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Acer,Fusion APU「C-50」搭載のタブレットPC「ICONIA TAB W500」を発表。タッチパネルのレスポンスは良好
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印刷2011/04/14 00:00

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Acer,Fusion APU「C-50」搭載のタブレットPC「ICONIA TAB W500」を発表。タッチパネルのレスポンスは良好

「ICONIA TAB W500」を掲げる,日本エイサー代表取締役社長 Bob Sen(ボブ・セン)氏
画像集#001のサムネイル/Acer,Fusion APU「C-50」搭載のタブレットPC「ICONIA TAB W500」を発表。タッチパネルのレスポンスは良好
 2011年4月13日,Acerの日本法人である日本エイサーは,Fusion APU「C-50/1.0GHz」を搭載した「ICONIA TAB W500」(以下,W500)を発表した。C-50は,開発コードネーム「Ontario」(オンタリオ)こと「C-Series」に属するAPUだ,同APUを搭載した製品の登場は,国内初となる。ちなみにC-Seriesは,「Zacate」(ザカテ)こと「E-Series」の下位モデルという位置づけの製品だ。

 W500はFusion APUを搭載する以外にも,

  • Acer製タブレットとして初のWindows 7プリインストール製品
  • 10.1インチ,解像度1280×800ドットの液晶パネルを採用しつつ,重量は1kg未満
  • タッチセンサーは静電容量式のマルチタッチ対応モデル

など,トピックの多い製品に仕上がっているのが特徴だ。
 メーカー想定売価は6万円前後で,発売予定は5月下旬。4月20日から量販店店頭などで予約受付が始まる予定となっている。

 発表会の会場にはタッチ&トライコーナーが設けられており,そこでW500に触れる機会が得られたので,操作してみた印象なども含めてWindowsタブレットPCの可能性を検討してみたい。


「Radeon HD 6250」を搭載するが3Dゲームは厳しいか


画像集#002のサムネイル/Acer,Fusion APU「C-50」搭載のタブレットPC「ICONIA TAB W500」を発表。タッチパネルのレスポンスは良好
ICONIA TAB W500
画像集#006のサムネイル/Acer,Fusion APU「C-50」搭載のタブレットPC「ICONIA TAB W500」を発表。タッチパネルのレスポンスは良好
凹凸のない背面部。バッテリの交換は不可となる
 さて,W500の仕様でやはり気になるのは,Fusion APUを搭載している点だろう。C-50は,Fusion用に設計されたデュアルコアCPUと「Radeon HD 6250」を統合したAPUとなる。
 先行して登場したE-Seriesだと「Radeon HD 6310」が統合されていたのを憶えている読者も多いだろう。今回のC-50で統合されるRadeon HD 6250では,80基というシェーダプロセッサ数はRadeon HD 6310と同じながら,動作クロックが上位モデルの半分強となる280MHzにまで落とされ,その分,消費電力が下がっているのが特徴となっている。実際,C-50のTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)は9Wと発表されており,グラフィックス機能が統合されたx86プロセッサとしては非常に低い値となっている。
 低消費電力を目指した,W500のような製品において,高性能なCPUを搭載するのは難しい。そこで,そこそこの性能を持つグラフィックス機能を組み合わせ,総合性能で一定レベルの動作速度を確保しようというのが,C-Seriesの立ち位置というわけである。

 とはいうものの,4Gamer読者が期待しているであろう本格的なゲームのプレイは厳しいと思う。先のテストレポートでお伝えしているとおり,Fusion APUの場合,「E-350/1.6GHz」でも,カジュアルゲームがギリギリプレイ可能なレベル。それよりもGPUの動作クロックが大きく下がっている以上,あまり多くを期待するのは酷である。基本的には,フルHDのビデオ再生能力あたりに期待すべき製品だろう。
 ただ,発表会場にいた同社関係者は「ブラウザベースのゲームなら余裕でプレイできる」と述べていたので,Flashベースのカジュアルタイトルなら期待できるかもしれない。

 そんなW500の主なスペックは以下のとおりだ。

●ICONIA TAB W500の主なスペック
  • APU:「C-50/1.0GHz」(L2キャッシュ容量512KB×2)
  • マザーボード:A50M FCH搭載
  • メインメモリ:DDR3 2GB
  • GPU:Radeon HD 6250
  • ストレージ:SSD(容量32GB)
  • 光学ドライブ:−
  • 有線LAN:−
  • 無線LAN:IEEE 802.11b/g/n準拠
  • サウンド機能:オンボード
  • ディスプレイ:10.1インチワイド液晶,1280×800ドット,グレア(光沢)タイプ
  • 入力機器:静電容量式タッチパネル(マルチタッチ対応)
  • そのほかの主な搭載機能:USB 2.0ポート×2,HDMI出力,2in1マルチカードリーダー
  • 本体サイズ/重量:275(W)×190(D)×15.95(H)mm/0.97kg
  • OS:32bit版Windows 7 Home Premium
  • 付属品:ACアダプタ,保証書,クイックガイド,ユーザーガイド

画像集#007のサムネイル/Acer,Fusion APU「C-50」搭載のタブレットPC「ICONIA TAB W500」を発表。タッチパネルのレスポンスは良好
下側面部。USB 2.0ポートはこちらに2つ備えられている。左の方にあるボタンで画面の回転をロックすることができる
画像集#008のサムネイル/Acer,Fusion APU「C-50」搭載のタブレットPC「ICONIA TAB W500」を発表。タッチパネルのレスポンスは良好
左側面部。左から順にイヤホンジャック,電源ボタン,ボリューム,2in1マルチカードスロット,HDMI出力だ
画像集#009のサムネイル/Acer,Fusion APU「C-50」搭載のタブレットPC「ICONIA TAB W500」を発表。タッチパネルのレスポンスは良好
上側面は排気口のみ
画像集#010のサムネイル/Acer,Fusion APU「C-50」搭載のタブレットPC「ICONIA TAB W500」を発表。タッチパネルのレスポンスは良好
右側面にはACケーブルの接続端子を備える


意外に悪くない操作レスポンス


 というわけで,会場でW500を操作してみたが,最も気になるポイントだった操作レスポンスは意外に悪くない。ブラウザの起動なども思ったより速かったが,これは高速なSSDを採用した効果か。
 また,ブラウザなどの描画のレスポンスもそれほど悪くない印象。4月4日のテストレポートでお伝えしたAndroid 3.0タブレット「Optimus Pad」と比べると,画面描画がややもたつくシーンがあったものの,十分にガマンできるレベルといっていい。フルHD(元解像度1920×1080ドット),6Mbpsのムービーも滑らかに再生できており,Fusion APUを搭載している効果が体感できる製品である。

画像集#004のサムネイル/Acer,Fusion APU「C-50」搭載のタブレットPC「ICONIA TAB W500」を発表。タッチパネルのレスポンスは良好
同社オリジナルのタッチパネル向けUI「Acer Ring」
画像集#011のサムネイル/Acer,Fusion APU「C-50」搭載のタブレットPC「ICONIA TAB W500」を発表。タッチパネルのレスポンスは良好
閉じるボタンが大きめになっているなどタッチ操作がしやすくなっている
 また,操作性という観点からも,プラス評価は与えられそうだ。
 W500には,Acerオリジナルのタッチパネル向けUI「Acer Ring」が用意されているのだが,例えば[閉じる]ボタンといった,普段ならマウスカーソルでクリックするようなものが,指を使ったタッチ操作に合わせて大きくなる。しかも,ムダに大きかったりはしないので,非常に使いやすい。マルチタッチによる拡大縮小,タッチによるスクロールなどの基本操作を行うときも,もたつきを感じたりすることはなかった。

 が,ひとたびWindowsネイティブのアプリケーションを起動してみると,違和感なしとはいいがたくなる。マウスでの操作を前提とした“いつもの”ウインドウが表示されてしまうので,ボタン類が押しづらいのだ。
 もっとも,タッチパネルでのWindowsの操作性がタブレットに最適化されたiOSやAndroid 3.0のに及ばないのは無理もないところ。正直,キーボードを付属させて,“タブレットとしても使えるモバイルPC”的に売ったほうがいいのではないかという気もするが,日本エイサーによれば,「いまのところ専用の外部キーボードを販売する予定はない」とのことだった。

 というわけで,W500そのもののデキは悪くないものの,Windowsの操作性に難有りというのが正直なところ。タブレットらしい使い勝手を求めると残念な思いをするかもしれない。
 ただ,重量が1kgを切っており,バッテリー持続時間も6時間とモバイル機として見ればまずまず優秀だろう。USB接続の小型キーボードなどと合わせて,ノートPC代わりに使うのも悪くはなさそうだ。

「ICONIA TAB W500」の製品情報ページ

  • 関連タイトル:

    AMD E-Series,AMD C-Series

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