北米時間2011年12月6日のタイムスタンプで,NVIDIAは,GeForce 600Mシリーズの新製品
「GeForce GT 635M」「GeForce GT 630M」「GeForce 610M」を製品リストに追加した。「GeForce 600」を冠する製品が公式に登場したのは今回が初めてとなる。
……が,NVIDIAによる大々的な発表がないことからも想像できるとおり,今回ひっそりと追加された3モデルは,
いずれもGeForce 500Mシリーズのリネーム(もしくはリモデル)品である可能性が高い。公表されている内容を基に,一部筆者の推測を交えつつスペックをまとめたのが下の
表となるが,“状況証拠”の積み重ねから判断するに,
- GeForce GT 635Mは「GeForce GT 555M」
- GeForce GT 630Mは「GeForce GT 540M」
- GeForce 610Mは「GeForce 520MX」
のラベルを貼り替えただけのものと見るのが妥当だろう。
おそらく,2012年初頭にPCメーカーから登場するノートPCが,これら“新世代GPU”を搭載してくるのだと思われるものの,スペックを見る限り,3製品に新しさはない。真の意味でのGeForce 600世代が開幕するには,もうしばらく時間が必要なようだ。
筆者の推測が入った部分は,確度の高低にかかわらず「?」を加えた
※1 GF106のフルスペックだと192bit GDDR5だが,192bit GDDR5で帯域幅43.2GB/sを実現するには,データレート1.8Gbps(実クロック450MHz)まで落とす必要があり,現実的ではない。GT 555Mのスペックが「128bit GDDR5により最大50.2GB/s,動作クロック3.14GHz相当(実クロック785MHz)」ということを考えると,メモリ周りのスペックはこちらを参照すべきではなかろうか。あるいは,メモリバス帯域幅が43.2GB/sということにこだわるなら,GDDR5を組み合わせるときは,128bit,動作クロック2.7GHz相当(実クロック675MHz)になっている可能性も指摘できよう
※2 GT 630Mのテクスチャフィルレートは公式に最大126億Texels/sだが,GF108のフルスペックだとテクスチャユニットは16基なので,コアクロックが672MHzよりも高くない限り,126億Texels/sはありえない。GT 540Mと同じ,108億ではないかと思われる
※3 610Mのメモリサポートは,製品情報ページによるとDDR3/GDDR5だが,公開されたpdfファイルではDDR3とされている。また,ほかのスペックも考慮するに,GDDR5採用の可能性は低い
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参考:NVIDIAが公開しているpdfファイル「Specifications_GeForce_610M_GT_630M_FINAL_100611.pdf」(※ファイルはGPUの製品情報ページからダウンロード可能です)を画像化したもの
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NVIDIAのGeForce製品情報ページ
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NVIDIAが公開したGeForce GT 635Mの製品情報
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NVIDIAが公開したGeForce GT 630Mの製品情報
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NVIDIAが公開したGeForce 610Mの製品情報