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モビルスーツがまさかのローリング!? 「機動戦士ガンダム バトルオペレーション」CBTで連携を重視した戦闘や機体の動きを確認してみた
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印刷2012/04/03 13:41

プレイレポート

モビルスーツがまさかのローリング!? 「機動戦士ガンダム バトルオペレーション」CBTで連携を重視した戦闘や機体の動きを確認してみた

 2012年6月下旬のサービス開始を予定している,PlayStation 3用タイトル「機動戦士ガンダム バトルオペレーション」のクローズドβテストが,3月29〜31日に実施された。家庭用ゲーム機で基本プレイ無料+アイテム課金のスタイルを採用したオンライン専用対戦ゲームが,しかもガンダムという題材で出てきたということで,大きな注目を集めていた本作。クローズドβテストに参加しその内容を確認してきたので,プレイレポートをお届けしよう。

画像集#001のサムネイル/モビルスーツがまさかのローリング!? 「機動戦士ガンダム バトルオペレーション」CBTで連携を重視した戦闘や機体の動きを確認してみた

「機動戦士ガンダム バトルオペレーション」公式サイト



MS&生身(!)でポイントを競うゲームルール


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 本作は,地球連邦軍とジオン公国軍の2チームに分かれて,最大6vs.6の対戦を繰り広げるアクションゲームだ。製品版では,いくつかのゲームルールが選べるようだが,今回のテストでプレイできたのは,山岳地帯のマップを使った「ベーシック」ルールでの対戦だった。
 このルールは,8分の制限時間内に敵拠点の爆破,マップ上に複数配置された中継地点(リスポーンポイント)の確保,そして敵の撃破によりポイントを獲得していき,その総計を争うというもの。リスポーンポイントを押さえることが勝敗のポイントに直結するという意味では,「バトルフィールド」シリーズのコンクエストをイメージしてもらえると分かりやすいかもしれない。

今回のテストで体験できたのは山岳地帯のマップとなる。起伏に富んだ地形になっており見通しが悪いので,近〜中距離での戦闘が発生しやすい印象だ
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 面白いのは,拠点を爆破するための爆弾設置や,中継地点の制圧を行うためには,モビルスーツから降りて生身で行動する必要があるということ。そう,本作はモビルスーツに搭乗していないパイロットが単独で行動できるという,珍しいガンダムゲームなのである。
 生身の状態では,アサルトライフルやバズーカなどの武器を使えるものの,当然ながら攻撃を受けるとすぐにやられてしまうので,モビルスーツを相手に戦えるはずもない。まあ,生身でザクIIに立ち向かうというのも燃える展開ではあるが,基本的には敵がいないスキに破壊工作を行うか,味方に戦闘を任せて活動することになるはずだ。

モビルスーツを降りて破壊工作中の筆者。スケールの違いすぎるザクが怖い
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パイロット同士で敵に出会うと,普通のTPSのような撃ち合いになる
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敵がザクIIから降りて,拠点に設置された爆弾を解除しにきたのだが,それを倒してザクIIを奪うことができた。敵軍から奪ったモビルスーツはそのまま運用できるが,一定時間後に自爆装置が作動して爆発してしまう
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中継地点にはワッパが置いてある。これを使えば生身の状態でも高速で移動できるので,破壊工作を行うときにはぜひとも乗っておきたい。……勝てないのが分かっているのに,モビルスーツにワッパで立ち向かいたくなるのはなぜだろう
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 各行動で獲得できるポイントについては,敵モビルスーツの撃破が100ポイント,パイロットの撃破が30ポイント,敵拠点の爆破に成功すると500ポイント,そして中継地点の獲得が150ポイントといった具合。敵を倒すよりも,拠点や中継地点を押さえたほうが高得点になるので,モビルスーツ戦ばかりでは勝てないところがミソだ。
 要するに,ベーシックルールでは,モビルスーツに乗って積極的に敵を倒していく人のほかにも,敵拠点の爆破や中継地点の制圧をマメに行う人,そして同じようにそれを狙ってくる敵から施設を守る人が必要になるわけである。チームメンバー6人が,うまい具合にそれぞれの役目を果たしていくのが,勝利への近道となるはずだ。

画像集#013のサムネイル/モビルスーツがまさかのローリング!? 「機動戦士ガンダム バトルオペレーション」CBTで連携を重視した戦闘や機体の動きを確認してみた
モビルスーツに乗っていると,生身のパイロットは豆粒ほどの大きさで表示され,こっそり潜入されるとかなり見つけづらい。中継地点では足下に気を配って,きっちり敵を排除しておきたいところだ
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生身相手には,弾をばらまけるヘッドバルカンが非常に有効。バルカンがここまで便利なガンダムゲームも珍しい気がする


モビルスーツのディテールはなかなかのもの
戦闘バランスは正式サービスまでの調整に期待


 次はモビルスーツまわりに触れておきたい。今回のテストでは,ジムとザクIIが配備された状態でゲームがスタートし,所属チームによってどちらかを使う仕組みになっていた。ジム「か」ザクIIではなく,最初から両方所持している。ゲームに参加するたびに,自動で連邦かジオンのどちらかのチームに割り振られるので,基本的にはどちらの軍のモビルスーツも使うことになるのだ。

筆者はてっきり,ゲーム開始時にどちらかの軍に所属するものだと思っていたので,ちょっと意外だった。迷うことなくジオンを選ぶつもりだったのだが,なぜか連邦に割り振られることが多く,スクリーンショットも連邦側のものばかりに
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 もちろん,ジムやザクII以外のモビルスーツも,プレイを進めるにつれて手に入る。対戦終了後の報酬画面では,パイロットの階級に関わる経験値,新たな兵器を開発するための「開発ポイント」,そして各種モビルスーツ,ハイパー・バズーカやビームライフルといった武器,そしてモビルスーツを強化するためのカスタムパーツを開発するのに必要となる,設計図が入手できるのだ。
 設計図は,入手するたびに完成度が高まっていく仕組み。例えばジムキャノンやザクキャノンの設計図であれば,1枚につき20%だけ完成度が高まるので,5回入手したところで初めて開発が可能になる。その後,必要な開発ポイントを消費すれば,ジムキャノンが実戦投入できるようになるといった感じだ。

 設計図集めは,MMORPGでレアアイテムを集めるような感覚で,欲しいモビルスーツや武装の設計図を入手できるとかなり嬉しい。カスタムパーツや武装も同じような仕組みで設計図から開発できるので,やりこみ要素やコレクション要素は豊富に用意されていそうだ。

ジムキャノン完成の瞬間。別に筆者はジムキャノンファンではないし,そもそもジオン贔屓なのだが,それでも設計図が完成して「これでジムとはおさらばだ!」などと喜んでしまった
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カスタムパーツや武装も設計図から作成できる。自分が持っていない武器やモビルスーツを使っている人を見ると,非常に羨ましくなる
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 モビルスーツのディテール,そしてグラフィックスクオリティは,家庭用ゲーム機向けガンダムゲームの中でも,トップクラスの出来なのではないかと思う。方向性としては,「機動戦士ガンダム戦記 MOBILE SUIT GUNDAM BATTLEFIELD RECORD U.C.0081」に近い雰囲気で,モビルスーツのメカメカしさが強調されたデザインになっており,その細かな動き,アップで映されたときの様子はかなり格好良い。
 アニメ版のような平らなデザインが好み,という人にはちょっと合わないかもしれないが,凝ったディテールに惹かれるロボット好きとしては,かなり満足できるデザインである。

走行時の関節の動きとか,武装交換時の挙動とかがたまらないんですが,分かってもらえますかね,この気持ち
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ジムの顔のアップを撮影。フェイスカバー越しにカメラ部分がうっすら見えるところが,心くすぐられませんか?
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 また,本作のモビルスーツの挙動は,「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス フルブースト」のようなギュンギュン動き回れるものではなく,割と“重い”感じの動きになっている。移動の基本はブースターを使わない走行であり,ブースターでの移動やジャンプもそれほど長くは行えず,使用後の硬直も非常に大きい。
 一年戦争を題材にしたアクションゲームには「機動戦士ガンダム戦記 MOBILE SUIT GUNDAM BATTLEFIELD RECORD U.C.0081」もあるが,同作以上に重厚な動きになっている印象である。

 そんな中で,ガンダムゲームでも非常に珍しいアクションが,「緊急回避」だ。読んで字のごとく,被弾を避けるときなどの緊急時に,ブースターゲージを大量消費して行う回避行動なのだが,なんとこれ,横方向へのローリングを行うのである。そう,ブースターを吹かせてステップ移動するのではなく,モビルスーツがゴロンとローリングするのだ。
 重厚な動きの中でのコミカルな要素なので賛否両論ありそうだが,個人的には,なんとなくアッガイにローリングしてもらいたい。

ローリングで回避するザクII。初めて見た時はさすがに驚いた
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ガンダムゲームでは見ない動きとして,「カバーアクション」も挙げられる。TPSでよく見られるのと同様,障害物に身を隠しながら射撃を行う動作だ。ローリングと比べてこちらは別に違和感はないというか,絵面的に格好良いので,カバーアクション可能な場所を見つけるたびにやりたくなる
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 もう1つ特徴的なのが,タックルからの掴み攻撃を行う「グラップル」
 これを敵に当てると,「連続攻撃」「投げ」「叩きつけ」という3つの選択肢が出現するので,いずれか1つを選ぶことになる。そして,掴まれたプレイヤーも同じ選択肢から1つを選ぶのだが,このとき攻撃側が選択したものを的中させられれば回避成功,もし回避に失敗した場合は大ダメージを受けてしまう,という仕組みだ。
 選択肢の数を考えると,仕掛けた側が有利ではあるのだが,グラップルは射程距離が短く,ブーストゲージを大量に消費し,さらに外したときのスキも非常に大きいため,リスクが高い。ただ,とにかく見た目に派手な攻撃なので,つい使ってみたくなるはずだ。

グラップル成功時の選択肢。CBTだからか,筆者の搭乗していた機体が使えないだけか,投げは選べなかった
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 以上のように,グラフィックスや挙動,派手なアクションなど,惹かれる面の多い本作のモビルスーツ。では,肝心の戦闘バランスがどうかというと,ゲームルールと同様に,かなりチームプレイ寄りになっている印象だ。端的に言ってしまうと,単独で敵地に乗り込むと,複数の敵の前に手も足もでない。

 「いや,それは普通じゃない?」と思うかもしれないが,本当に相手にならないのである。というのも,本作のモビルスーツは,近接攻撃やグラップル,ブースト,ジャンプなどの動作を行うと,かなり長めの硬直が発生するようになっている。
 加えて,敵に斬られたり,威力が高めのビーム兵器やバズーカによる攻撃を受けると,ここでも長い硬直が発生するなど,とにかくスキの生まれるシーンが多くなっているのだ。
 そのスキをカバーするには,敵がスキを見せたときに一緒に攻撃してもらう,自分が硬直中は助けてもらうなど,味方との連携を意識するのが一番。このあたりは,おそらく連携を重視したゲームルールに合わせた調整になっているのだろう。

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 ただ,筆者の個人的な印象としては,戦闘にもう少し爽快感はあってほしい,とも感じた。その要因としては,挙動の1つ1つに大きなスキが発生することに加えて,クローズドβテスト時点では全体的に,モビルスーツの火力に対して耐久力がかなり高く設定されていたことが挙げられる。
 ジムやザクIIであっても,バズーカを何発も当てたり,ビームサーベルやヒートホークで何度も斬ったりして,どうにかこうにか撃墜できる,というような装甲の分厚さになっていたため,やや緊張感に欠ける場面が見られるのだ。
 また,敵への攻撃がヒットした時や,敵からの攻撃を受けた時のエフェクトが分かりにくいというのも,爽快感の物足りなさにつながっていたように感じられた。
 もっとも,今回のテストは上述のとおりジムとザクIIからスタートしていたので,もっと強力な機体を使ったり,あるいはカスタムパーツで強化したりすれば,感覚も変わってくるのかもしれない。

 まとめると,今回のクローズドβテストで体験できた内容は,ビジュアル面は非常に満足できるものとなっており,「リアリティある格好良いモビルスーツ」を存分に堪能できた。一方で,戦闘面はもう一歩改善の余地があるように感じたのは正直なところだ。
 とはいえ,現時点ではまだ開発中の段階なので,今回のテストのフィードバックを受けて,正式サービスに向けた調整が行われていくはずである。いちガンダムファンとしては,今後のさらなるブラッシュアップに期待したい。

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