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Snapdragon 845搭載モデルの実力は? HUAWEIのP20 Proはゲームにも使える? NTTドコモ2018年夏モデル4製品テストレポート
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印刷2018/05/21 00:00

テストレポート

Snapdragon 845搭載モデルの実力は? HUAWEIのP20 Proはゲームにも使える? NTTドコモ2018年夏モデル4製品テストレポート

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 NTTドコモが発表した2018年夏モデルの新端末は,スマートフォンが10機種,タブレット端末1機種というラインナップだった。とくにハイスペックな端末は,総じてQualcomm製の最新ハイエンドSoC(System-on-a-Chip)である「Snapdragon 845 Mobile Platform(以下,Snapdragon 845)を搭載しており,実際の性能が気になる読者も多いと思う。
 そこで今回は,ハイエンドモデルにあたる4機種をピックアップして,発表会場でテストを行ったので,そのレポートをお届けしたい。なお,いずれの製品も発売前の機材で検証しているため,発売予定時期が先の端末に関しては,製品版と性能面で異なる可能性があることを,あらかじめお断りしておく。


ヘッドフォンがなくても臨場感のある音を楽しめる機種が増えたのが,ドコモ2018年夏モデルのポイントだ
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 ところで,今回取り上げる4製品で,共通したポイントに挙げられるのが,サウンド機能の強化だ。まずGalaxy S9+とP20 Pro,AQUOS R2は,Dolby Laboratoriesのサラウンドサウンド技術「Dolby Atmos」に対応しており,今回はテストしていないが,Galaxy S9+の姉妹機である「Galaxy S9 SC-02K」(以下,Galaxy S9)も同様だ。さらに,AQUOS R2以外はステレオスピーカーを搭載しているので,ヘッドフォンがなくてもサラウンドサウンドを楽しめる。
 一方,Xperia XZ2シリーズは「S-Forceフロントサラウンド」という独自のサウンド技術に対応するのが特徴だ。これは,前面に内蔵したステレオスピーカーを使ってバーチャルサラウンド再生を行うという技術で,ヘッドフォンを使わなくてもサラウンドサウンドを楽しめるという。ゲーム用途でスマートフォンを選ぶという人は,サウンド面にも目を向けるといいだろう。


Galaxy S9+


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 まずはGalaxy S9+からチェックしていく。
 Galaxy S9+は,Samsung Electronics(以下,Samsung)製スマートフォンのフラッグシップモデルとなる製品で,6.2インチサイズで解像度1440×2960ドット,アスペクト比9:18.5という縦長アスペクト有機ELパネルを採用する大きめの端末だ。
 全体のデザインは,2017年のフラッグシップモデルであった「Galaxy S8+」から大きく変わってはおらず,アウトカメラやSoC(System-on-a-Chip)を変更したマイナーアップデート機という印象を受ける。

前面(左):前面の見た目は,前世代機のGalaxy S8+からほとんど変わっていない
背面(右):Galaxy S9+のアウトカメラはデュアルレンズ仕様。レンズの下にあるものが指紋認証センサーだ
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貼り付けサービスに対応するGalaxy S9シリーズ用の保護ガラス
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 有機ELパネルの左右端が湾曲した「エッジスクリーン」を採用する点も同様で,短い上下端のベゼルも含めて,正面から見た雰囲気はGalaxy S8+と変わらない。なお,Galaxy S9シリーズのエッジスクリーンは,保護フィルムの類をきれいに貼り付けるのが難しい形状であるためか,5月18日からドコモショップの店頭で,エッジスクリーン部分も保護する強化ガラスの貼り付けサービスが始まっている。

上側面(左):トレイ式のSIMカードスロットが上側面にあるのは珍しい。写真右端に見える孔はサブマイク孔だ
下側面(右):左からスピーカーとメインマイク,USB Type-C,3.5mmミニピンヘッドセット端子の並び
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左側面(左):Samsung独自のAIアシスタント機能「Bixby」の起動ボタンと音量調整ボタンがある
右側面(右):こちらには[電源/スリープ]ボタンがあるだけ
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 Galaxy S9+で大きくアピールされているのはアウトカメラだ。Galaxy S9+のアウトカメラにおける特徴として挙げられているのは,「可変絞り」である。今までのスマートフォンは固定絞りばかりだったが,Galaxy S9+は,2つ並んだアウトカメラの上側(メイン側)が,F1.5とF2.4で絞りを切り換えられるのだ。

デュアルレンズの上側に注目してほしい。左がF1.5で,右がF2.4の状態。簡易的だが絞りが存在しているのだ
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 近年のGalaxyシリーズには,「Game Launcher」いうゲーム用機能を搭載している。ゲーム映像の録画やスクリーンショット撮影,OSの設定変更などを行える機能なのだが,Galaxy S8+が搭載してた同機能と比べると,Galaxy S9シリーズでは目につく変更はないようだった。
 またGame Launcherには,高性能を引き出せるようにSoCを制御する「ハイパフォーマンスモード」や,バッテリー駆動時間を優先する「バッテリーを節約」といった動作モードがある。ただ,評価機でこれらのモードを試した限りでは,ベンチマークスコアにはとりたてて変化がなかった。評価機では製品版相当の機能が動作しなかったのかもしれないが,アプリによって効果のあるなしが違うのかもしれない。

Game Launcherは登録したアプリ(※ゲーム以外でも可)で動作する(左)。ハイパフォーマンスモードは,今回のテストにおいては効果が確認できなかった(右)
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 余談気味だが,Galaxy S9+の有機ELパネルは,HDR表示にも対応する。ただ,いまのところHDR表示に対応するスマートフォンゲームはないようなので,HDR動画の視聴用程度の認識でいい。

 スペックも確認しておこう。Galaxy S9+は,SoCにSnapdragon 845を採用し,メインメモリ容量は6GB,内蔵ストレージ容量は64GBとなっている。
 ちなみに,姉妹機であるGalaxy S9もベースとなるスペックはほぼ共通で,有機ELパネルが5.8インチサイズで,本体サイズや重量が一回り小さいことと,メインメモリ容量が4GBであること程度の違いしかない。そのため,性能面に関しては,Galaxy S9+の結果が参考になると思う。

 今回の評価で使用したベンチマークアプリには,3Dグラフィックスベンチマークアプリ「3DMark」から「Sling Shot Extreme Unlimited - OpenGL ES 3.1」プリセットと,「Sling Shot Extreme ー Vulkan」プリセットの2種類と,総合ベンチマークアプリ「PCMark for Android」の「Storage test」,そして連打応答性をチェックする「ぺしぺしIkina」を使用した。これに加えて,アプリのインストール中などに「CPU-Z」でCPUの動作も確認したほか,「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」(以下,デレステ)と「PUBG MOBILE」での簡易的なテストも実施した。

 まずは3DMarkだが,OpenGL ES 3.1プリセットのスコアが「5124」と,5000の大台を超えたことに注目したい。前世代のSnapdragon 835では,3800〜4000程度だったので,20%以上の性能向上を果たしたことになる。これだけのグラフィックス性能があるなら,ほとんどのゲームアプリで問題がないだろう。
 一方,PCMark for AndroidのStorage testにおけるスコアは「3503」で,Galaxy S8+が「5344」を記録していたことを考えると,あまり振るわない。とはいえ,アプリの起動やタスクの切り換え時にもたつきなどは感じなかったので,性能差を体感する瞬間は,あまりなさそうに思える。

3DMark(左)とPCMark for AndroidにおけるStorage test(右)のスコア。Storage testでは,逐次読み出し以外の読み書き全般と「SQLite read」のスコアが振るわなかった
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ぺしぺしIkinaのスコア
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CPU-ZでCPUコアの動作を確認した様子。CPU 0〜3がLITTLE側,CPU 4〜7がbig側である。なお,GPU負荷は,相変わらず正常に取得できていない
 ぺしぺしIkinaの結果は,10秒間の連打回数が93〜96になるよう連打して「89」と上々のスコアで,とくに言及すべき点もなかった。

 CPU-Zで挙動を見ていくと,Snapdragon 845は44コアのbig.LITTLE構成なのは当然として,LITTLE側の最低動作クロックが,今回評価したほかのSnapdragon 845搭載機よりも高いことに気がついた。同じSoCを採用するAQUOS R2とXperia XZ2の場合,LITTLE側のCPU 0〜3は576MHzが動作クロックの下限だったが,Galaxy S9+は748MHzだったのだ。
 LITTLE側の最低動作クロックが高いと,性能向上よりもバッテリー駆動時間が短くなりそうで気になるのだが,CPU負荷が軽いときには,動作クロックが下限から上昇する気配がなかったので,大きな影響はないと思われる。Samsungなりのバランス調整の結果と判断していいだろう。

 ともあれ,Galaxy S9+は,性能面での不満を感じることはなく,これだけの性能を出せるのであれば,ハイエンド端末狙いのユーザーであっても,毎年買い換えではなく,2年に1回サイクルでの買い換えでも良さそうな印象だ。

タイミング調整の結果
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 それでは,お待ちかねのゲームにおけるテストを進めていこう。
 まずはデレステだが,発売前の評価機であるためか,適切な解像度で表示されず,高負荷でのテストが実施できなかった。そのため「2D標準」と大差ない負荷にしかならない「3Dリッチ」でのプレイとなったが,タップの取得漏れもなく,さっくりと「Yes! Party Time!!」をフルコンできた。また,タイミング調整も「+17」と低めの設定で十分だった。
 余談気味だが,ヘッドセット端子の位置が横持ち時でも邪魔になりにくいので,こういうところもゲーム用端末に向いている。

写真のように,適切な解像度での表示ができなかった
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 次は,発表会開催日に配信が始まったPUBG MOBILEでのテストだ。初回起動時に,端末のスペックに応じてデフォルト設定を提案されるのだが,Galaxy S9+では「高画質」が選ばれた。ゲーム内のグラフィックス設定でいうと,クオリティが「HD」,フレーム設定は「高」に当たる。

PUBG MOBILEの推奨設定画面(左)と,グラフィックス設定の画面(右)。なお,クオリティのフルHDは未実装なのか,選択できなかった
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 発表会場で1プレイを行うのは現実的ではないので,待機状態と飛行機でのスタンバイ状態で画面を動かして,もたつきがないかを確認した程度であるが,表示キャラクター数が多い状況でも描写のもたつきはなかった。

2シーンで画面を激しく動かして,もたつきがないかを確認した限りでは,問題は感じられなかった
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 初戦は他のキャラクターがすべてBotのようなので,すべてがプレイヤーである場合の負荷がどうなるかはなんともいえないが,設定を変更しても十分に楽しめそうな印象であった。「4Gamerベンチマークレギュレーション」におけるPC版PUBGでの測定方法を流用することも考えたが,適当なFPSカウンターが存在しないので,今回は試せなかった。PUBG MOBILEでの適当な測定方法については,今後の課題としたい。

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 Galaxy S9+の広い画面,とくに縦長アスペクトである点は,バトルロイヤルゲームにおいては重要な利点になりそうだ。アスペクト比16:9の場合,画面が指で隠れてしまうのが気になるもの。しかし,広い画面かつアスペクト比18:9のGalaxy S9+では,隠れる部分が少ないのだ。リズムゲームで横長アスペクトの画面だと,人によっては画面中央付近のボタンが押しにくいのだが,操作系が画面端に集まっているPUBG MOBILEは,状況確認もやりやすい。
 PUBG MOBILEを積極的にプレイしているゲーマーなら,縦長アスペクト画面のスマートフォンは,狙い目になるだろう。

●Galaxy S9+ SC-03Kの主なスペック
  • メーカー:Samsung Electronics
  • OS:Android 8.0(Oreo)
  • ディスプレイパネル:6.2インチ有機EL「Infinity Display」,解像度1440×2960ドット,HDR表示対応
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 845」(CPUコア Kryo 385×8,最大CPU動作クロック2.6GHz,GPUコア Adreno 630)
  • メインメモリ容量:6GB
  • ストレージ:内蔵64GB+microSDXC(最大容量400GB)
  • アウトカメラ(メイン):有効画素数約1220万画素,F1.5またはF2.4
  • アウトカメラ(サブ):有効画素数約1220万画素,F2.4
  • インカメラ:有効画素数約800万画素,F1.7
  • バッテリー容量:3500mAh
  • 対応LTEバンド:FDD-LTE Band1/3/4/5/7/12/13/17/19/21/28,TD-LTE Band38/39/40/41/42
  • 対応3Gバンド:WCDMA Band1/5/6/19
  • 通信速度:下り988Mbps,上り75Mbps,5CA対応
  • 待受時間:約400時間(LTE)
  • 連続通話時間:約1310分(LTE)
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11ac
  • Bluetooth対応:5.0
  • USBポート:Type-C
  • 本体公称サイズ:74(W)×158(D)×8.5(H)mm
  • 本体公称重量:約187g
  • 本体カラー:ミッドナイトブラック,チタニウムグレー
  • 主な対応サービス&機能:VoLTE,おサイフケータイ,防水(IPX5,8),防塵(IP6X),ワンセグ,フルセグ,ハイレゾ音源再生


P20 Pro


P20 Pro
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 続いてはP20 Proをチェックしていこう。
 本製品は,Huawei Technologies(以下,Huawei)が2018年3月に発表した同社製スマートフォンのフラッグシップモデルである。国内ではNTTドコモ独占供給となるそうで,SIMロックフリー端末として登場するだろうと思っていた人は,驚かされたかもしれない。

 ディスプレイには有機ELパネルを採用しており,サイズは6.1インチ,解像度1080×2240ドットでアスペクト比9:18.7という,ハイエンド端末では定番の縦長アスペクトとなっている。

前面(左):上端のインカメラは,有機ELパネルに切り欠き(ノッチ)を設けて2基搭載している。下部には指紋認証センサーを装備
背面(右):背面左上に3基のアウトカメラを備える。各カメラは,RGBセンサーとモノクロセンサーに加えて,望遠用を追加した形だ
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ノッチの左右を黒くして,ノッチ部分を目立たなくする機能もあり
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上側面(左):グローバルモデルにはない赤外線ポートがあり,中央やや右よりにサブマイク孔がある
下側面(右):左右にあるのはスピーカーで,マイク孔もどちらかにある。中央はUSB Type-C。なお,3.5mmミニピンヘッドセット端子はない
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左側面(左):トレイ式のSIMカードスロットがあるだけ
右側面(右):音量調整ボタンと[電源/スリープ]ボタンが並んでいる
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 P20 Proの搭載SoCは,2018年ハイエンドスマートフォンの定番であるSnapdragon 845ではなく,HiSilicon Technologies製の「Kirin 970」だ。AI処理専用のコプロセッサ「NPU」を搭載している点が特徴である。カメラ機能の被写体認識に活用されているものの,ゲーム方面でNPUを活用するタイトルはまだなさそうである。
 なお,メインメモリ容量は6GB,内蔵ストレージ容量は128GBと,今夏のNTTドコモ新製品ではトップクラスの充実ぶりだ。

 NTTドコモ版P20 Proとグローバル版との違いは,おサイフケータイ機能の追加と一部UIの変更などであるそうだ。国内事情に合わせた機能を追加した形で,ベーススペックに変更はないとのこと。概要についてはグローバル版のハンズオンレポートを参照してもらうとして,本稿では早速ベンチマークテストへ進めていきたい。

 ベンチマークテストは,Galaxy S9+と同じセットを実行した。最新のSnapdargon 845に比べると,3DMarkのOpenGL ES 3.1プリセットにおけるスコアは,やはり低めなのだが,Snapdragon 820以上のスコアは出ているので,ゲームプレイに困るようなものではない。タイトルによっては最高設定でもOKだ。
 ただPCMark for AndroidのStorage testにおける総合スコアは「14394」と非常に高かったものの,細目スコアが不自然で,正しく測定できていない可能性が否定できない。

3DMarkのスコア(左)。OpenGL ES 3.1プリセットは,Galaxy S9+と比べて2000ほど低いのだが,Vulkanの差はあまり大きくない。右はPCMark for AndroidのStorage testにおけるスコアだが,SQLite update/insert/deleteの値がざっくりしすぎており,どうも正しく計測できていないようだ
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ぺしぺしIkinaの結果は「89」と良好(左)。34タップめに軽めの飽和を確認した程度だ。CPU-Zの動作を確認したところ,なるべく動作クロックを上昇させないようにする傾向が目立った(右)。LITTLE側の最小動作クロックは509MHzまで下がる。体感速度を遅く感じることはなかったため,チューニングがしっかりしていると思ってよさそうだ
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 次はゲームのテストプレイだ。
 P20 Proにおけるデレステは,3Dリッチでプレイしも違和感なし。同じKirin 970を採用する「HUAWEI Mate 10 Pro」と同様のプレイフィールで快適だ。ときおりフレームレートがやや落ち込むシーンがあったものの,プレイに支障があるほどではなかった。体感で言えば,Snapdragon 835やSnapdragon 821と似た印象である。

デレステの表示に問題はナシ
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 むしろ,リズムゲーマーが気になるのは,P20 Proには3.5mmミニピンヘッドセット端子がなく,USB Type-Cからの変換になるところだろう。
 そこで,会場で付属品のUSB Type-C接続型ヘッドフォンを借りて試してみたところ,内蔵スピーカーでのプレイでは,タイミング調整が「+33」だったのに対して,付属ヘッドフォンを接続した場合は,「+37」程度が適当だった。

左が付属のヘッドフォンを接続していない状態でのタイミング調整結果で,右は取り付けたあとの結果。それぞれ5回実行しての平均値を表示している
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 調整値が高いことは気になってしまうのだが,難易度Masterのクリアには問題なかったので――曲によってはフルコンがキツそうであるが――,プレイ環境に応じてタイミング調整をする必要はあるものの,リズムゲームのプレイに支障を来すほどではなさそうだ。

 PUBG MOBILEのほうは,Galaxy S9+と同じく「高画質」が推奨設定であったものの,実際の動作では異なる傾向を確認できた。
 画面をグリグリと動かすだけのテストだったが,大きく画面を動かした場合に,描画にもたつきが生じやすかったのだ。プレイ中は,周辺状況を確認するために90〜180度くらい画面を回すことが多いため,この点がネックとなり得るだろう。ただ設定を下げれば,もたつきが生じる頻度は低下したので,高いグラフィックス設定に拘らないのであれば,プレイ環境としては良好と言ってもいい。

初回起動直後の設定画面(左)。高画質が推奨となったものの,飛行機のシーンとパラシュートで降りたあとで,大きく画面を動かした場合のもたつきを確認できた(右)
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●HUAWEI P20 Pro HW-01Kの主なスペック
  • メーカー:Huawei Technologies
  • OS:Android 8.1(Oreo)
  • ディスプレイパネル:6.1インチ有機EL,解像度1080×2240ドット
  • プロセッサ:HiSilicon製「Kirin 970」(CPUコア Cortex-A73×4 最大動作クロック2.36GHz+Cortex-A53×4 最大動作クロック1.8GHz,GPUコア Mali-G72,AI処理プロセッサ「NPU」搭載)
  • メインメモリ容量:6GB
  • ストレージ:128GB
  • アウトカメラ(RGB):有効画素数約4000万画素,F1.8,光学式手振れ補正機能搭載
  • アウトカメラ(モノクロ):有効画素数約2000万画素,F1.6,光学式手振れ補正機能搭載
  • アウトカメラ(望遠):有効画素数約800万画素,F2.4,光学式手振れ補正機能搭載
  • フロントカメラ(メイン):有効画素数約2400万画素,F2.0
  • フロントカメラ(サブ):有効画素数約800万画素,F2.4
  • バッテリー容量:3900mAh
  • 対応LTEバンド:未公開
  • 対応3Gバンド:未公開
  • 通信速度:下り988Mbps,上り75Mbps,5CA対応
  • 無線LAN対応:IEEE802.11ac
  • Bluetooth:4.2+LE
  • USBポート:Type-C
  • 公称本体サイズ:74(W)×155(D)×7.9(H)mm
  • 公称本体重量:約180g


AQUOS R2&Xperia XZ2


 残るAQUOS R2とXperia XZ2は,テスト時間の関係で簡易版としたので,やや駆け足で紹介しよう。ベンチマークテストは先の2製品と同じセットを行っている。

 まずは,AQUOS R2からテストしていこう。

AQUOS R2。今回評価した製品の中では,下部ベゼル幅が広めに確保されているため,片手操作はやりやすいほうだ
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なめらかハイスピード表示は,ゲームで対応するものはまだ少ないが,バトルロイヤルゲームが対応すると注目度が高まりそうである
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 AQUOS R2外観や主な特徴については,シャープの発表時におけるレポートを参照してもいたいが,リフレッシュレート最大100Hzで表示可能な「なめらかハイスピード表示」対応や,Snapdargon 845の搭載といった要素は,ゲーマーにも気になるところだ。

3DMarkのスコアはGalaxy S9+より低めだが,OpenGL ES 3.1プリセットは「4495」と,Snapdragon 835世代よりも高い(左)。PCMark for AndroidのStorage testはとても高いスコアで,操作時の応答性からも納得いく結果だ。ただ,SQLite updateのスコアがどうも怪しい(右)。PCMark側に問題があるのだろうか
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ぺしぺしIkinaのスコアは,なめらかハイスピード表示「オフ」の状態で計測して「92」と,申し分ない結果になった(左)。CPU-ZでCPU動作クロックを確認している様子(右)。画面を切り換えたり,アプリをダウンロードしたりする程度だと,動作クロックは下限に貼り付いたまま。アプリのインストール時にもそれほど上がらず,Snapdragon 845の高性能さをうまく引き出しているように思えた
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●AQUOS R2 SH-03Kの主なスペック
  • メーカー:シャープ
  • OS:Android 8.0(Oreo)
  • ディスプレイパネル:6.0インチIGZO液晶,解像度1440×3040ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 845」(CPUコア Kryo 385×8,最大CPU動作クロック2.6GHz,GPUコア Adreno 630)
  • メインメモリ容量:4GB
  • ストレージ:内蔵64GB+microSDXC(最大容量400GB)
  • アウトカメラ(メイン):有効画素数約2260万画素,F1.9,画角約90度(35mm換算22mm相当),光学式手振れ補正機能搭載
  • アウトカメラ(サブ):有効画素数約1630万画素,F2.4,画角約135度(35mm換算19mm相当),電子式手振れ補正機能搭載
  • フロントカメラ:有効画素数約1600万画素
  • バッテリー容量:3130mAh
  • 待受時間:約530時間(LTE)
  • 連続通話時間:約1770分
  • 対応LTEバンド:未公開
  • 対応3Gバンド:未公開
  • 通信速度:下り988Mbps,上り75Mbps,5CA対応
  • SIMカードスロット:nanoSIM(nanoUIM)
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11ac
  • Bluetooth:5.0
  • USBポート:Type-C
  • 公称本体サイズ:74(W)×156(D)×9(H)mm
  • 公称本体重量:約181g
  • 本体カラー:プラチナホワイト,プレミアムブラック,
  • 主な対応サービス&機能:VoLTE,おサイフケータイ,防水(IPX5,8),防塵(IP6X),ワンセグ,フルセグ,ハイレゾ音源再生


 最後にテストするXperia XZ2は,2018年夏モデルのXperiaでは,ベースモデル的な位置付けとなる“無印”モデルだ。本製品のほかに,5インチサイズの「Xperia XZ2 Compact SO-05K」と,4K液晶パネル搭載の「Xperia XZ2 Premium SO-04K」の2製品がある。
 全機種がSnapdragon 845を搭載しているほか,スペック的にも似通っていることもあり,今回はXperia XZ2でベンチマークを実行した。

前面(左):アスペクト比9:18の液晶パネルを採用しているが,前からの見た目は,今までどおりのXperiaに見える
背面(右):大きく変わったのは背面側。フルフラットな形状をやめて,2世代ほど前に流行った中央部にいくほど厚みのある形状を採用。アウトカメラや指紋認証センサーが中心線上に配置された
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指紋認証センサーが背面中央に寄りすぎており,どうにも触れにくく感じた。背面デザインの変更は,賛否両論ありそうだ
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 3DMarkのスコアは,Galaxy S9+をやや上回る結果となった。Snapdragon 845のグラフィックス性能は,OpenGL ES 3.1におけるスコアで5000前後というのが基準値となるようだ。PCMark for AndroidのスコアもGalaxy S9+を上回ったが,2017年以降のハイエンド端末としては,ごく普通のスコアといったところか。

3DMarkのスコアは,OpenGL ES 3.1プリセットが「5155」で,今回の4機種では最速となった(左)。Storage testのスコアも安定して高い(右)
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 気になる結果が出たのはぺしぺしIkinaで,93〜96になるよう連打して「71」となった。12〜14タップごとに長めの飽和が生じ,スコアが伸びなかったのだ。
 過去で同様の傾向があった端末を思い出すと,リズムゲームでの入力取得に影響のあることが多いパターンで,不安な要素だ。

ぺしぺしIkinaの「71」というスコアは,2018年の端末としては悪い(左)。製品版までに改善されることを期待したいが。CPU-Zで動作を確認したところ,AQUOS R2とCPU動作クロックの下限は同じであった(右)。だが,負荷がかかったときに,1GHz台までクロックが上昇するケースが多く見られた
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 デレステも軽くプレイしてみたところ,連続入力については問題なさそうだったが,スライドの取得漏れが気になった。製品版ではないとのことで,発売日以降のアップデートで変化があるかもしれない。Xperia XZ2を検討しているのであれば,店頭のデモ機をよくチェックしておこう。

Xperia XZ2では,ヘッドセット端子が廃止されてしまった
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 最後に,ゲーム面で気になるところを挙げておこう。Xperia XZ2では,3.5mmミニピンヘッドセット端子が廃止された。ヘッドフォンを使う場合は,Bluetooth接続か,変換アダプター経由でのワイヤード接続になるわけだが,P20 Proで確認したように,サウンドの遅延が気になる。今回は時間の関係で,Xperia XZ2の付属ヘッドフォンを借りることができなかったのだが,P20 Pro付属のUSB Type-C接続型ヘッドフォンがあったので,それを使用して確認してみた。
 デレステのタイミング調整で確認したところ,ヘッドフォンをつなげていない状態では「+13」と,Android端末としては良好な値である。ところが,ヘッドセットを接続すると,途端に「+20」となってしまった。純正品のヘッドフォンではないとはいえ,P20 Proではヘッドフォンを付けても調整値が4しか増えなかったのに比べると,Xperia XZ2は遅延が増えすぎだ。

 サードパーティー製のUSB Type-C接続型ヘッドフォンを使う場合でも,同様の遅延が生じる可能性はあるだろう。サウンドの遅延に敏感なゲームをプレイする人には,気になる要素になりそうだ。

左がヘッドフォンを接続していない状態で,右はUSB Type-C接続型ヘッドフォンを接続した状態。タイミング調整の値がこれほど変わると,同じ感覚ではプレイしにくい
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●Xperia XZ2 SO-03Kの主なスペック
  • メーカー:ソニーモバイルコミュニケーションズ
  • OS:Android 8.0(Oreo)
  • ディスプレイパネル:5.7インチ液晶,解像度1080×2160ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 845」(CPUコア Kryo 385×8,最大CPU動作クロック2.6GHz,GPUコア Adreno 630)
  • メインメモリ容量:4GB
  • ストレージ:内蔵64GB+microSDXC(最大容量400GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約1920万画素,F2.0
  • インカメラ:有効画素数約500万画素,F2.2
  • バッテリー容量:3060mAh
  • 待受時間:約440時間(LTE)
  • 連続通話時間:約1480分
  • 対応LTEバンド:未公開
  • 対応3Gバンド:未公開
  • 通信速度:下り988Mbps,上り75Mbps,5CA対応
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11ac
  • Bluetooth対応:5.0
  • USBポート:USB Type-C
  • 公称本体サイズ:72(W)×153(D)×11.1(H)mm
  • 公称本体重量:約198g
  • 本体カラー:リキッドシルバー,リキッドブラック,ディープグリーン,アッシュピンク
  • 主な対応サービス&機能:VoLTE,おサイフケータイ,防水(IPX5,8),防塵(IP6X),ワンセグ,フルセグ,ハイレゾ音源再生

NTTドコモの2018年夏モデルスマートフォン特設ページ

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    Galaxy

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