad Catzは何を考え,どこへ向かっているのだろうか。去る東京ゲームショウ2013のタイミングで4Gamerは,Mad Catzを率いるDarren Richardson(ダレン・リチャードソン)社長兼CEOにインタビューする機会が得られた。氏にMad Catzのこれまでとこれからを聞いてきたので,今回はその内容をお届けしたい。
実は仮称だった!?
Mad Catzという会社名の秘密
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。日本のメディアにDarrenさんが登場するのは初めてとのことで,まずはMad Catzという会社の成り立ちとこれまでの歴史を教えてください。
Darren Richardson氏(以下,Richardson氏):
最初は,ゲーム機用のゲームメーカーとして立ち上がったという経緯があります。その後,ご存じのように周辺機器メーカーとなり,初期は主に任天堂ハード向けのデバイスを主力として展開していました。
(2000年にカナダのGTR Groupによっていったん買収され,その後,社名を現在のMad Catz Interactiveへと変更するといった経緯を経て)現在はハードコアゲーマー向けの製品,高スペックの製品が中心になってきています。設立当初のラインナップと比べると,かなり変わったと述べていいでしょう。
4Gamer:
1990年代末もそうですが,2000年代の初めも,北米市場で流通していたMad Catzの製品は安価なものが多かったように思います。そこから製品の方向性が変わったタイミングというのはいつ頃なのでしょうか。
方針の変更があったのは2007〜8年頃ですね。
ご存じかもしれませんが,これはちょうどSaitekを買収したタイミングと重なります。フライトシミュレータ向けのスティックなどで知られるSaitekは,それまでのMad Catzとは異なり,エンジニアリングに長けるという特徴がありました。私達はそんなSaitekのエンジニアリングチームを統合することで,より高性能な製品を作ることができるようになったのです。
4Gamer:
Saitekの買収が契機だとは知りませんでした……。
Richardson氏:
ご指摘いただいたように,10年くらい前のMad Catzは,(安価なものを売っていくという意味で)セールスカンパニーでした。それがいまは,よい製品を作っていく会社になっているのです。ビジネスが,セールスからプロダクト(製品)ベースになってきたわけですね。
そして直近の5年は,マーケティングに力を入れています。ゲーマーのコミュニティをサポートして製品やブランドのイメージをアピールしたり,東京ゲームショウでは,昨年2コマしかなかったブースの大きさを今年は12コマに増やしたり。お客様に対する「コミットメント」(commitment,ここでは「献身」くらいの意味)をきちっと示していこうと考えています。
日本におけるMad Catzの代名詞的存在となるのは,やはりアーケードスティックだ。写真は「Arcade FightStick PRO」 |
PCゲーマー向けのワイヤードキーボード「S.T.R.I.K.E.3 Gaming Keyboard」 |
日本へは,まさにその,マーケティングに力を入れたタイミングでの市場参入となりましたよね。それと,Team Mad Catzのイメージも手伝って,日本では“アケコン屋さん”的なイメージが強いと思うのですが,Mad Catzという会社内で,現在の売り上げ比率はどうなっていますか。
Richardson氏:
現在は,PC向けの製品が全体の40〜45%を占めています。(日本では主に)ゲーム機向けの周辺機器メーカーとして認知いただいているわけですが,実際の売り上げですと,半分近くがPC向けになっていますね。
4Gamer:
その間,ほぼ一貫して用いられている「Mad Catz」というブランド名,そして社名ですが,“頭にきている猫”というのは,非常にユニークですよね。どういう意図で命名されたのでしょうか。
Richardson氏:
私は創業メンバーではないので,創業メンバーから聞いた話ですが,彼らが香港で会社名をどうしようかと話をしていたとき,横で2匹の猫が喧嘩を始めたんだそうです。それを見た彼らの奥さんが「Mad Catsってどう?」と言い出して,そこから,正式な会社名が決まるまでの仮称として,Mad Catzという名前をひとまず付けておいたという歴史があります。
4Gamer:
え,つまり,仮称をずっと使い続けてるってことですか?
Richardson氏:
そうなんですよ(笑)。正式な会社名が未だに決まらず,それでいまでもMad Catzを名乗っているという。
Mad CatzはBluetooth接続のデバイスで何をしようとしているのか〜M.O.J.O.とGameSmartの狙い
4Gamer:
Mad Catzブランドにおける最近の動きで気になるのは,「M.O.J.O.」(モジョ)であったり,「GameSmart」だったりといった,スマートフォンやタブレットに絡んだ製品展開です。これはいったい,どういう経緯で立ち上がったものなのでしょうか。
北米市場などで2013年12月に249.99ドルで発売予定となっている,「リビングルームの大画面テレビと接続してAndroid用ゲームタイトルをプレイするための据え置き型ゲーム機」ことM.O.J.O.(関連記事) |
GameSmartは,PCとスマートフォン,タブレット端末で広く利用可能な,Bluetooth接続のゲーマー向けデバイスを実現するための技術規格。Mad Catzが提唱し,ゲームデベロッパに採用を呼びかけている(関連記事) |
Richardson氏:
Mad Catzにはゲーム機向けの製品があり,PC向けの製品があります。そしてそこに,モバイル向け,要はAndroidやiOS向けの製品も追加していこうという話です。Mad Catzのあり方や方向性が変わったわけではありませんよ。
これまではゲーム機とPCが主なゲームプラットフォームでしたが,今日(こんにち)ではモバイル機でゲームをプレイする人が増えてきていますよね。その人達に向けた製品をMad Catzとして出していく,ということです。
その例がたとえば「R.A.T.M」であり,あるいはM.O.J.O.であるというわけですか。
Richardson氏:
そうですね。たとえばM.O.J.O.は極めて高い性能を持つAndroidベースのゲームプラットフォームですが,これを核として,Bluetooth接続デバイスの利便性や,「スマートフォンやタブレット端末のゲームがそのまま動く」というオープンプラットフォームならではの使いやすさ,そして,一度(Google Playなどで)アプリを購入してしまえば追加料金がかからないという価格面での優位性を,ゲーマーの皆さんに感じていただきたいと考えています。
4Gamer:
M.O.J.O.という製品の立ち位置をまだ掴みかねているのですが,「Andoridスマホやタブレット端末で購入したゲームを自宅にあるリビングルームの大画面テレビでプレイするためのデバイス」ということでいいのでしょうか。
Richardson氏:
理解としてはそのとおりです。ただ,私達の考えるM.O.J.O.のキーポイントは,高い性能を持つハードウェアであり,オープンプラットフォームであり,周辺機器とのスムーズな接続性の3つですね。
4Gamer:
そんなM.O.J.O.で,Mad Catzとしては何を狙っているのでしょう。ソニーやMicrosoftのようなプラットフォーマーになる……というわけではありませんよね。
Richardson氏:
もちろん,M.O.J.O.でゲーム機メーカーになろうとはまったく考えていません。
スマートフォンやタブレット端末で登場したタッチスクリーンベースのゲームは素晴らしく革命的でもありましたが,いまのところカジュアルなゲームが中心で,タッチスクリーンではプレイしづらいタイプのゲームもあります。たとえばFPSとかスポーツゲームですね。
4Gamer:
縦や横スクロール系のアクションなども含め,モバイル機用にアレンジされていない場合は,なかなか厳しいですよね。
Richardson氏:
ええ。そして,ここには大きな動きがあります。ご存じのとおり,AppleがiOS 7で新たにゲームコントローラをサポートしました。また,Android端末もiPhoneもiPadも,最新モデルは以前と比べて圧倒的に高い性能を持ち,ゲームをより楽しみやすいプラットフォームに成長してきています。
そのため私達は,向こう半年から18か月の間に,従来はゲーム機やPCでなければ楽しめなかったような規模やグラフィックスのゲームが,モバイル機向けにローンチされると考えています。もはや「エントリー」「カジュアル」などとは言えなくなるはずです。
4Gamer:
2年以内にそういう動きがある,と。
はい。同時に私達は,こうしたモバイル機における動きが,まだ始まったばかりだとも考えています。今後3〜4年の間にモバイル機はさらに高い性能を持つようになり,たとえば旅行先のホテルに備え付けられたテレビと自分のスマートフォンをつないで,世界中の仲間とゲームを楽しむといったことが,普通に行われるようになるはずです。
人々はこれまで以上に,モバイル機で真剣にゲームをプレイするようになるでしょう。
私達がフォーカスしているのは,このエコシステム(ecosystem,生態系。ここでは「使われ方」くらいの意)です。GameSmart対応のモバイル機に向けて,高い品質の入力インタフェースを用意することで,ゲーム機やPCのデベロッパが,低いコストでモバイル機用ゲームを開発できるよう,エコシステムを整えるための製品群なのです。
4Gamer:
GameSmartは「PCやスマートフォン,タブレット端末に広く対応した,ワイヤレスのゲーマー向けデバイス普及を目指してMad Catzが立ち上げた規格」とアナウンスされていますが,エンドユーザーから見た場合のメリットはどこにありますか。
Richardson氏:
端的に述べると,GameSmartデバイスは,コアゲーマー向けの製品と同じ品質を持っています。分かりやすいところでいうなら,マウスのセンサーは,従来製品とGameSmartデバイスで変わりません。
また,GameSmartでは,インタラクティブなプラットフォームにふさわしい,低い遅延を,Bluetoothチップ,あるいはスタック(stack,ここでは「複数製品間の組み合わせ」的な意)レベルで実現しています。一般的なBluetoothデバイスは数十msの遅延があると思いますが,GameSmart製品は常時7ms以内に遅延を抑えていますし,マウス製品のR.A.T. Mでは2ms以内です。ゲーム機やPCに匹敵するゲーム体験を実現できるのです。
GameSmartであれば,既存のゲームタイトルをモバイル環境へ持ってくるときに,スケールダウンさせることなく,そのままプレイできる。それによって,ゲーマーの体験が広がる世界を私達は目指しています。
4Gamer:
将来的には,すべてのMad Catz製デバイスがGameSmart対応になっていくということになるのでしょうか。
Richardson氏:
すべてかどうかは分かりませんが,将来,ゲームパッドやマウス,キーボードではない入力デバイスがモバイル端末で利用されるようになることは十分にあり得るでしょう。
ただ,いまはまだ初期段階でもあります。現在はモバイル機においてタッチスクリーンがゲームをプレイする方法の1つとして確立されています。一方でFPSやスポーツゲームを楽しみたい人もいるはずで,Mad Catzとしては,ゲームパッドをはじめとするコントローラによって,モバイル端末でもゲーム機やPCで同じ体験ができるゴールを目指し始めたところですね。
4Gamer:
モバイル機のプラットフォームは進化していくというお話でしたが,そのなかでGameSmartの旗艦デバイスとしてのM.O.J.O.も,将来的にはもっと高い性能のものに刷新されていくということでしょうか。
そのとおり。モバイル機のパフォーマンスが上がり,コントローラが進化していけば,それに合わせて,より進化したM.O.J.O.を出していくつもりです。
「Androidのゲームプラットフォーム」としては,よく知られた「OUYA」がありますよね。OUYAはどちらかと言えばエントリー市場を狙っている製品だと思うのですが,それに対し,M.O.J.O.は常に最高の性能を持つAndroidゲーム機を目指していきます。
となると,NVIDIAの「SHIELD」に近い存在と言ったほうが適切でしょうか。
Richardson氏:
確かにSHIELDと近いとは言えるでしょう。ただ,SHIELDはディスプレイやコントローラを統合したものであるのに対し,M.O.J.O.はディスプレイとしてテレビを使い,コントローラの接続にはBluetoothを使います。リビングで,ゲーム機のように使う。これがSHIELDとの大きな違いですね。
ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアが,据え置き型PlayStation Vita的な「PlayStation Vita TV」(以下,PS Vita TV)を発表しました。ここまでのお話を聞いていると,“OUYA足すSHIELD割る2”というよりは,PS Vita TVに近いコンセプトのようにも感じますが,PS Vita TVの存在はどう認識していますか。
Richardson氏:
ご指摘のとおり,とても近いコンセプトの製品だと思います。PS Vita TVはストリーミングでもゲームができるとのことなので,選べるゲームタイトルの数はかなりのものになるでしょう。
ただし,M.O.J.O.とはビジネスモデルが異なります。M.O.J.O.なら,スマートフォンで購入したAndroid用タイトルをそのままプレイできるのです。
あえて言えば,PS Vita TVはPS Vitaユーザーのためのエコシステムだと思います。PS Vitaには素晴らしいゲームがあり,コントローラも完璧にサポートされていますが,M.O.J.O.には異なる可能性があり,とても大きな市場があると,私達は考えています。
ブランドを整理して
プラットフォームの融合に備える
4Gamer:
CEOであるDarrenさんにしか聞けないことを,ここからは聞いていきたいと思います。
最近,CyborgブランドがMad Catzブランドに統合されましたね。R.A.T.シリーズのマウスにロボットの顔ではなく爪ロゴが付いたときはなかなか感慨深かったですが,まず確認として,現在はMad CatzとSaitek,TRITTONの3ブランド体勢に集約されたという理解でいいのでしょうか。
Richardson氏:
はい,そのとおりです。
4Gamer:
Mad Catzブランドのカバー範囲はどこからどこまでなのですか。ゲーム機向けブランドかなと思ったら,それこそR.A.T.のような製品が出てきているわけですが。
Saitekは,フライトシミュレータの分野でマーケットリーダーとして高い知名度を誇ります。TRITTONは,ゲーム機向けのハイエンドヘッドセットブランドとして,多くの国でよく知られています。
ではMad Catzはどうか,というお話ですが,ご指摘のとおり,以前はゲーム機向けのブランドとして知られていました。ただ,今回のCyborgブランド統合によって,マウスやキーボードといった製品もMad Catz製品として認知をいただけるようになってきました。
Cyboargブランドを終息させた理由は,実のところここにあります。「Mad CatzのCyborgのR.A.T.マウス」だとややこしいですよね(笑)。会社名とブランド名が2つ並んだ状態では,消費者が受け入れづらい。「Mad CatzのR.A.T.マウス」のほうがずっといいだろうという判断を下した結果です。
また,先ほどのお話にも出てきましたが,今後はプラットフォームがシームレスなものになっていくでしょう。ゲーム機とPC,モバイル機のすべてをMad Catzがカバーするのだと認識されることで,私達が得るメリットが大きくなるというのも,理由の1つです。
4Gamer:
では,そんなMad Catzブランドとして,いま注目しているゲームハード,あるいはゲームジャンルのようなものはありますか。
Richardson氏:
それはもちろんGameSmartですが(笑),新しいカテゴリーとして,レース用のデバイスも始めることにしました。これは,Saitekが培ってきたフライトシミュレータ向け製品の技術を応用したものです。Mad Catzブランドで,次世代機向けに,ステアリングホイールやペダル,それらのセット品をリリースします。
東京ゲームショウ2013ではXbox One向けのステアリングコントローラが参考展示されていました(関連記事)。まずXbox One用が出てきたというのは,Xbox Oneのローンチタイトルに「Forza Motorsport 5」があるからですよね,きっと。
今後,PlayStation 4(以下,PS4)用にもステアリングコントローラは当然出てくるという理解でいいのでしょうか。
Richardson氏:
もちろんです。繰り返しになりますが,私達はすべてのゲームプラットフォームに力を入れています。今回はForzaの新作があるので,Xbox One用を優先していますが,PS4やPC,あるいはiOSなどに対しても同じように動いていきますよ。
4Gamer:
ところで,展示されていたステアリングコントローラはあくまでもXbox One用となっていましたよね。Xbox 360は非対応ということでいいのでしょうか。
Richardson氏:
はい,対応していません。
4Gamer:
Xbox OneとXbox 360で周辺機器は共用できないんですね……。
Richardson氏:
それはなんとも言えません。PS4とPlayStaion 3も含め,共通で使えたほうがいいというゲーマーの気持ちは私達もよく分かります。しかし,この部分を決めるのは,プラットフォーマーですから。
4Gamer:
確かに……。
ところで,ステアリングコントローラのほかには何かありますか。
Richardson氏:
もちろん計画はありますが,まだ何もお話しできません(笑)。
そうですね……。ヒントになるかは分かりませんが,我々は間近に迫っている新しい次世代ゲーム機の立ち上げにとても期待しています。それに合わせて,私達も新しい製品を皆さんにアナウンスできるようになると思いますよ。
4Gamer:
新製品に期待してます。最後に,日本のメディアに登場するのは初めてと聞いていますので,ぜひ,国内のゲーマーに対してメッセージをお願いします。
はい。Mad Catzは,日本の市場,日本のゲーマーを大切に考えています。2年半前に日本法人を設立して,日本向けの製品開発,日本向けのパッケージやサポート,店頭販売と,1つ1つ,力を入れて進めてきました。
今回の滞在では店頭の視察にも行ってきたのですが,日本のゲーマーから確実にMad Catzの支持が集まっていることを実感できました。日本の販売店やパートナーのご支援にも深く感謝したいと思います。
3年前,私達の売り上げ全体に占めるアジア太平洋地域のシェアはわずか2%しかなかったのですが,いまでは10%超にまで拡大しています。日本の市場に対して期待していますし,日本のゲーマーの支持にも感謝しています。
2012年の東京ゲームショウに,Mad Catzとしては初めて出展しましたが,今年,その6倍の規模にまでブースを拡大したのは,皆さんに,もっともっとMad Catzを知っていただいて,かつ,楽しんでいただきたかったからです。今後も活動は強化していきますので,ぜひMad Catz製品をかわいがってください。
3プラットフォームで勝負をかけることになるMad Catz
海外市場では,OUYAやSHIELDなど,Androidベースのゲーム機が,ここ1年の間に次々と発表され,登場してきている。インタビュー中でRichardson氏が時間を割いて説明していたM.O.J.O.も,まさにそうしたものの1つなわけだが,そこに流れる思想が,「Androidが勝つ」でも「モバイル機が勝つ」でもなく,「ゲーム機とPCに続く,もう1つのプラットフォームが本格的に立ち上がるから,そこにも広く展開していくのだ。展開する以上は,ゲーム機やPCの操作性をそのままモバイルにも持っていくのがベターだ」というのが,非常にユニークなところだと思う。
GameSmartという技術規格が一般的になものにならない限り,GameSmart対応デバイスは単なるBluetooth接続デバイスになってしまうため,ここが大きなハードルではあるが,GameSmartリファレンス機としてのM.O.J.O.が一定の評価を得ることができれば,状況も変わってくるのではなかろうか。
ニンテンドー3DSに代表されるモバイルゲーム機が人気の日本に住んでいると,今ひとつピンとこないところではあるのだが,世界市場では,「ゲーマーの一定層がモバイル端末をゲームのメインプラットフォームに据える」という予測に現実味が出てきている。“Androidゲーム機”が欧米市場で次々と登場してきているのも,まさにこの予測によるもので,Richardson氏が語っていた将来のゲームプラットフォーム像も,決して突拍子もないものではないのだ。
M.O.J.O.が欧米市場で受け入れられるどうかはもちろんのこと,欧米市場で加速しているモバイル機へのシフトが,どういう結果を生み,どういう影響を日本市場へ及ぼすかも,ゲーマーとしては追っておいたほうがいいように思われる。
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