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「第一回 日本eスポーツ選手権大会」開催は日本でのe-Sports普及への第一歩。日本eスポーツ協会のキーマンが展望を語った記者説明会をレポート
本説明会は,2015年4月にJeSPAが正式に発足したことを受け開催されたもので,会場では,新たに選任された会長および理事の面々が登壇して,協会の趣旨や,今後のe-Sports大会の予定などを説明した。本稿では,この模様をまとめてみたい。
まずは西村康稔氏が,JeSPAの趣旨として,e-Sportsを盛り上げることや,若い競技者を育て,青少年の健全な育成に繋げていくことを挙げた。また,e-Sportsを国内だけではなく,世界中で発展させ,今後はそのための大会を主催したり,組織を広めていくことが大切だと述べる。
また当面の目標としては,選手の育成やe-Sportsの地位向上,世界へ向けて選手を派遣していくことなどが視野に入れられているという。その結果が,青少年の健全な育成にもつながっていくのではないかと,氏は考えているとのことだ。
また,e-Sportsは,アジア室内競技大会ではすでに競技として正式に採用されているという。2017年にはトルクメニスタン アシガバードにて同大会が行われるが,その大会にもぜひ選手を派遣したいと話していた。
ただ,そのためには,日本オリンピック委員会(JOC)に加盟する必要があるため,まずはJeSPAとしての活動をしっかりやっていくことが大事だと顔を引き締める。そのための第一歩として予定されているのが,2016年3月12日に豊洲PITにて開催予定の「第一回 日本e-Sports選手権大会」だ。この大会が1つのキーになるのでは述べ,スピーチを馬場 章氏へバトンタッチした。
続いて馬場氏は,e-Sportsの国内での盛り上がりは諸外国にこそ及ばないものの,実は世界で1,2を争うプレイヤーをすでに排出しているとコメント。そんな状況だからこそ,JeSPAの使命でもある,e-Sportsの裾野を広げていくことが大切な課題になってくるのだという。
ゲームについては,これまでに悪いことも言われてきたが,実のところ,科学的に証明されたものは1つもないと馬場氏は語る。むしろ,ゲームによって動体視力が向上したり,遂行能力が伸びたなど,プラスの側面も見られるという。ゆえに,e-Sportsは社会に貢献するスポーツだと馬場氏は考えているそうだ。
また,e-Sportsのさらなる発展のためには,頂点的なプレイヤーを絶えず輩出していくことが大切だと述べる。これには,これまで日本が誇ってきたゲーム産業にも対する貢献の意味もあるそうだ。さらに,プレイヤーを輩出するだけでなく,チームの監督やオーナー,大会の主催者,さらにはIT教育の指導者として活躍してもらうなど,頂点を過ぎたあとのプレイヤーの生活のことまで考えていく必要があると馬場氏は話す。プレイヤーのセカンドライフにおいても可能性を伸ばしていくことが,JeSPAの役目ではないか,とのことだ。
最後に氏は,社会に役立つゲームプレイを広げていくことがJeSPAの使命の1つだと述べ,スピーチを締めくくった。
続いて平方氏が,「第一回 日本eスポーツ選手権大会」の概要を説明した。氏は,JeSPAではアスリート・ゲーマーという呼称を発展させていきたいと述べる。
その第一歩として開催される第一回 日本eスポーツ選手権大会は,2016年3月12日,13日に豊洲PITで実施される予定だ。地区予選やオンライン予選も行っていく予定があり,詳細が決まり次第発表していくとのこと。
競技種目は,FPSの「Counter-Strike: Global Offensive」と,対戦格闘ゲームの「GUILTY GEAR Xrd -SIGN」,さらにスポーツゲーム(タイトル名は後日発表)が挙げられた。上記種目以外にも,数種類のオープン競技大会を実施予定とのことだ。
最後に,スピーチの後でに行われた質疑応答の内容を掲載しよう。
――第一回 日本eスポーツ選手権大会では,賞金など,参加する側へのメリットはありますか。
西村氏:
賞金は考えております。ただ,現時点でいくらぐらいの賞金が出るのか,というところまでは決定していません。決まり次第発表する予定です。
――e-Sportsのオリンピックへの参加など,将来の展望はありますか。
西村氏:
夢は大きく広げていきたいと思っていますが,オリンピックとなるとハードルは決して低くありません。なので,まずはe-Sportsをしっかり定着させていくところから始めて,裾野を広げつつ着実に進めていきたいと考えています。
――アスリート・ゲーマーを増やす施策について教えてください。
馬場氏:
プロであれば,やはり収入を得るということが大切です。ゲームをプレイすることが仕事になる仕組みを作らなければならない。そのために一番早いのは,スポンサーに付いてもらうということです。そこは,プロ野球などと同じですね。社会的にe-Sportsが認知されるようになってくれば,公的な助成にも挑戦していきたいですが,まずは民間の力で盛り上げていくのが第一と考えています。なので,これまでの2倍,3倍の規模で,e-Sportsをアピールしていきたいですね。
- 関連タイトル:
Counter-Strike: Global Offensive
- 関連タイトル:
GUILTY GEAR Xrd -SIGN-
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