インタビュー
「カオス ヒーローズ オンライン」,10月29日の大型アップデートで実装された陣営撤廃や製作アイテムなどの詳細を,プロデューサーの遠藤峻亮氏に聞いてきた
今回4Gamerでは,本作のプロデューサーである遠藤峻亮氏に,「陣営制限の撤廃」や「製作アイテム」など,このアップデートで実施される注目ポイントについて,詳しく話を聞いてきた。
「カオス ヒーローズ オンライン」公式サイト
陣営制限の撤廃はまずカスタム戦で導入
リバースキャラクターはアバター扱いに
あらためて説明しておくと,「カオス ヒーローズ オンライン」は,RTSの戦略性とRPGの成長要素を兼ね備えた,チーム対戦型のオンラインゲーム。
「ヒーロー」と呼ばれる強力なキャラクターを操り,5人でチームを組んで敵陣を陥落させる,いわゆるMOBA(Multi-player Online Battle Arena)系と呼ばれるジャンルに属するタイトルだ。ちなみに,セガでは本作のジャンルをAOS(the real Action Oriented Strategy)と呼んでいる。
本作は,「神聖連合」と「不死軍勢」という2陣営の対立という設定のため,試合時には自チームの陣営に属するヒーローだけでしかチームを組めないという制限があった。
しかし,10月29日の大型アップデート以降,カスタム戦では陣営の縛りなしルールが追加され,神聖連合と不死軍勢のヒーローが入り交じったチームで試合ができるようになる。もちろん,これまで同様,陣営制限ありのルールで対戦することも可能だ。
遠藤氏:
10月29日のアップデートでは,カスタム対戦に陣営制限なしのルールが導入されます。12月には陣営制限なしのモードでオフライン大会を行う予定もありますので,ぜひプレイしていただければと思います。
以前のインタビューでは,「ノーマル対戦」と「ランキング対戦」での導入を検討しているとお話ししましたが,まずは「カスタム戦」で導入し,同時にアンケートを実施することにしました。
カスタム戦以外での陣営制限撤廃については,アップデート後の動向や,プレイヤーの皆さんからいただいたアンケートの結果を見て判断していく予定です。
陣営制限なしルールでは,試合時に神聖連合/不死軍勢のどちらに属しても,好きなヒーローを選んでプレイできるようになる。ただし,1試合で2人以上のプレイヤーが同じヒーローを使えない仕様や,対戦前に相手陣営の“禁止ヒーロー”を3体指定して試合で使えなくする「ドラフト選択」は,陣営制限なしルールでも今までどおり適用される。
遠藤氏:
これまでバランス調整を随時行ってきたことで,神聖連合と不死軍勢の勝率をほぼ互角まで近づけられました。ただ一方では,チーム編成や「ドラフト選択」における「禁止ヒーロー」固定化の傾向が強くなってしまっています。
中でも,神聖連合の「イレア」「フェルダ」,不死軍勢の「セルベリア」「アグニ兄弟」「プルートー」などは禁止ヒーローの常連となってしまい,せっかく手に入れても使えないことが多いという状況でした。
陣営制限がなくなることで,これまでのチーム編成やドラフト選択の「常識」がなくなり,禁止ヒーローの傾向も変わってくると思います。
オリジナルとなる韓国版では,すでに陣営制限が撤廃されていますが,プレイヤー個人が得意とするヒーローであったり,チーム構成でキーとなるヒーローであったりというように,ドラフト選択における禁止ヒーローの傾向は変わっています。
ですので,今後は日本でも,ドラフト選択で特定のヒーローばかり禁止されるという状況は緩和されていくのではないでしょうか。
カスタム戦での陣営の制限はなくなりますが,ヒーローの重複選択はできないという仕様に変更はありません。実は,重複制限が撤廃されたルールも韓国版にはあるのですが,陣営制限撤廃と同時に実施すると混乱を招くので,今のところ実装を見送っています。
陣営制限を撤廃したルールが追加されることに伴ない,今後はヒーロー実装のペースにも変更があるという。韓国で実装済みの「リバースヒーロー」については,ヒーローではなくアバターとして実装される予定とのことだ。
遠藤氏:
陣営バランスのこともあって,これまでは両陣営のヒーローが同数になるよう,2週に一度のペースで,両陣営に1体ずつ同時に追加してきましたが,陣営制限撤廃の導入後は,毎週1体ずつに変更します。
7月から8月にかけて行った「夏のヒーロー強化月間」では,毎週2体ずつのヒーローを実装したのですが,プレイヤーの皆さんが新ヒーローに慣れるまでのペースを,アップデートのスピードが追い越してしまうところがありました。
ただ,毎週ヒーローを追加すること自体はおおむね好評でしたので,定期メンテナンスのある毎週火曜日に「今週のアップデートは何だろう?」と,今後も期待していただけるようペース配分を変えたということですね。
陣営制限の撤廃で,選択できるヒーローが実質2倍に増えたとも言えます。プレイヤーの皆さんからいただいている,「ヒーローを増やしてほしい」というご要望にも,直接ではありませんがお応えできると考えています。
なお,韓国版では,陣営を寝返ったという設定の「リバースヒーロー」が実装されていますが,陣営制限が撤廃されたこともあって,リバースヒーローはアバター扱いになります。日本では11月末に提供させていただく予定です。
ヒーローの個性をカスタマイズできる
「アイテム製作システム」
今回実装されるのは以下の13種類。製作アイテム自体の性能や試合中の購入価格はそれぞれ固定で,ランダムで付与される追加効果のみ異なるという仕様になっている。
アイテム名 | 効果 |
---|---|
湧水の加護 [中級] | 注意: 力タイプ専用アイテムです。 着用効果: 力 +5%、力 +10、防御力 +10 増加 特殊効果: 湧水 Lv 2 最大HPの1.5%が攻撃力として追加されます。 |
閃電の審判 [中級] | 注意: 敏捷タイプ専用アイテムです。 着用効果: 敏捷 +5%、敏捷 +10、攻撃力 +40 増加 特殊効果: 閃電 Lv 2 通常攻撃ごとに、20%の確率で2.2倍のクリティカルダメージを与え、クリティカルに失敗した場合は3秒間、次の攻撃時のクリティカル発生率が5%増加します。この発動率は制限なく重複し、持続時間が尽きるか、クリティカル発生時に初期化されます。 |
瞬炎の知恵 [中級] | 注意: 知能タイプ専用アイテムです。 着用効果: 知能 +8%、知能 +16、HP +150 増加 特殊効果: 瞬炎 Lv 2 スキルの再使用時間が15%減少します。ただし、究極スキルには効果が適用されません。 |
炸撃の矢 [中級] | 着用効果: 攻撃力 +25、攻撃速度 10% 増加 特殊効果: 炸撃 Lv 2 通常攻撃ごとに、対象を中心に200の範囲内にいる敵に攻撃力の30%の物理ダメージを与えます。 |
野獣の鉤爪 [中級] | 注意: 近接攻撃タイプ専用アイテムです。 着用効果: 攻撃力 +30、HP +100 増加 特殊効果: 出血 Lv 1 攻撃対象がヒーローの場合、2.5秒間、0.5秒ごとに15の魔法ダメージを与え、移動速度を20%減少させます。 |
追跡者の槍 [中級] | 注意: 遠距離攻撃タイプ専用アイテムです。 着用効果: 攻撃速度 +40%、夜間の視界 +512 増加 特殊効果: 追撃 Lv 1 攻撃対象がヒーローの場合、4秒間、射程距離が150増加し、対象の視界を得ます。 |
絶叫の双剣 [中級] | 着用効果: 攻撃速度 +30%、MP +100 増加 特殊効果: 絶叫の一撃 Lv 1 通常攻撃ごとに、40%の確率で150の物理ダメージを追加で与え、追加ダメージの20%をHPとして回復します。 |
呪言のマント [中級] | 着用効果: 防御力 +7、HP +200 増加 特殊効果: 放射 Lv 3 250の範囲内にいる敵に0.5秒ごとに20の魔法ダメージを与えます。また、この効果によってダメージを与えるごとに、周期的なダメージが3秒間5ずつ増加します。この追加効果は最大5回まで重複し、持続時間が終了すると初期化されます。 |
波動の杖 [中級] | 注意: 知能タイプ専用アイテムです。 着用効果: HP +150、知能 +15 増加 特殊効果: 波動 魔法攻撃力が30%増加します。 |
忍耐のネックレス [中級] | 注意: 力タイプ専用アイテムです。 着用効果: HP +150、HP回復速度 +5 増加 特殊効果: 忍耐 Lv 1 500のダメージを受けるごとに、次の攻撃に200の魔法ダメージが追加され、追加ダメージの150%のHPが回復します。この効果は6秒間持続し、効果が発動すると解除されます。 |
虚空のネックレス [中級] | 注意: 敏捷タイプ専用アイテムです。 着用効果: HP +200、敏捷 +8 増加 特殊効果: 虚空 Lv 1 ダメージを受けた時に自分のHPが40%以下だった場合、3秒間ステルス状態となり、移動速度が20%増加し、最大移動速度が480となります。この効果は攻撃やスキルを使用しても解除されません。 |
安寧のネックレス [中級] | 注意: 知能タイプ専用アイテムです。 着用効果: HP +200, MP +200 増加 特殊効果: 安寧 Lv 1 ダメージを受けた際、自分のMP100ごとにダメージが0.8%減少します。 |
霊寄せの壺 [中級] | 着用効果: すべての属性値 +5 増加 特殊効果: 霊寄せ Lv 1 1300の範囲内にいるヒーローが死亡した時、自分のHPが100回復し、10秒間攻撃力が15増加します。この効果は、最大10回まで重複し、持続時間が終了すると初期化されます。 |
製作アイテムは中級/上級/英雄という3つのグレードに分かれており,同一の製作アイテム5個を合成することで,グレードを上げることが可能だ。中級では追加効果は1個だけだが,高級なら2個,英雄なら3個付与される。
なお,グレードを上げたタイミングで追加効果は抽選し直しとなり,合成前の追加効果は引き継がれない点には注意が必要だ。
ちなみに,どのランクでも「太古の魔力石」を消費すれば,最大5回まで追加効果の再抽選が行える。なお,グレードを上げれば,再抽選を行ったカウントはリセットされる。
遠藤氏:
現状では,ヒーローごとのアイテム構成が定番化の傾向にあるのですが,製作アイテムの導入で,プレイヤーのスタイルに合わせた特徴を出していけるようになればと考えています。
また,同じアイテムを専用ショップに複数並べることができますから,追加効果の異なる製作アイテムをセットして,戦況によって購入するアイテムを切り替える,といったプレイもできるようになります。
製作アイテムの追加効果にはいろいろな種類がありますが,ヒーローの個性をより尖らせるというイメージで,ヒーローを極端に強くするようなものではありません。オリジナルの韓国版でバランス調整を経たものを実装しますので,ゲームバランスに大きく影響するようなことはないはずです。
今後は,製作アイテムの種類と,セットできるショップの数を増やしていく予定ですので,ご期待いただければと思います。
製作アイテムは,今回のアップデートで実装された新要素の「今日の目標」を達成することで入手が可能だ。これは,「試合をして一定以上の経験値を獲得する」「試合で一定回数以上勝利する」といった条件を満たすごとに報酬アイテムがもらえるという仕組みで,報酬には製作アイテムの元や神秘の破片なども含まれている。
「今日の目標」のカウントは1日ごとにリセットされるので,ゲームをプレイするほど製作アイテムを手に入れやすくなるわけだ。
遠藤氏:
「今日の目標」の達成条件はそれほど厳しくなく,たとえば経験値獲得なら,1試合普通にプレイすれば条件を満たせるようになっています。カスタム戦はデイリー報酬の対象外となってしまいますので,ノーマル対戦やランキング対戦に挑戦していただければと。
試合をすればするほど製作アイテムの元が手に入りやすくなりますので,ぜひ,一日に一度は「カオス ヒーローズ オンライン」をプレイしていただければと思います。
神秘の破片を25個集めると「神秘の宝玉」と交換できる。神秘の宝玉を使うと,製作アイテムの元がランダムで1個もらえるという仕組みになっている。神秘の破片は,先述した「今日の目標」や不要なアイテム/アバターを分解するなど,複数の入手手段が用意されているので,積極的に使っていったほうがいいだろう。
試合で新たな駆け引きが生まれる可能性を持った
「懸賞金システム」
試合中に「ヒーローを連続でキルする」「建物を多く破壊する」「アシストを行う」というように,活躍したヒーローは「賞金首」となり,懸賞金がかかる。そのヒーローをキルすれば,通常より多くのゴールドが入手できるのだ。
なお,賞金首となったヒーローには「天下無双」「常勝無敗」などの称号が表示されるだけで,とくに試合中のメリットは存在しない。誰がどのくらいの賞金首なのかを確認できる「手配書」が一覧できる画面も用意されるため,試合で活躍するほどほかのヒーローに狙われやすくなるというわけだ。
遠藤氏:
賞金首となったヒーローを倒すと,通常より多くのゴールドがもらえます。ヒーローをパワーアップさせるにはゴールドが重要な要素ですから,賞金首になったヒーローをキルすれば,不利な状況をひっくり返すこともできるようになるでしょう。
また,キル数が多かったり,建造物を破壊したりというように,活躍しているヒーローが賞金首という形で表示されることで,ライト層のプレイヤーにも,相手チームの誰を狙えばいいかが分かりやすくなります。
うまいチーム同士だとキルの取り合いになったりして賞金首が出にくいこともあるかもしれませんが,1試合に1回は賞金首が出るくらいのバランスにしています。連続10キルなど,かなりの活躍が必要な賞金首の称号もあるので,ぜひ挑戦してみてほしいですね。
そのほか,遠藤氏から聞かせてもらった情報を,以下にまとめてお伝えしよう。
現在開催中のランキング対戦「第5回 CHAOS HEROES CUP」では,アンケートの結果に基づいてソロ限定にしたところ,試合数や復帰プレイヤーなど,以前よりも盛り上がりが大きくなっているという。そのため今後,ランキング対戦はソロ,クラン戦や公式オンライン大会の「1DAY TOURNAMENT」はパーティというように,方向性を切り分けていくことも検討しているそうである。
以前実装された「観戦モード」は,試合全体の流れを把握したり,上級者の立ち回りを見たりなど,プレイヤーが試合で活躍するための参考にしているようで,利用率も高く評判もいいとのこと。
遠藤氏によれば,副次的な効果として,迷惑行為の調査にも役だっているという。観戦IDの報告を受ければ,運営サイドで実際に試合を見て確認できるので,迷惑/不正行為があったかどうか,チェックが素早くできるようになったそうだ。
ただ,残念ながら観戦モードは,今回のアップデートで機能が一時停止されている。早期の再開を待ちたいところだ。
ヒーロー追加に関して遠藤氏は,今後も積極的に実施する予定であり,アバターではなくヒーローを追加する形で進めていきたいと話していた。ちなみに韓国版では「BLAZBLUE」シリーズとのコラボが実現しているが,日本でも実装できないか,開発元に確認を取っているところだという。
最後に,遠藤氏からのメッセージを掲載し,本稿の締めとさせていただく。本稿で掲載した内容は,本日(10月29日)のアップデートで実装されている。興味を持った人は,ぜひゲームにログインしてみてほしい。
遠藤氏:
10月29日のアップデートでは,陣営制限の撤廃や製作アイテムなど,システム面に大きく手が入ったアップデートになります。新しい戦略や遊び方が生まれるタイミングなので,プレイを止めてしまった人も,ゲームにログインして様子を見に来てもらえると嬉しいです。
また,ヒーローやアバターの追加は,今後も積極的に行っていきます。近日中に実装予定のものでは,意外なキャラクターに可愛らしいアバターを追加しますので,楽しみにお待ちいただければと思います。
直近でいえば「第5回 CHAOS HEROES CUP」をソロ限定で開催したように,運営チームでは,プレイヤーの皆さんからの声に耳を傾け,ともに進化し続けていきたいと考えています。ですので,ぜひ今後とも応援をよろしくお願いします。
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