レビュー
若き日のララ・クロフトが,相当ひどい目に遭いまくりでもがんばり抜くシリーズ最新作
TOMB RAIDER
スクウェア・エニックスから発売中のアクションアドベンチャー「TOMB RAIDER」(PC/PlayStation 3/Xbox 360)は,2013年3月8日の記事でもお伝えしたように,シリーズの「リブート」(再起動)として,あえてナンバリングを外し再出発を図った作品だ。
上記の記事ではゲーム序盤のインプレッションもお伝えしているが,今回は発売後に遊び込んでのプレイフィールや,主人公のララ・クロフトがどのような活躍をすることになるのかを,シングルプレイのインプレッションを中心にお伝えしていこうと思う。なお,今回プレイしたのはXbox 360版で,文中のキーの表記などもそちらに準じている。
「TOMB RAIDER」公式サイト
ピンチに次ぐピンチ
そしてお楽しみのトレジャーハントがプレイヤーを待つ
新生TOMB RAIDERの最大の見どころは,なんといってもララ・クロフトの若き日の姿が見られることだ。本作のララは大学を卒業したばかりの21歳で,シリーズ従来作のタフな面影はほとんどない,初々しいキャラクターとして描かれている。
ゲームの冒頭では,そんなララを乗せた船が,突然発生した事故により遭難,見知らぬ島に流れ着いたあと得体の知れない連中に拘束され,そこから命からがら逃亡するというシーンが怒濤のように展開する。武器一つ持たず,しかもケガを負ったララの不安と恐怖がこれでもかとばかりに描かれ,最初の武器である弓を手に入れるまでの約30分間は,緊張と不安の連続。プレイヤーは何が起こったのかほとんど分からないまま,たちまちゲームに引き込まれていく。
最初は,戦いの専門家ではないことが強調されるララだが,ゲーム中,そんな彼女を数々のピンチが襲う。暗い森の中で罠にはまって身動きできないまま,狼の群れに襲撃される,後ろ手に縛られたまま見張りの目をかいくぐって脱出する,目の前に飛行機が墜落してくるなど,どえらいシチュエーションがたたみ込まれるのだが,そんな超絶状況に傷つきながらも順応していくララもまたすごい。これが劇中で語られる,「クロフト家の血」なのだろうか。
サバイバルの舞台となるフィールドは,島全体ではないものの,ある程度自由に行き来できるかなり広いエリアであり,一つのエリアですべきことを終えたら,次のエリアに進めるというシステムになっている。後述するように,先のエリアに進んでも元いたエリアに戻ることができるので,ゲームが進めば進むほどフィールドが広がっていくというわけだ。
レリックのほかにも,各エリアごとにあるチャレンジや,バックストーリーが分かるドキュメント,「ジオキャッシュ」と呼ばれる宝物などが点在しているが,これらがエリア内にいくつかあるかはあらかじめ分かっており,また,入手した個数や達成率なども表示されるので,それを目標に探索を進めることができる。
セーブや武器のカスタマイズなどは「ベースキャンプ」で行うが,ベースキャンプからベースキャンプへは「ファストトラベル」という瞬間移動が可能であり,取り逃したアイテムを探しにいつでも戻ることができる。シリーズ従来作と同様,アクションと同等にトレージャーハントが重視されているわけで,ピンチに陥っていないときはエリアの探索に精を出すことになる。
一見するととても行けないような場所にお宝が隠されていたりするので,ルートを探すのも面白いが,向こう側に飛び移れるような場所は意図的に目立つようなデザインになっていて分かりやすい。またLBを押して発動させる「インスティンクト」を使えば,アイテムや仕掛けが画面に表示されるため,これも便利だ。アクションと探索シーンがうまいバランスで配置されているという印象で,飽きることなくゲームを進められる。
ララを成長させて,華麗な戦いを繰り広げよう
スカベンジャーと呼ばれる謎の集団など,敵との戦いは,当然ながらララ一人対多数で行われるうえ,使える武器も限られているので,簡単ではない。敵に気づかれないように倒したり,こちらも地形やスキルなどをうまく使った戦術をとっていかなくてはならない。
敵のAIはかなり賢く,例えば同じ場所で撃ち合いをしていると射撃精度が上がったり,狙うのに時間がかかると判断すると隠れる場所を変えたりしてくる。そのため,こちらも地形やスキルなどをうまく使った戦術をとっていかなくてはならない。ただ,敵との戦闘が繰り広げられる場所では,必ずといっていいほど,こちらが有利に戦えるような場所やアイテムが用意されており,戦闘の場数を踏むことでそれらが見えてくるようになる。また,戦闘力を向上させるスキルを優先的に獲得していくという手もある。
戦闘のキモとなるのが,本作のララを象徴する武器である弓だ。遠距離の敵を1人ずつ倒したり,周囲に矢を射かけて注意をそらしたり,ドラム缶を撃って爆破させたりなどといった攻撃を,音もなく行える。連射が利かないので接近戦には不向きだが,使いこなせれば便利このうえない武器だ。そのうち,銃やライフル,ショットガンといった飛び道具も手に入るので,これらをうまく使いこなしていきたい。腕に自信があるなら,あえて銃器を封印し,最後まで弓一本でいってみるのも面白いだろう。
上にも何度か出てきたスキルだが,あらためて説明すると,これは敵を倒したりイベントをこなすことで手に入る経験値を使って取得していく。種類としては,主にアイテム発見や増量に関する「サバイバー」,主に射撃武器に関する「ハンター」,そして主に格闘戦に関する「ファイター」という3系統のスキルがあり,これを身につけることでララのアクションが増えていくという仕掛けだ。
細かく作り込まれた広いフィールドを,彼女の抜群の身体能力で走り回るのは気持ち良く,敵との攻防にも複数の選択肢が用意されていて戦略性も高い。アクションゲームとしての完成度は非常に高いので,シリーズ経験の有無に関わらず楽しめるだろう。生まれ変わったララ・クロフトの成長物語をじっくり楽しんでほしい。
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