ココロスコープで「感情の暴走」を食い止めろ。開発陣が新システムを解説した，カプコン夏の新作体験会「逆転裁判5」ステージレポート

　アクアシティお台場で開催中の「カプコン夏の新作体験会 in アクアシティお台場」。その初日である本日（2013年6月1日）開催された，ニンテンドー3DS用ソフト「逆転裁判5」のスペシャルステージの模様をお伝えしよう。ステージに登壇したのは，本作のプロデューサーの江城元秀氏と，シナリオディレクターの山﨑 剛氏で，両者からシリーズ最新作の情報が披露された。

「逆転裁判5」プロデューサー 江城元秀氏

「逆転裁判5」シナリオディレクター 山﨑 剛氏

「逆転裁判5」公式サイト

　ステージは，まず「逆転裁判」シリーズを知らない来場者に向けた，基本要素の解説からスタート。さらに前日のNintendo Directで公開された，最新プロモーション映像がスクリーンにて上映された。
　その後のトークは，映像の中にも登場した，本作の新システム「ココロスコープ」についての話題を中心に展開される。主人公の成歩堂龍一の新パートナーであるココネちゃんこと希月心音の能力で，証人の喜怒哀楽を覗けるというこのシステム。ステージでは初公開となる「感情の暴走」について，山﨑氏が実機を使って実演してみせた。

ココロスコープで見た，感情の暴走状態となった証人。4つあるはずの感情が，一つになっている

　感情の暴走とは，ココロスコープで覗いた感情が激しく偏り，ほかの感情が見えなくなってしまう状態のこと。この暴走を収めるためには，その原因を指摘する必要があるという。ステージでは，証言者のユメミが「妖怪を見た」という記憶によってパニック状態になり，感情が哀しい方向に暴走しているのを，プレイヤーが「さぐる」を使って原因を突き止め，正しく指摘することで暴走を抑えるという展開が披露された。

「さぐる」コマンドで特定の箇所を正しく指摘すると，感情の暴走を収めることができる

　続いては，BONES制作によるアニメーションシーンの上映へと移る。その中に登場した今回のライバル検事・夕神 迅について，山﨑氏は「とにかく悪くて手ごわい検事にする」というコンセプトのもと，囚人という設定付けがされたと解説した。山﨑氏が江城氏にその設定を伝えたときは，「大丈夫か!?」と心配されたという。
　そんなエピソードのもと完成した夕神は，心理学の心得があり，法廷の空気を支配してしまうような，手ごわい相手になっているとのこと。彼の肩に止まっている鳥は，愛鳥のタカ「ギン」で，その活躍にも期待がかかる。

夕神検事を紹介する山﨑氏。悪さを強調した結果，囚人という前代未聞の設定となった

BONES制作によるアニメーション映像は，カラス天狗と九尾の狐がぶつかり合う第2話冒頭のイメージシーンと，収監された夕神検事が法廷へと出向くシーンが上映された

　本作のキャンペーンやグッズなどの情報が紹介されたのち，ステージには7月末より公開予定の舞台「逆転裁判」で主役の成歩堂龍一を演じる，兼崎健太郎さんがゲストとして登場した。どうやら舞台版「逆転裁判」は，劇中劇「大江戸戦士トノサマン」の本番中に起こった事件の容疑者・荷星三郎を，成歩堂龍一が弁護するという，初代「逆転裁判」のエピソードを舞台向けにアレンジした内容のようだ。

爽やかな笑顔でトークを繰り広げたゲストの兼崎さん。山﨑氏とはこのステージが初対面で，少々緊張していたそうだ

　兼崎さんはじめ，キャスト全員がキャラクターの姿となったメインビジュアルもここで公開され，その完成度の高さに来場者から歓声が上がっていた。とくに注目はキャストの髪型で，江城氏によれば全員が地毛で作っているため，セットするのに1時間以上かかるのだという。ちなみに事前に行われた記者会見でキャストの様子を見た江城氏は，「すごく自然に，キャラクターに見えた」と絶賛していたほどだ。
　兼崎さんは，「なるほどくん（成歩堂龍一）の“正義感が強く，依頼人の無実を信じる心”は崩さずに，ゲームや映画にも負けないような，舞台ならではの世界観を作っていきたい」と宣言し，最後に決めゼリフ「異議あり！」を残してステージをあとにした。

　最後に江城氏は，「発売まで2か月を切りましたが，申し分のない内容に仕上がりました。早期購入特典もありますので，予約して購入いただければ嬉しいです」とコメント。そして山﨑氏は「スタッフ全員気合を入れて制作し，こだわりが随所に見える作品になりましたので，発売となる7月25日を楽しみにしていてください！」と呼びかけて，ステージは終了となった。

最後に「異議あり！」で締めてくれた兼崎さん。会場からは黄色い歓声も上がっていた

アクアシティお台場で「探偵パート」を初体験

　ステージ終了後，会場に設置されていた本作の体験版をプレイすることができたので，その内容についても簡単にお伝えしておこう。
　今回の体験版では，昨年の東京ゲームショウなどで出展された「法廷パート」のほかに，新たに「探偵パート」がプレイできるようになっていた。試遊台では，約15分のプレイ時間の間なら，どちらをプレイしてもOKとのこと。まずは今回初めてプレイアブル出展された探偵パートについて紹介しよう。

会場の試遊台では，1人15分間のプレイ時間が設けられていた。この試遊台でしか楽しめないシナリオということで，探偵パートをプレイする人が多かったようだ

　体験版での探偵パートの主人公は，なんと，なるほどくんではなく，オドロキくんこと王泥喜法介だ。妖怪伝説が伝わる九尾村で，謎のメッセージを遺して失踪してしまったなるほどくんを探すために，オドロキくんとココネちゃんが事件現場を調査するという内容となっていた。なお，このストーリーは，ステージにも登場した山﨑氏が，体験版のために書き下ろしたオリジナルのシナリオで，ゲーム本編のネタバレにはならない配慮がなされているという。

試遊台は1日の昼過ぎで約70〜95分待ちとなっていた。試遊をすると，2種類のオリジナルコースターのセットがプレゼントされる

　今回の探偵パートは3Dグラフィックスで表現されていて，タッチスクリーンのタッチやスライドパッドを使って怪しいポイントを探ると，その場所がなめらかにズームアップされていく。この演出により，臨場感のある調査が行えるというわけだ。
　手がかりのあるポイントにカーソルを合わせると，その先に丸印が表示される仕様なので，タッチで直接場所を指定するよりも，スライドパッドでカーソルを動かしながら探すほうが見つけやすいかもしれない。また既に調査済みのポイントにカーソルを合わせたときは，チェックマークがつくようにもなっていた。
　現場ですべての手がかりを見つけると，最後になるほどくんが登場。製品版へと期待を持たせつつ，終了となった。

　一方の法廷パートは，TGSに出展されたものや公式サイトのWeb体験版と内容はほぼ同じもの。そのため詳しい内容は割愛するが，両モードともやはりキャラクターが3Dグラフィックスになり，それが立体視で生き生きと動くのが実に楽しかった。探偵パートの立体視を使った演出や，仕掛けなどにも期待したいところだ。

　この体験版は明日2日にも引き続きプレイ可能なので，いち早く探偵パートを体験したい人は，会場に足を運んでみよう。また6月には，ニンテンドーeショップでも体験版が配信され，店頭にも体験版が用意されるとのことだ。期待している人はそちらもぜひプレイしてみよう。

ソフトと同じ7月25日には，逆転裁判5のオリジナルグッズも発売される予定だ。ともにニンテンドー3DS LLの周辺機器となる

公式サイトで公開中のWeb体験版は，プレイした感想をTwitterでつぶやくと，抽選でオリジナルTシャツがプレゼントされる

イーカプコン限定の「LIMITED EDITION」の試作品も展示。フィギュアとデフォルメキャラデコステッカーのほか，なるほどくんの胸元の色をイメージした「ナルホドスタイルポーチ」も付属する

おなじみのなるほどくん等身大フィギュアも設置。ゲストの兼崎さんが，明日迎える誕生日のプレゼントとして江城氏にこのフィギュアをねだっていたシーンも

「逆転裁判5」公式サイト