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40年の時を経て甦った“原点”との共演。「NO MORE HEROES 2 DESPERATE STRUGGLE」×「エル・トポ」 須田剛一氏スペシャルトークショーレポート
今回のトークショーは,映画「エル・トポ 製作40周年デジタルリマスター版」の上映を記念して,エル・トポに強くインスパイアされ「NO MORE HEROES」シリーズを生み出した須田剛一氏を招いて行われたものだ。須田氏のトークのお相手は,活弁映画監督として活躍する山田広野氏が受け持った。
「エル・トポ」は1970年に初公開されたアメリカ・メキシコの合作映画で,監督,脚本,主演を務めたアレハンドロ・ホドロフスキー氏の代表作。公開当初はミニシアターで深夜のみの上映であったが,ジョン・レノンやミック・ジャガー,アンディー・ウォーホル,デニス・ホッパーらが激賞したことで広く知られることになったカルト映画である。
「NO MORE HEROES 2 DESPERATE STRUGGLE」公式サイト
以前から「エル・トポ」のようなゲームを作りたいと思っていた須田氏は,「エル・トポ」を中心に「ジャッカス」(※MTVで2000年〜2002年に放送されていた番組。後に映画化)や「スター・ウォーズ」の要素を組み合わせることで「NO MORE HEROES」を生み出したのだと語った。
ほかにも「エル・トポ」の影響を受けたゲームタイトルは多く,須田氏と親交の深い小島秀夫監督も「メタルギアソリッド」のボス戦は「エル・トポ」のイメージに由来したものだと明かしている。
多くの表現者達に支持され,「キング オブ カルト」として伝説化している「エル・トポ」。だが,日本国内ではこれまで,スクリーンに上映されたこと自体が非常に珍しく,今回初めて「エル・トポ」を観る,という若い来場者も多かったようだ。
須田氏は「若いうちに観ておくべき映画です。この当時のタブーとされたものを相当に覆した作品なので,その覚悟たるや相当なものだったと思います。表現者にとってはとくに“物を作る者の覚悟の最果て”が感じられるのでは」と熱く述べ,「自分の作ったゲームの発売と『エル・トポ』の公開のタイミングがマッチしたのは宿命だと思います」と喜びを語っていた。
最後に,須田氏がホドロフスキー監督から預かってきたという日本のファンへのメッセージ(と言っても,実際は2003年発売のDVD-BOXに同梱されていた特典)を紹介。「国籍を考えるな」「性別を考えるな」「年齢を考えるな」「他の人物になろうと考えるな」と,年老いてもなお鬼才ぶりを感じさせる監督の言葉に拍手を送り,トークを締めくくった。
なお,須田氏と山田氏による「エル・トポ」トークは10月21日の「NO MORE HEROES 2」発売記念イベント「HOPPER'S 4」でも行われる。今回のトークショーを聞き逃した人も,劇場で「エル・トポ」を鑑賞してからイベントや,「NO MORE HEROES 2」に臨んでみてはいかがだろうか。
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