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[TGS 2019]日本におけるeスポーツ拡大の鍵は「ゲーミングカフェ」? BenQとパートナー企業が普及に向けてタッグを組む
BenQがテーマとしたのは「ゲーミングカフェ」。ゲームプレイに重点を置いたネットカフェのことである。
とくに韓国や中国では,「PC房」(ピーシーバン)と呼ばれるゲーミングカフェが2000年代初期から数多く存在しており,PCゲームの普及促進に欠かせない存在だった。筆者も韓国で取材したことがあるが,Samsung Electronicsのような超大手エレクトロニクス企業が運営するチェーン店もあるほどで,学生や家族連れで賑わっていたものだ。
もちろん日本にも,呼び名はいろいろだがゲーミングカフェに類する店舗はあちこちにある。ただ,広く普及して多くのゲーマーが足を運ぶようなほどではない。普及が進まなかった理由はいろいろあるだろうが,国内においてPCゲームが据え置き型ゲーム機のゲームほど普及していない理由の1つに,ゲーミングカフェの不在を挙げる声は少なくなかった。
BenQは,日本においてゲーミングカフェの不在が続くことは,世界的には主役であるPCゲームベースのeスポーツの普及を阻害すると考え,その解決のために立ち上がったのだという。そして,「e-sports SQUARE AKIHABARA」やさまざまなeスポーツ関連イベントの運営を手がけるRIZeST,ネットカフェ運営事業やイベント事業,コンテンツ流通事業を手がけるテクノブラッドとタッグを組んで,ゲーミングカフェのビジネスに取り組みたいと考えている事業者に対する支援を行う取り組みを始めた。今回のブース出展は,その取り組みをアピールするためのものというわけだ。
ブースでは,BenQ製のディスプレイやデバイス類,eスポーツ関連事業にも力を入れているサードウェーブのゲーマー向けPC,そしてテクノブラッドが開発したゲーミングカフェ向けコンテンツ配信システムとなる「デスクトップランチャー」などを組み合わせたデモを展示していた。ゲーミングカフェの運営に必要となる基本的なシステムのサンプル事例を見せる内容だ。
ただ,ブースで直接商談をするというわけではなく,興味持った事業者に対しても,BenQ製品の購入を必ず求めるということもないそうだ。あくまでもゲーミングカフェ事業に取り組んでみたいという事業者に対してのサポートを提案し,事業実施へのハードルを下げることで,日本におけるeスポーツの普及を目指すというのが,BenQの狙いとのことだった。
加えて,BenQとRIZeST,そして京都を基盤にeスポーツ事業に取り組むスサノオは共同で,9月13日に行われたTGSフォーラムにて,「eスポーツ参入への第一歩」と題した講演を行った。講演もまた,3社のeスポーツビジネスへの取り組みを説明したうえで,ゲーミングカフェ事業への参加を呼びかけるものだった。
BenQは世界市場においてもeスポーツ事業への支援を行っているので,今回の取り組みもグローバルで展開している社を挙げた取り組みなのかと思ったが,ブースの担当者によるとそうではなく,あくまでも日本法人独自の活動であるという。パートナー企業として,日本のRIZeSTやテクノブラッド,サードウェーブと組んでいるのも,日本のニーズに合わせたサポートができる企業であるからだろう。
すぐに結果が出るようなものではなく,長期的な視点が必要な難しい取り組みだとは思うが,PCゲームとeスポーツの裾野を広げるものとして歓迎したい。
BenQ日本語公式Webサイト
4Gamerの東京ゲームショウ2019特設サイト
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ZOWIE(旧称:ZOWIE GEAR)
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XL,XR,RL
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