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[E3 2012]「HITMAN ABSOLUTION」,2種類のプレイアブルデモと開発ディレクターへのインタビューから,新たな魅力とやり込み要素を発見
ロサンゼルスで開催されているE3 2012の同社ブースには,本作の試遊台が2つのバージョンで出展されていた。今回,開発元IO Interactiveで本作の開発ディレクターを務めるTore Blystad氏から詳しい話が聞けたので,そこで明らかになった本作の新情報をお伝えしよう。
プロトタイプから生まれた「SNIPER CHALLENGE」は
シンプルながらもあなどれない面白さ
このように2つのバージョンを出展したのには,以下のような意図があるという。
ゲーム中盤に登場するステージ「KING OF CHINATOWN」は,ゲーム内では比較的小さめのステージでありながらも「同じステージでも複数の攻略方法がある」という,本作ならではの特徴が詰まっている。この要素を短時間で体験するにはピッタリのステージというわけだ。
しかし,ゲーム中盤に現れるステージをデモで出展すると,「難しすぎる」と感じてしまう人も多い。そこで,シリーズに触れたことのない人に対して「HITMANとはどういうゲームなのか」を理解してもらうため,よりシンプルに遊べる「SNIPER CHALLENGE」も用意したのだという。
まず,“導入編”ともいえる「SNIPER CHALLENGE」から紹介していこう。
SNIPER CHALLENGEは,スナイパーライフルによる狙撃ミッションを楽しめるミニゲームで,15人のセキュリティガードに護衛されている1人のターゲットを,制限時間15分以内に暗殺するというものだ。
ターゲットが滞在しているビルでは,屋上で大勢の人々がパーティを楽しんでいる。15人のセキュリティガードは,パーティ会場や周辺にある部屋のベランダなどを巡回しており,ターゲットを真っ先に狙って仕留めるのは難しい。そこでまずはセキュリティガードを1人ずつ始末していきたいのだが,万が一倒し損ねたり,ほかのセキュリティガードやパーティの出席者が見ている前で撃ち殺したりしたら,警戒したターゲットにあっという間に逃亡されてしまう。限られた時間内でいかに手際よく,なおかつ目立たないように狙撃していくか。このあたりが,シンプルな内容ながらも,なかなかの遊び応えなのだ。
ちなみにこのミニゲームは,本編を作り始める前に制作されたプロトタイプが土台となっているそうだ。欧米ではすでにこのミニゲームが好評で,中にはなんと数百時間も遊ぶほど,やり込んでいる人もいるらしい。そのため,現在配布されている「SNIPER CHALLENGE」のステージは1つだけだが,好評を受けてさらなる展開も視野に入れているという。
なお,日本でもこの「SNIPER CHALLENGE」は何らかの形で公開する予定だと話していた。詳しい公開形式は未定ながらも,より多くのプレイヤーに楽しんでもらいたいそうだ。もしゲーム本編の発売前に公開されるとなれば,シリーズのファンは少しだけ早くエージェント47に再会できるかもしれない。
無数の攻略方法が用意されている
「KING OF CHINATOWN」ステージ
その名の通り,同ステージの舞台はシカゴ市内のチャイナタウンで,エージェント47は町の“KING”とされる男の暗殺に挑む。
町には大勢の一般人が往来しているため,ただ歩き回るだけではターゲットを見つけ出すのは難しい。そこで役立つのが,本作で新たに登場する特殊能力「インスティンクト」だ。
インスティンクトを発動すると,普通の人々は透明なシルエットで表示されるが,ターゲットだけは赤いシルエットで強調される。さらに,ターゲットの身辺を護る人間は黄色いシルエットで表示されるなど,手際よくミッションを完遂するうえでは欠かせない能力である。
こうして,ターゲットが町の中央の広場のような場所にいることを突き止める。しかし,その出入口には警官が立っており,無理に通ろうとすれば当然怪しまれてしまう。そこで何らかの策を講じる必要があるのだが――その正解は決して一つだけではない。
Blystad氏は今回,その具体例として,2つのまったく異なる攻略法を実演してくれた。
一つは,KINGの車を利用する方法だ。
町はずれにはKINGの車が停まっている。その前にも見張りの警官が立っているが,まずはこの警官を格闘でノックダウンさせ,制服を奪う。気絶した警官をゴミ箱の中に隠したうえで,KINGの車に遠隔爆破が可能な爆発物をセット。そして車の警報器を鳴らすと,それを怪しんだKINGが車の方へ近付いてくる。警官に変装したエージェント47自身は安全なところへ避難しつつ,KINGが車の前に来たタイミングで車を爆破! 見事,誰の仕業かバレることなく,KINGの暗殺に成功した。
爆破事件を目の当たりにした町の人々が怯えてパニックになっている中,エージェント47はほかの警官に怪しまれないように,インスティンクトの能力の一つ「ブレンディング」の能力で周囲に溶け込み,無事に町を脱出。手際よく,かつ派手にミッションを成功させた。これぞプロフェッショナルのヒットマンといえよう。
アパートメントに潜入するには,やはり入り口で見張っている警官をどうにかしなくてはならない。
そこで,アパートの下にある配電盤を壊して警官の見ていたTVの電源を断ち,そちらに警官の注意を引きつけ,その隙にアパートへと潜入。ディーラーの部屋の前に来たら,彼に気付かれる前に一気に潜入してダウンを奪う。一つめの方法と同様にディーラーの服を奪って,ディーラーの身柄は部屋のロッカーに隠しておく。
実はこの部屋にはスナイパーライフルがあり,しかも部屋の窓からはKINGのいる広場がよく見えるため,狙撃ポイントにはうってつけだったりする。しかし今回はあえて狙撃をせず,また別の方法で暗殺を行うことに。
ディーラーに変装したエージェント47のことはKINGも警官達もまったく警戒しないため,すんなりとKINGに接近できる。KINGはディーラー(の格好をしたエージェント47)の後を付いてくるので,ここでひとけのない場所へと誘導できれば,後は静かに命を奪って死体をゴミ箱に隠すだけだ。警官に変装している場合はほかの警官に怪しまれてしまうが,ディーラーの格好をしている間はそんな心配も皆無。KINGが殺されたこと自体に誰も気付いていないうちに,軽やかな足どりでチャイナタウンを抜け出した。
思いもよらない行動をとる高度なAIを相手にした
スコアアタックが白熱
しかも,実は本作のNPCの行動はすべて高度なAIで管理されている。決まり切ったスクリプトに沿った行動をするのではなく,プレイヤーの行動によって,さまざまな対応を見せるのだ。AIによる行動パターンは多岐にわたっており,そのバリエーションの多さを象徴するエピソードとしてBlystad氏は「普通の映画の台本は90ページ程度ですが,本作の台本は2000ページもある」と,驚きの数字を教えてくれた。
そのため,プレイヤーが同じステージを繰り返しプレイしたとしても,前回のプレイではまるで想像もつかなかったような行動をNPCがとる場合もあり得る。緊張感のあるプレイが何度も楽しめることだろう。
なお,本作ではゲームの難度が大きく分けて2つ,細かく分けると5つ存在する。
シリーズが初めての人でも比較的カジュアルに楽しめる「ENHANCED」(EASY/NORMAL)と,HITMANがどういった作品かを熟知しており,ノーヒントで楽しみたいという人のための「PROFESSIONAL」(HARD/EXPERT/PURIST)だ。中でも,最高難易度の「PURIST」(「純粋主義者」の意)は,ゲーム内の情報が極力排除されているそうだ。シリーズの代名詞ともいえる最高クラスの称号「Silent Assassin」は難度ごとに得ることが可能で,Blystad氏いわく,難度PURISTでSilent Assassinを狙うのは「ものすごく難しい」とのこと。
また,本編のストーリーをクリア後のやり込み要素として,各ステージごとのスコアアタックも楽しめる作りになっているそうだ。
スコアには,ターゲットを倒したりミッションをクリアすることで得られるもののほかにも,特殊な条件を満たしたり,各ステージに設定されたチャレンジを達成したりすることで得られるボーナススコアも存在する。同じステージでも攻略法が無数に存在するため,スコアアタックは相当に奥深くやり込めることだろう。
さらに,ハイスコアを目指す上での指針として,本作ではネットワーク上のフレンドのハイスコアや国内/全世界のスコアランキングも確認できる。クリア済みのステージならばいつでも繰り返しプレイ可能なので,何度も挑戦したいところである。
Blystad氏によると,HITMANのコアなファンの場合,1つのステージを何度も何度もプレイして,徹底的に極めたところで次のステージに進む,といったプレイスタイルも珍しくないそうだ。今作のスコアランキングでも,上位には信じられないほどのハイスコアが並ぶことだろう。
ちなみに,同じステージでも難度ごとに別々にハイスコアを記録できるのかとBlystad氏に聞いたところ,「検討中」との答えが返ってきた。別々に記録できるようにするか,それとも難度によってスコアボーナスが加わる形にするか,そのいずれの方式をとるかを調整中とのことだ。
今回出展されていた2種類のプレイアブルデモは,E3 2011や先日のインタビューで紹介されたものとはまた違った毛色のものとなっており,本作で楽しめる要素の幅の広さが確認できた。HITMANシリーズの再スタートにふさわしい,挑戦的なタイトルになっているといえよう。
「HITMAN ABSOLUTION」公式サイト
「E3 2012の特設ページはこちら」
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