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AMD,「Asia Pacific Fusion Tech Day」でAPUの優位性をアピール
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印刷2011/01/27 22:11

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AMD,「Asia Pacific Fusion Tech Day」でAPUの優位性をアピール

 2011年1月26日,AMDはシンガポールの「Shangri-la Hotel Singapore」において「AMD Asia Pacific Fusion Tech Day」を開催し,アジア太平洋市場におけるFusion APU時代の幕開けを宣言した。

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AMD Asia Pacific Fusion Tech Dayのオープニングスピーチを務めたBen Williams氏(Corporate Vice President and General manager, AMD Asia Pacific)
 同社で日本や韓国,中国市場以外のアジア太平洋地域を統括するBen Williams(ベン・ウィリアムズ)副社長兼ジェネラル・マネージャーは,CPUとGPUを1つのダイに統合したFusion APUが,すでに35種類のシステムと,25種類のマザーボードに採用され,間もなく出荷が開始されると発表。同氏は「成長著しいインドやマレーシア,インドネシアなどの新興国において,安価でかつ性能のよい製品が求められている」として,先頃発表した同社初のAPU,「E-Series」「C-Series」がこれらの需要を満たす最適な製品だと述べている。


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35種類のPCシステムにFusionプラットフォームが採用されたという
画像集#002のサムネイル/AMD,「Asia Pacific Fusion Tech Day」でAPUの優位性をアピール
Fusion APUを採用するパートナー企業のスライド

画像集#004のサムネイル/AMD,「Asia Pacific Fusion Tech Day」でAPUの優位性をアピール
アジア太平洋地域における主要ノートPCパートナーが,Fusion APU搭載ノートPCを手に,勢揃いした

 続いて,調査会社International Data Corporationの(IDC)アジア太平洋支部で,クライアントデバイスを担当するBryan Ma(ブライアン・マー)副社長が,日本を除くアジア太平洋地域における2011年のPC市場予測を述べた。その中でMa氏は,「PCは高性能グラフィックスを搭載することが当たり前になる」とする一方で,「ディスクリートGPUの搭載比率は減少傾向に転じる」として,今後は高性能なグラフィックスを統合したAPUがPC市場を牽引していくことになると分析している。

画像集#038のサムネイル/AMD,「Asia Pacific Fusion Tech Day」でAPUの優位性をアピール
IDCのBryan Ma氏(Associate Vice President, Devices & Peripherals, Domain Research & Practice Group, International Data Corporation Asia Pacific)
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アジア太平洋地域における2011年のPC市場のトレンド予測
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PS3やXbox 360などのゲームコンソールが家庭に浸透したことで,PCでも同等以上のグラフィックス品質やパフォーマンスが求められると見ている

画像集#008のサムネイル/AMD,「Asia Pacific Fusion Tech Day」でAPUの優位性をアピール
PCにおける単体GPUの実装比率。ノートPCなどではGPUの搭載比率が上昇していたが,2011年を境に減少傾向に転じると分析。今後は,より高性能な統合型グラフィックス機能が求められると説明した
画像集#009のサムネイル/AMD,「Asia Pacific Fusion Tech Day」でAPUの優位性をアピール
日本を除いたアジア太平洋地域のモバイルPCデバイス出荷割合を記したスライド。左側が2010年の出荷実績,右側が2014年の出荷予測となる。Ma氏はタブレット端末がNetbookなどの低価格ノートPC市場を侵食し,シェアを伸ばすものの,ノートPCがモバイルPCデバイスの主流から外れることはないと述べた
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インドやインドネシアは出荷量が35%以上の伸びを見せており,中国とともにアジア太平洋地域において,PC市場の成長を支えているという

画像集#011のサムネイル/AMD,「Asia Pacific Fusion Tech Day」でAPUの優位性をアピール
Leslie Sobon氏(Coporate Vice President, Prouct Marketing, AMD)は,シンガポールでのイベントにもかかわらず,1円玉を掲げて「このサイズに2つのCPUとGPU,フルHDビデオ機能を統合したのが,Fusion APUだ」とアピール
 次に,AMDでプロダクトマーケティングを統括するLeslie Sobon(レスリー・ソボン)副社長が登壇。E-SeriesおよびC-Seriesの概要を改めて紹介した。開発コードネーム「Zacate」(ザカテ)で知られるE-Seriesを300〜399ドル台のノートPC向け,その下位モデルで9WのTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)を実現した「Ontario」(オンタリオ,開発コードネーム)ことC-Seriesを200〜299ドル台のNetbook向けにそれぞれ提供することで,低価格ノートPCの性能の底上げし,アジア太平洋市場におけるシェア拡大を図りたい意向だ。

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E-SeriesとC-SeriesがそれぞれターゲットにしているノートPC市場とその成長予測
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「E-350/1.6GHz」搭載ノートPCは「3DMark 06」で「Pentium P6000/1.86GHz」搭載ノートPCより30%高速という
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「E-350/1.6GHz」搭載のノートPCは12時間以上バッテリーで駆動するそうだ

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A-Seriesは,Phenom IIシリーズと同じ4つのK10コアと,DirectX 11グラフィックスを統合。その浮動小数点演算性能は500GFLOPS以上になるとのこと
 また,Sobon氏は,2011年半ばに市場投入が予定されているメインストリーム市場向けの「Llano」(ラノ,開発コードネーム)こと「A-Series」では,浮動小数点の演算性能が500GFLOPSを超え,C-Series比5倍以上の性能を実現する見通しであることを明らかにした。
 同APUはGLOBALFOUNDRIESの32nm HKMG SOIプロセス(HKMG:High-K Metal Gate)を採用し,4つのCPUコアを統合している。また,E-Seriesよりも強力なDirectX 11グラフィックス機能をも統合しながら,8時間以上のバッテリー駆動を可能にする「AllDay Power」を実現するという。

 加えて氏は,「APUのアドバンテージは,省電力性と,単体GPUに匹敵する性能だけでなく,『使い続けていても熱さを感じない低発熱性も備えていること』だ」とアピール。続けて「Atom N550/1.50GHz」を搭載したNetbookと「C-50/1.0GHz」を搭載したノートPCで,サーモグラフィーによる温度比較を行ったビデオを披露した。


画像集#016のサムネイル/AMD,「Asia Pacific Fusion Tech Day」でAPUの優位性をアピール
サーモグラフィーによるAtom N550搭載Netbookのキーボード部分。温度は31.2℃(カーソル部)で,その周辺の赤くなっている部分はもっと熱くなっている
画像集#017のサムネイル/AMD,「Asia Pacific Fusion Tech Day」でAPUの優位性をアピール
C-50搭載製品では,キーボードの温度は29.6℃で,発熱も低いとアピール

 最後にSobon氏は,Intelが主張する「グラフィックスはそこそこ(Good Enough)で十分」という主張は間違いであり,「ビデオだけでなくゲームやWebアプリケーションでも,より快適な環境を求めるユーザーには,優れたグラフィックス機能が不可欠である」と断言。これからのPC市場,とくにノートPC市場を,トップ・トゥー・ボトムのラインナップを揃えるFusion APUで牽引していく意向を示した。


APUの進化は次のステージへ


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同社でFusion APUを統括するJoe Macri氏(Corporate Vice President, CTO Client Division, AMD)
 AMDは,APUに対する今後の取り組みについても明らかにした。同社でFusion APUを統括するJoe Macri(ジョー・マクリー)CTO兼副社長は,「APUの第1ステージはCPUとGPUをシングルチップに統合し,限られたメモリ帯域幅のなかでCPUとGPUコアの性能を引き出した。さらに,動的に電力管理を行い,省電力なプラットフォーム作りに注力した」と説明。
 加えて,「並列処理性能を引き上げるために,新たなソフトウェア階層を構築してCPUとGPUコアがシームレスなメモリアクセスや命令処理をできるようにするのがFusion APUにおける次のステップだ」と述べていた。この詳細は6月半ばにワシントン州シアトル郊外で開催される「AMD Fusion Developer Summit」で明らかにする予定とのことだ。

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Fusion APUの並列処理性能をさらに引き出せるよう,ソフトウェア階層の最適化に着手するという
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同社のソフトウェア階層の最適化は,Fusion APUやCPU,GPUの違いを意識することなくユーザやアプリケーションが効率的に“コア”を使えるようにすることだと述べた
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A-Seriesでは,Hybrid CrossFireXをサポートする計画が明らかにされた

 Fusion APU搭載製品の第1弾は,いよいよ市場投入が間近となっている気配だが,AMDはすでにその先となる次世代APUプラットフォームの整備に向けてスタートを切っている。「我々は,APUのアドバンテージを維持しつつ競合との差を広げるために,APUの進化を加速させる」(Sobon氏)として,2011年半ばのA-Series投入後も,Fusion APUのさらなる性能向上を図っていく意向を示す。
 x86 CPUとDirectX 11のグラフィックスコアを併せ持つFusion APUの強みを活かすべく,最適化したソフトウェア階層の整備を進めることで,同プロセッサの強みを活かせる環境を早急に立ち上げよう,というわけである。


会場に展示されていたFusion APU搭載製品


 以下,会場に展示されていたFusion APU搭載製品を,まとめてお伝えしたい。なお製品名はAMDによるもので,正式発表時には異なる可能性がある点に注意してほしい。

■マザーボード

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ASRock製「E350M1」
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ASUSTeK Computer製「E35M1-I DELUXE」
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ASUSTeK Computer製「E35M1-M PRO」
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ECS製「HDC-I」
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ECS製「HDC-3.8L」
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SHENZHEN JIEHE TECHNOLOGY DEVELOPMENT製「Giada E350」
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GIGABYTE Technology「E35-N-USB3」
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MSI「E350IA-E45」
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Sapphire Technology「Mini-ITX」
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J&W Technology「Brazos MC01」
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Fusion APUのチップ


■miniPC/ベアボーン

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Tul製「PowerColor Mini PC Combo」
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Tul製「PowerColor Mini PC」
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ZOTAC International製「ZBOX-AD03BR」
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ZOTAC International製「ZBOX-AD02」
画像集#037のサムネイル/AMD,「Asia Pacific Fusion Tech Day」でAPUの優位性をアピール
SHENZHEN JIEHE TECHNOLOGY DEVELOPMENT製「Giada A50 Mini PC」
  • 関連タイトル:

    AMD E-Series,AMD C-Series

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