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「Xブレード」で知られるデベロッパが贈る「ウィングス オブ プレイ 日本語版」は,果たして硬派か,カジュアルか。一気になるところがしっかり分かるレビューを掲載
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印刷2010/09/13 12:13

レビュー

久々のコンバットフラシムは,果たして硬派? それともカジュアル?

ウィングス オブ プレイ 日本語版

Text by UHAUHA


アユミちゃんでおなじみのデベロッパが手がける

コンバットフライトシミュレータ登場


第二次世界大戦中に使われた機体によるドッグファイト(空中戦)が楽しめる「ウィングス オブ プレイ 日本語版」。素早い旋回で敵機の背後をとり,正確な機銃掃射で撃墜するのだ。あなたも,エースパイロットの仲間入りをしよう
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 ズーから2010年8月6日に発売された「ウィングス オブ プレイ 日本語版」は,第二次世界大戦を背景としたコンバットフライトシムだ。筆者は個人的にコンバットフライトシムが大好きで,以前はジョイスティック,スロットル,ラダーペダルと,いわゆる「三種の神器」を並べて,日夜,熱いドッグファイトを楽しんでいたのだが,ここ最近はコンバットフライトシムの新作がめっきり減り,少々寂しい思いをしていたところだ。それだけに,久しぶりの新作コンバットフライトシムにパイロット魂が疼いているのである。

 開発したのはロシアのデベロッパ,Gaijin Entertainmentで,割と露出度の高い服を着たヒモパン主人公のアユミちゃんが魔法やガンブレードで大暴れする「Xブレード」PC/PlayStation 3/Xbox 360)を作ったことで日本における知名度が急上昇したメーカーだ。
 もっとも,本作は必ずしも完全な新作ではなく,2009年9月にPlayStation 3/Xbox 360向けにリリースされた「IL-2 Sturmovik: Birds of Prey」をPC向けに移植したもの。

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コクピット視点はリアリティも一段とアップ。ジョイスティックを使用しているなら,ハットスイッチに視点切替を割り当てよう
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輸送機の編隊に横から突入して連続撃墜。これはなかなか気持ちがいい。上部機銃を持つ機体の場合,反撃があるので注意が必要だ
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ロケット弾も使用できるが,今のようにロックオンしたターゲットを勝手に追いかけてはくれない。でも,地上攻撃は爆弾より使いやすい
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戦闘を忘れて自由に飛び回りたくなるほど美しく再現された,地上の風景が素晴らしい。リアルに再現される雲や煙にも注目してほしい

 その,IL-2 Sturmovikシリーズは,MicrosoftのCombat Flight Simulatorシリーズと並ぶコンバットフラシムを代表する作品で,2001年に登場した「IL-2 Sturmovik」を皮切りに「IL-2 Sturmovik: Forgotten Battles」(2003年),「Pacific Fighters」(2004年),「IL-2 Sturmovik: 1946」(2006年)と,数タイトルがリリースされている。
 これまではすべてロシアのパブリッシャ/デベロッパである1C Companyが開発してきたが,Birds of Preyに限ってはGaijin Entertainmentが開発しており,ガチガチのシミュレータだった従来作に比べ,コンシューマ機のプレイヤーを意識したゲームデザインになっているのが特徴だ。

 ゲームを始めていきなり感動したのが,掲載したスクリーンショットにもある,美しいグラフィックスだ。厚い雲をくぐり抜けると,田園の中に小島のように浮かんだベルリンにオレンジ色の屋根が連なり,バストーニュでは銀世界と針葉樹林が美しいコントラストをなしている。こうした,思わず見とれてしまうような風景が広がっており,ときには戦闘を忘れて空の散歩を楽しみたくなるほどだ。

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 本作には第二次世界大戦で活躍したドイツのメッサーシュミット,イギリスのスピットファイア,そしてアメリカのムスタングなど,連合軍と枢軸軍の戦闘機,攻撃機,爆撃機などが40種類以上も収録されている。外部視点で眺めると,どの機体も細かいところまでリアルに再現されているのが分かる。もちろん,コクピット視点にすれば機体ごとに再現されたコクピット内部が確認できる。コンシューマライクな外部視点はプレイしやすいが,やはり,パイロット気分でプレイできるコクピット視点がオススメだ。
 このように,グラフィックスは最新ゲームらしくハイレベルで,フラシムファンにとっても,つかみはオッケーだろう。

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「ウィングス オブ プレイ 日本語版」公式サイト



数々のヨーロッパの戦いに,空の上から参加しよう


 本作にはシングルプレイの「ミッション」,そしてオンラインプレイの「ドッグファイト」という2つのゲームモードが用意されている。まずは,ミッションから見ていこう。

キャンペーンもシングルミッションも歴史に基づいており,バトル・オブ・ブリテンやスターリングラード上空で行われた戦いをすっかり体験できる。激戦を生き残ってエースになれるかどうかは,キミの腕次第だ!
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 ミッションには,航空機の操縦や空中戦の基本を学べる「チュートリアル」,3人のパイロットの物語が展開する「キャンペーン」,キャンペーンとは異なるミッションに挑戦する「シングルミッション」,そして航空機や敵の数,時間などを自由に設定して空中戦の練習ができる「トレーニング」がある。

 キャンペーンでは,1940年から1945年までの時代を背景に,連合軍のパイロットとなって第二次世界大戦下のヨーロッパで行われた有名な戦いに参加することになる。1940年のバトル・オブ・ブリテンに始まり,スターリングラードの戦い,シシリー進攻作戦,コルスン包囲戦,バルジの戦い,そして最後の戦いである,1945年のベルリン攻防戦まで,全部で20種類のミッションが用意されており,それらにイギリス軍,アメリカ軍,そしてソ連軍のパイロットとして挑んでいくわけだ。
 最初のキャンペーンをクリアすると次のキャンペーンに挑戦できるようになるおなじみのシステムなので,枢軸軍を相手にベルリンを目指して思う存分暴れまくろう。

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空中戦だけでなく対空砲や戦車,戦艦を攻撃したり,友軍機を護衛したりと,バリエーション豊富なミッションが用意されている
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撃墜された航空機は炎を吹き出したり,主翼が吹き飛んだりしながら落下していく。脱出したパイロットは,パラシュートで降りていく
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空港とはいえ,戦争中。滑走路らしい滑走路もなく,田んぼの中の平地に降りる感じだ。土の滑走路は,多少強引にアプローチしても大丈夫
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当時の貴重な映像などがときどき挿入されるので,第二次世界大戦の空中戦に興味のある人は絶対に見ておきたい

 どのミッションにも達成が必須の「主要目標」と,達成してもしなくても構わない「二次目標」があり,ほとんどが複数の主要目標と二次目標で構成されている。ミッションの内容はゲーム開始時にはあまり詳しく分からず,例えば命令に従って敵爆撃機の小編隊を攻撃し,それが無事に終わると,次は「仲間に従って飛行し,敵を倒せ」とか「海岸線をパトロールしろ」とかいった次の命令が下されるという流れになる。

 また,歴史に基づいたヨーロッパの空の戦いを再現した「シングルミッション」も,バトル・オブ・ブリテンからベルリン攻防戦まで,40種類のミッションが楽しめる。
 空中戦だけでなく,輸送機の護衛,戦艦や地上兵器の爆撃,夜間戦闘などキャンペーンとは異なるミッションが用意されている。ミッションを一つ達成すれば新たなミッションがアンロックされるというシステムなので,全ミッションクリアを目指して奮闘しよう。

 キャンペーンもシングルミッションも,使用する機体,弾薬などは選べない。ミッションと使用機体がセットになっているのは,「IL-2 Sturmovik」シリーズではデフォなのだ。ミッションは長くても数十分で決着するので,ちょっとした時間でも遊べる。例によって,離着陸をするかどうかはオプションになっている場合が多いので,ベテランはやはり離着陸から楽しもう。うわ,離陸失敗。炎上。

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プレイヤーの腕に合わせて難度の調整が可能


 本作の難度設定は「アーケード」「リアリスティック」「シミュレータ」,そして「カスタム」の4種類に分かれており,コンバットフライトシム初心者からコテコテのリアルフラシムマニアまで対応している。

 手軽にドッグファイトを楽しみたい人は,アーケードを選択しよう。このモードでは急な上昇,下降,旋回を行っても失速しにくく,さらに敵機との偏差角度を自動的に計算して弾の当たる位置に照準を表示してくれるため,敵機を撃ち落とすのも比較的簡単だ。また,敵の攻撃を受けて機体にダメージを受けても機体の挙動に影響が出ないので,かなり楽勝で戦いを進めていける。自分がエースパイロットになったかと思うほど気持ちよくプレイできるせいか,筆者はアーケードモードが大好きだ。

幅広いプレイヤーに対応しているため,コンバットフライトシムが初めてという人でも熱いドッグファイトを楽しめそうだ。ただし,機銃掃射を的確に当てるには,少々コツがいる。うまくなりたいのなら,やっぱり練習あるのみだ
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 少しリアルな空中戦に挑んでみたいというプレイヤーには,リアリスティックがオススメ。アーケードと違って「ブラックアウト/レッドアウト」が再現されるため,乱暴な上昇や下降をすると,視界が暗くなったり赤くなったりする。
 また,簡単に失速してキリモミ状態に陥るため,操縦はかなり丁寧に行う必要がある。敵との偏差角度は目測で定めなければならないし,機体損傷による機動の変化も発生するので,気合いを入れて挑戦する必要があるのだ。このモードあたりからは,ジョイスティックを使ってプレイしたほうがよさそう。

 さらなるリアリティを求めるプレイヤーは,シミュレータに挑戦だ。実際に戦闘機を飛ばす状況が再現されるモードで,リアリスティックモードに加えて,さまざまなアシスト機能が使えなくなってしまう。もちろん,友軍機/敵機の位置を示すレーダーも使用不能なので,現在の状況は,コクピットから周囲を見回したり,仲間の無線を聞いて把握するしかない。もっとも,実は「戦術マップ」を開けば連合軍と枢軸軍の位置や,行くべき方向などが分かってしまうので安心だ。

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 カスタムは,さまざまな要素のオン/オフを設定できるモードで,例えばアーケードモードでも機体ダメージの影響をオンにしたり,トルク効果(旋回性に違いが出る)を再現したりなど細かく設定できるので,ビギナーの人は,このモードで段階的に機能を加えてステップアップするのもよさそうだ。

 シングルミッションモードでは,難度設定のほか,ミッション開始前に燃料や弾薬を無制限にする/しない,を選択できる。無制限にすれば機銃やミサイルは撃ち放題だが,そうでなければ,できる限り無駄撃ちは避けなければならなくなる。シビアなドッグファイトに挑みたいなら,制限を付けておこう。

 こんな感じで,手軽に遊びたいプレイヤーからシビアな挙動やドッグファイトを楽しみたいプレイヤーまで幅広く対応しており,自分の遊びやすいゲーム性でプレイできるのが本作の優れたところだ。このへんも,コンシューマ機出身ならではというメリットだろう。

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リアリスティックとシミュレータでは重力によるブラックアウトやレッドアウトが再現されるので,乱暴な操縦は禁物
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失速しにくいアーケードでも,するときはする。目が回るほど回転するのでアセってしまうが,落ち着いて対処すれば大丈夫
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シミュレータでは味方と敵の配置が分かるミニマップは使えないが,戦術マップを開くと確認可能。主要目標と二次目標も,ここで分かる
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敵弾を浴びると機体が壊れて煙を噴く。難度がリアリスティックより上になると,損傷箇所によって操縦性に影響が出るから要注意だ


エースパイロットを目指し

さまざまなテクを身につけよう


 第二次世界大戦では,レーダーに映る遙か遠方の敵機に向けてミサイルを放って離脱するといった現代風の戦いは不可能だ。銃弾もロケット弾も真っ直ぐにしか飛んで行かないので,攻撃が当たる位置に自分を持って行くことが大切だ。敵の攻撃を避けつつ,こちらが攻撃できる位置といえば,敵機の背後ということになる。もちろん,敵もこちらの背後に回ろうとするのだから,ここでさまざまなテクニックを駆使する必要があるわけだ。

ハイテク装置満載の現代の戦闘機とは違い,ドッグファイトの結果はパイロットの力量に大きく左右される。敵機に対していかに背後を取れるかが勝因になるだろう。もちろん,背後を取られたら撃ち落とされないように離脱できる腕も必要だ
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 プレイヤーの腕に合わせた難度設定ができるので,初心者でもプレイしやすい作りになっているものの,どう戦っていいのか分からないというプレイヤーもいるだろう。前方から飛んでくる敵機の編隊に照準を合わせていたら,あっという間に蜂の巣にされて撃墜。どうやって回避すればいいのか分からない,なんてのは悲しいなあ。

 チュートリアルやトレーニングを繰り返せば,キャンペーンやシングルミッションをプレイする上で必要なことは習得できるが,どちらかというと攻撃系のものばかりで,回避系のチュートリアルが用意されていないのが残念だ。
 メインメニューからアクセスできる百科事典には,「スタント飛行」や「戦術」という項目で,回避行動やそこから攻撃に移る機動に関する解説はされているので,まずは目を通しておこう。

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単独飛行ではなく必ず仲間が一緒で,僚機に対して攻撃や援護の命令を出すこともできる。仲間がピンチのときは援護してあげよう
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編隊飛行している敵機に対して真正面から進入するのは自殺行為。敵機に対して上空か真横から接近し,一網打尽にするのだ

 戦技としては,例えばすれ違いざまに攻撃し,距離を取って再び旋回して攻撃態勢に移るヒット・アンド・ウェイや,敵機よりも高い高度から一気に降下して上空や後方から攻撃するブーム・アンド・ズーム,そして上方旋回で背後に付くインサイド・ループなどがある。また,攻撃をかわしながら螺旋を描くように飛行するバレルロール,背面飛行から操縦桿を引いて180度方向転換するスプリットSといった回避行動なども覚えておいて損はないはずだ。テキストや図で見るよりも実際に操縦して身体で覚えるようなものがチュートリアルにあれば良かったと思うが,ここは練習あるのみだ。

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 攻撃が全然当たらないというプレイヤーは,アーケードモードで,敵機の進行方向に現れる照準を参考に,偏差角度を覚えてしまうのが手っ取り早い。言うまでもなく,航空機は常に移動しているので,機体を狙って機銃を撃ちまくったところで銃弾はすべてターゲットの後方へ逸れてしまう。そこで,移動する敵機とこちらの銃弾が交わる位置を狙って撃つわけだ。これは,敵機の移動速度などによっても変わってくるので,まさに習うより慣れろの世界だ。

 ちなみに,本作はキーボードでプレイするのは少々厳しいが,アーケードモードならゲームパッドで十分プレイ可能。とはいえ,上記したように,リアリスティックモードやシミュレータモードをメインにプレイするならば,ジョイスティックは必須となるだろう。
 ジョイスティックなら格段に操作性が向上するため,細かい操作もやりやすい。スロットルもスライド式でのほうが操作しやすい。この手のゲームデバイスは少々高価になってしまうが,とことんドッグファイトを楽しむのであれば,ジョイスティックの購入をお勧めする。

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敵機と機銃掃射しながらすれ違う際,銃弾は食らわなくても,接触で双方墜落なんてことにもなりかねない。そんなときはバレルロールが有効だ
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戦艦,対空砲,戦車などは爆弾で攻撃しよう。ターゲットがサークルに入ったら投下するだけだ。でもミサイルのほうが使いやすいという印象


世界中のプレイヤーを相手に
華麗なドッグファイトを楽しもう


 本作には,オンラインによる人間同士の熱い戦いの場も用意されている。慣れてくれば,CPU制御の敵機の動きはある程度読めるようになるが,これが人間の場合,パイロットによって千差万別。シングルプレイでは体験できない戦いを,味わうことができるのだ。

 オンラインプレイモードでは,参加するすべてのプレイヤーが敵となる「ドッグファイト」,連合軍と枢軸軍の2つのチームに分かれて戦う「チーム・バトル」,2つのチームに分かれて,できるだけ多くの敵機や地上目標を破壊する「襲撃」,そして,敵の砲火をかいくぐって飛行場に着陸する「飛行場奪取」という4つのゲームモードが用意されている。

マルチプレイの面白さは,敵の予測できない動きにある。うまい人になると,ヒラヒラと蝶のように攻撃をかわし,深追いすればこちらが先に失速状態に陥るのだ。早く,ああなりたい。いずれにせよ,目の前の敵だけ見ているとほかの敵機の餌食になるので,周囲の状況をよく見て行動しよう
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 というわけで,いざ出陣! とばかりに接続したのだが,思っていたよりもオンラインプレイヤーは少ない印象だ。筆者がプレイしたのは主に平日の22時〜23時という,いわゆるゴールデンタイムだが,どのモードも盛り上がっているとは言い難い状況だった。
 しかし,それでも4〜5人集まれば,ヘッド・オン・ヘッドでお互いが機銃を撃ちながらバレルロールですれ違って急旋回したり,追いかけっこしている連中を背後から銃撃したりと,数機入り乱れてのドッグファイトが楽めた。

 ちなみに,オンラインプレイについては,ロシアのダウンロード販売サイト「yuPlay」のサーバーを利用しているせいか,ズーのサポート外となっている。とはいえ,日本語マニュアルにはちゃんとyuPlayの登録方法などが記載されているので,サポート外だからといって完全ノータッチじゃないあたり,さすがズーだ。

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深追いしてくる相手には,急降下から急上昇で墜落を誘える場合もある。地上ギリギリで急上昇するとカッコいいが,失敗すると笑われる
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戦闘中,敵味方の墜落,撃墜が増えると,そこかしこから黒い煙が立ち上る。雰囲気抜群である反面,戦争って恐ろしいという気分にも
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トレーニングで敵機の数を最大16機にすると,至近距離で複数の機体が行き交う激しいドッグファイトを楽しめる。これはクセになる迫力だ!
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リアリティを求めるなら,コクピット視点だ。キヤノピーに穴が開き,漏れ出したオイルがキャノピーに飛び散って視界を奪う。

 かなりのボリュームを持ったシングルプレイに加え,人間同士の戦いが楽しめるマルチプレイまで楽しめる本作。シングルでは,難度を変えればアーケード派からコテコテのフラシム派まで幅広い層に対応しているので,プレイヤーの腕が上がっても末永く遊べそうな良作だ。
 ベースがコンシューマ機ということで,どんな仕上がりになっているのか少し心配したものの,IL-2 Sturmovikの熱いDNAは確実に受け継いでいる。ぜひ,手に汗握るドッグファイトを多くの人に体験してもらいたいと思う筆者だ。関係ないけど,旋回中にどうしても一緒に首が曲がってしまうのは,なぜなんだろう。

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