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AMD,「Asia Pacific Fusion Tech Day」でAPUの優位性をアピール
AMD Asia Pacific Fusion Tech Dayのオープニングスピーチを務めたBen Williams氏(Corporate Vice President and General manager, AMD Asia Pacific) |
35種類のPCシステムにFusionプラットフォームが採用されたという |
Fusion APUを採用するパートナー企業のスライド |
アジア太平洋地域における主要ノートPCパートナーが,Fusion APU搭載ノートPCを手に,勢揃いした |
続いて,調査会社International Data Corporationの(IDC)アジア太平洋支部で,クライアントデバイスを担当するBryan Ma(ブライアン・マー)副社長が,日本を除くアジア太平洋地域における2011年のPC市場予測を述べた。その中でMa氏は,「PCは高性能グラフィックスを搭載することが当たり前になる」とする一方で,「ディスクリートGPUの搭載比率は減少傾向に転じる」として,今後は高性能なグラフィックスを統合したAPUがPC市場を牽引していくことになると分析している。
Leslie Sobon氏(Coporate Vice President, Prouct Marketing, AMD)は,シンガポールでのイベントにもかかわらず,1円玉を掲げて「このサイズに2つのCPUとGPU,フルHDビデオ機能を統合したのが,Fusion APUだ」とアピール |
E-SeriesとC-SeriesがそれぞれターゲットにしているノートPC市場とその成長予測 |
「E-350/1.6GHz」搭載ノートPCは「3DMark 06」で「Pentium P6000/1.86GHz」搭載ノートPCより30%高速という |
「E-350/1.6GHz」搭載のノートPCは12時間以上バッテリーで駆動するそうだ |
A-Seriesは,Phenom IIシリーズと同じ4つのK10コアと,DirectX 11グラフィックスを統合。その浮動小数点演算性能は500GFLOPS以上になるとのこと |
同APUはGLOBALFOUNDRIESの32nm HKMG SOIプロセス(HKMG:High-K Metal Gate)を採用し,4つのCPUコアを統合している。また,E-Seriesよりも強力なDirectX 11グラフィックス機能をも統合しながら,8時間以上のバッテリー駆動を可能にする「AllDay Power」を実現するという。
加えて氏は,「APUのアドバンテージは,省電力性と,単体GPUに匹敵する性能だけでなく,『使い続けていても熱さを感じない低発熱性も備えていること』だ」とアピール。続けて「Atom N550/1.50GHz」を搭載したNetbookと「C-50/1.0GHz」を搭載したノートPCで,サーモグラフィーによる温度比較を行ったビデオを披露した。
サーモグラフィーによるAtom N550搭載Netbookのキーボード部分。温度は31.2℃(カーソル部)で,その周辺の赤くなっている部分はもっと熱くなっている |
C-50搭載製品では,キーボードの温度は29.6℃で,発熱も低いとアピール |
最後にSobon氏は,Intelが主張する「グラフィックスはそこそこ(Good Enough)で十分」という主張は間違いであり,「ビデオだけでなくゲームやWebアプリケーションでも,より快適な環境を求めるユーザーには,優れたグラフィックス機能が不可欠である」と断言。これからのPC市場,とくにノートPC市場を,トップ・トゥー・ボトムのラインナップを揃えるFusion APUで牽引していく意向を示した。
APUの進化は次のステージへ
同社でFusion APUを統括するJoe Macri氏(Corporate Vice President, CTO Client Division, AMD) |
加えて,「並列処理性能を引き上げるために,新たなソフトウェア階層を構築してCPUとGPUコアがシームレスなメモリアクセスや命令処理をできるようにするのがFusion APUにおける次のステップだ」と述べていた。この詳細は6月半ばにワシントン州シアトル郊外で開催される「AMD Fusion Developer Summit」で明らかにする予定とのことだ。
Fusion APUの並列処理性能をさらに引き出せるよう,ソフトウェア階層の最適化に着手するという |
同社のソフトウェア階層の最適化は,Fusion APUやCPU,GPUの違いを意識することなくユーザやアプリケーションが効率的に“コア”を使えるようにすることだと述べた |
A-Seriesでは,Hybrid CrossFireXをサポートする計画が明らかにされた |
Fusion APU搭載製品の第1弾は,いよいよ市場投入が間近となっている気配だが,AMDはすでにその先となる次世代APUプラットフォームの整備に向けてスタートを切っている。「我々は,APUのアドバンテージを維持しつつ競合との差を広げるために,APUの進化を加速させる」(Sobon氏)として,2011年半ばのA-Series投入後も,Fusion APUのさらなる性能向上を図っていく意向を示す。
x86 CPUとDirectX 11のグラフィックスコアを併せ持つFusion APUの強みを活かすべく,最適化したソフトウェア階層の整備を進めることで,同プロセッサの強みを活かせる環境を早急に立ち上げよう,というわけである。
会場に展示されていたFusion APU搭載製品
以下,会場に展示されていたFusion APU搭載製品を,まとめてお伝えしたい。なお製品名はAMDによるもので,正式発表時には異なる可能性がある点に注意してほしい。
■マザーボード
ASRock製「E350M1」 |
ASUSTeK Computer製「E35M1-I DELUXE」 |
ASUSTeK Computer製「E35M1-M PRO」 |
ECS製「HDC-I」 |
ECS製「HDC-3.8L」 |
SHENZHEN JIEHE TECHNOLOGY DEVELOPMENT製「Giada E350」 |
GIGABYTE Technology「E35-N-USB3」 |
MSI「E350IA-E45」 |
Sapphire Technology「Mini-ITX」 |
J&W Technology「Brazos MC01」 |
Fusion APUのチップ |
■miniPC/ベアボーン
Tul製「PowerColor Mini PC Combo」 |
Tul製「PowerColor Mini PC」 |
ZOTAC International製「ZBOX-AD03BR」 |
ZOTAC International製「ZBOX-AD02」 |
SHENZHEN JIEHE TECHNOLOGY DEVELOPMENT製「Giada A50 Mini PC」 |
- 関連タイトル:
AMD E-Series,AMD C-Series
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(C)2011 Advanced Micro Devices, Inc.