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ZOWIEブランド初のワイヤレスマウスは混信に強い? 2023年登場のマウスを日本で初披露
イベントで披露された試作品を写真で紹介するとともに,どのような特徴を備えているのかを簡単に紹介しよう。
ただ,会場にあった試作機を確認したところ,「EC1-CW」「EC2-CW」「EC3-CW」と書かれていたので,基本的にはZOWIE ECシリーズをベースに,ワイヤレス化を行った製品であるようだ。
実際に試せる形で展示されていたEC1-CWの試作機は,外観で見る限り,「EC1-C」とほぼ同じ右手用のデザインを踏襲している。バッテリーやアンテナを内蔵する必要があるので,重量はさすがにやや重いようだが,それでも100g未満を実現しているという。
開発中のワイヤレスマウスにおける特徴は,通信状況が悪い環境でも安定したワイヤレス通信を維持できることにあり,それこそが,ZOWIEからなかなかワイヤレスマウスが登場しなかった理由であるという。
ZOWIEがとった解決策のひとつは,PC側に接続するUSBワイヤレスアダプタのアンテナを大きくすることだ。PC用マウスのUSBワイヤレスアダプタは,USBメモリよりも小さな指先サイズであるのが一般的である。コンパクトで邪魔になりにくいのが利点であるものの,アンテナを非常に小さくしないと,内部に組み込めないので,安定した通信には本来適さない。それに対して,ZOWIEのワイヤレスマウスでは,より大型の「Enhanced Receiver」を使ってマウスと通信することで,安定した通信を実現しているという。
Lin氏は,通信状況が悪い場面を再現したデモ環境を使い,ZOWIE製ワイヤレスマウスがどれだけ安定した通信を実現できるかを披露してみせた。
まずLin氏は,他社製のワイヤレスマウス2台を順にテストして,通信状況が悪いところで円を描くようにマウスを動かした。すると,マウスの軌跡はきれいな曲線にならず,ややガタガタした線になってしまう。
しかし,同じ環境でもZOWIE製ワイヤレスマウスとEnhanced Receiverの組み合わせであれば,同じ環境でもきれいな曲線を描ける。USBレポートレートの実数も,ZOWIE側は安定して高い。これは安定した通信能力を示すものであると,Lin氏は誇らしげだ。
ワイヤレスマウスが通信に使う2.4GHz帯は,無線LANやBluetoothでも使われている周波数帯であるため,スマートフォンやタブレット端末,ゲーム機が多数ある環境では,かなり混雑しがちだ。通信が瞬間的に途切れるということもあり得る。そうした環境でも安定したプレイが可能というのは,ZOWIE製ワイヤレスマウスの利点となるかもしれない。
製品の正式発表は2023年になってからの予定とのことなので,期待したい。
BenQがeスポーツ向けディスプレイでTN液晶パネルを使い続ける理由とは?
Lin氏は,ワイヤレスマウスだけでなく,ZOWIEブランドの液晶ディスプレイにおけるこだわりについても紹介した。
BenQが2022年11月に国内発売した液晶ディスプレイ「XL2566K」(関連記事1,関連記事2)は,垂直最大リフレッシュレートが360Hzというのが大きな特徴の製品だが,液晶パネルとして,最近では珍しいTN方式のパネルを採用しているのがポイントである。
IPS方式液晶パネルが,中間調(Gray to Gray)応答速度約1ms,リフレッシュレート360Hzに対応できるようになったこともあり,ここ1年ほどで登場した360Hz表示対応液晶ディスプレイは,IPS方式パネルを採用するものが多い。しかしBenQは,TN方式パネルのほうが,eスポーツ用途には適していると考えているそうだ。
その理由は,同じ360Hzで表示してもTN方式のほうが中間調応答速度で優れるため,残像感のない映像を表現できるからであると,Lin氏は説明する。わずかな残像感とはいえ,eスポーツのトップで戦うプレイヤーにとっては有利不利が分かれることもあろう。そういう競技ゲーマーに向けたディスプレイであるなら,IPS方式よりもTN方式のほうがよい体験をもたらせるというのが,BenQの考え方であるわけだ。
ゲーマーの中でも特殊なニーズに応える製品ではあるが,eスポーツのトップで戦うプレイヤーにとっては,替えの効かない価値を提供できる製品と言えようか。
eスポーツ向けにディスプレイを選ぶ人は,そうした点も注意して製品選びに生かすといいだろう。
BenQ ZOWIE公式Webサイト
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