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[CES 2016]従来比で圧倒的に静かな純正CPUクーラーをAMDが披露。A10 APUの新型も予告
本稿では,Polaris関連以外の展示から,AMD純正の新型CPUクーラーや,2016年第1四半期に登場予定の新APUなどについてレポートしたい。
AMDの純正の新型CPUクーラーがグッと静かになる?
AMDのCPUやAPUを使っている人なら知っていると思うが,これらに今まで付属していた純正のCPUクーラーは,動作時の騒音がかなり大きい。純正CPUクーラーに不満があるなら,数多くの製品が流通しているサードパーティー製のCPUクーラーを買えば話は済むとはいえ,そのために数千円の出費を求められるというのもツラいところだ。
純正CPUクーラーの騒音を改善する声は世界的に少なくなかったらしい。そこでAMDは,CES 2016で,冷却能力の強化と静音性の向上を両立した新型CPUクーラー「Wraith Cooler」(レイスクーラー)を発表し,今後販売されるCPUやAPUに同梱すること発表したのである。
デスクトップPC向け製品の説明担当者によると,「幽霊」の名を冠するWraith Coolerは,既存の純正クーラーである「AMD D3 Cooler」と比べて,冷却フィンの面積が24%増大しており,冷却ファンによる空気流量も34%増加しているという。
Wraith Coolerの正確なサイズは示されなかったのだが,大雑把に測ってみたところ,95(W)×110(D)×90(H)mm程度の大きさがあるようだ。
これらの改良により,Wraith Coolerにおける動作時の騒音は,10分の1程度まで低減しているとのことだ。通常動作時の場合,従来のAMD D3 Coolerだとノイズレベルは54dBA程度なのに(※AMDのスライドでは51dBAと表記),Wraith Coolerは38dBAまで音量が下がっていると,担当者はアピールしていた。
AMDが,動作音の違いを比べたデモムービーを公開しているので,興味のある人は再生してみてほしい。驚くほど騒音レベルが低下しているのが分かると思う。
もともと安価の製品の多いAMD製CPUやAPUが,付属のCPUクーラーでも十分な静音性と冷却能力を実現できるようになれば,別売りのCPUクーラーを買うためのコストを節約できる可能性も出てくる。AMDプラットフォームでPC自作を検討している人には,ささやかだが嬉しいポイントになりそうだ。
APU新製品「A10-7890K」は2016年第1四半期中に発売
冒頭で軽く触れた新APUは,デスクトップPC向けの「A10-7890K」だ。AMDは,本製品をを2016年第1四半期中に正式発表すると予告している。現在,A10シリーズAPUのハイエンドは「A10-7870K」なので,最上位モデルが入れ替わるのは,2015年5月以来ということになる。
実物の披露やデモ,詳細スペックの公開は残念ながらなかったが,CPUコアの最大動作クロックが,A10-7870Kの4.1GHzより0.2GHz分高い4.3GHzに達することだけは明らかになった。それ以外の主な仕様――グラフィックス機能やDDR3-2133メモリコントローラを統合する点など――は,A10-7890Kと変わらないと思ってよさそうだ。
AMD公式Webサイト
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