「三国志を抱く。」は,韓国Nexon傘下のNdoorsが開発中の3D MMORPGだ。“三国志演義”のストーリーを追体験するという内容で,プレイヤーが扮するマイキャラは,劉備達と共に兵を率い,三国統一を目指すための冒険を繰り広げることになる。
これまで
「君主 online」や
「アトランティカ」などを手がけているNdoorsのCEO
キム・テゴン氏は,MMORPGに政治や経済の要素を取り入れることを得意とするクリエイターで,本作にもそうしたシステムや,都市育成の要素がたっぷりと盛り込まれている。
本作最大の特徴は,そんなゲームシステムもさることながら,ブラウザでプレイできるように開発されていることかもしれない。昨年(2010年)の「G-Star 2010」の時点で,iPadで動いているのを見て驚いたが,今回はそれに加え,iPhone版をプレイアブル出展。ゲーム内容もアップグレードしており,モバイル系に力を入れる韓国Nexonを代表する一作になりそうだ。
昨年のバージョンに比べてゲームの基本コンセプトやストーリーなどは変わっていなかったが,グラフィックスやUIなどは,この1年でほぼ作り替えられており,さらに磨きがかかっている印象だ。最新バージョンのプロモーションムービーを2本紹介するので,
G-Star 2010の記事とぜひ見比べてほしい。
これらのムービーを普通に見ても,一般の3D MMORPGと勘違いされてしまいそうなのだが,ブースではこれらが,iPhoneなどで動いていたのだ。
進化がとくに著しいのが,イベントシーン。昨年の出展バージョンでは,関羽などのキャラクターが描かれた一枚絵に音声を加えて臨場感を出していたが,今回は3Dモデルをレンダリングした映像になっており,ストリーミングでムービーが流れてくる。そのため,ブースのスマートフォンはWi-Fiで接続されていた。
本作の開発を担当するスタッフは約100名とのことで,Unity Technologiesの全面協力のもと,
Unityエンジンのポテンシャルを引き出せるかという意味で試金石になるタイトルだそうだ。開発期間はすでに3年が経過しており,進捗状況がなかなか分からなかったが,2012年にはいよいよ正式サービスを迎える予定だ。
日本国内でも最近,ブラウザゲームのクオリティが劇的に上昇しているが,それでも,本作がローカライズされれば,大きなインパクトを与えるかもしれない。
4Gamerでは,Ndoorsで本作の開発総指揮を務める,キム・テゴン氏へのインタビューを行っており,こちらも急ぎの掲載を予定している。興味深い話が聞けたので,ぜひ楽しみにしてほしい。