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Caymanは12月,Antillesは2011年初頭発表へ。AMDのGPU新製品投入計画が若干遅れる
「しかし,噂されている『シングルナンバー』(10%以下,の意)の歩留まりで,チップ製造ができないため,などという理由ではない」(Skynner氏)。ドライバのチューニングなど,新しいGPUアーキテクチャを採用するにあたっての最適化作業に,若干の時間を要しているというのが,氏の説明だ。
一方,Skynner氏が公開した最新のGPUロードマップによると,Caymanを2基搭載する「Antilles」(アンティレス)こと「Radeon HD 6990」の出荷は2011年初頭にズレ込むことが確定した模様。その2011年には,第1四半期中にエントリー市場向け製品となる「Turks」(タークス)と,ローエンド市場向けの「Caicos」(カイコス)も発表される計画になっている。
TurksとCaicosの両製品は,Bartsコアを採用したRadeon HD 6800シリーズと同様,ATI Radeon HD 5000シリーズまでのアーキテクチャを改良したものという位置づけだ。
ノートPC市場向けのロードマップも明らかに
Skynner氏は,ノートPC市場向けグラフィックスチップのロードマップも披露。2011年に「Vancouver」(バンクーバー)シリーズを投入する計画を明らかにしている。
それによれば,当初の予定で2010年内に市場投入されることになっていた,ATI Mobility Radeon HD 5000シリーズのマスクチェンジ版となる「Granville」(グランヴィル)と「Capilano」(カピラノ),「Robson」(ロブソン)は,2011年初頭の投入予定となった。3製品は,現行製品のデザインを製造プロセスに最適化することによって,省電力化や歩留まりの向上を図り,より廉価に高性能なチップも提供できるようにしたものだ。
加えて,上記3コアと「ほとんど差がないタイミング」(Skynner氏)で,Northern IslandsシリーズのBarts系コアと同様の,第2世代DirectX 11アーキテクチャを採用した「Blackcomb」(ブラックコーム),「Whistler」(ウィスラー),「Seymour」(セイモア)を追加する計画も,AMDは持っている。
同社が,2世代にわたるグラフィックスチップをミックスさせてラインナップを拡充させるのは,「ノートPCのグラフィックスでは,単体チップにより多くの機能を求めるPCベンダーと,より低価格なソリューションを求めるベンダーがあるからだ」(Skynner氏)。両方の需要を満たすことで,中国など,ノートPC向け単体グラフィックスへのニーズが非常に旺盛な市場に応えることで,現在7割近くのシェアを占める,ノートPC向け単体グラフィックス市場での足固めを図ろうというわけである。
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